日々の書付

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まほろ駅前多田便利軒、完結?「まほろ駅前狂騒曲」 三浦 しをん

多田と行天の便利屋コンビが活躍する、まほろ駅前多田便利軒駅前シリーズも三巻め。「まほろ駅前狂騒曲」では、いよいよ今までの複線が回収され、物語も一応の区切りがついたようです。

まほろ駅前狂騒曲 物語


まほろ駅前で便利屋を営む多田と、居候の行天。なんだかんだでこの2人のバディ生活も2年を過ぎ、行天に振り回されつつも、安定した日々を送っていた多田に、またもトラブルが持ち込まれる。

ある事情から離れて暮らす行天の娘・はるを、母親から半ば強引に押し切られて預かることになる多田。自分の遺伝学状の娘といえど、幼児を恐れる行天への説明に四苦八苦することに。

また前回「まほろ駅前番外地」に登場した無農薬野菜販売団体「家庭と健康食品協会(HHFA)」が、いよいよ本性を表し、学校給食やヤクザにまで販路拡大を狙う。多田はHHFAを快く思わない、まほろ裏社会を仕切る星はからに半ば強引に調査を依頼される。
なれない育児に奔走し、やばい仕事を依頼され、おまけにバスの間引きを疑う顧客の老人・岡が仲間とバスジャック!はたして多田と行天は無事に事件を乗り切ることができるのか…。


三浦しをんが描く、駅前人情シリーズ


昭和30年代、森繁久弥らが登場する「駅前シリーズ」という人情喜劇の映画がありました。
最初にまほろ駅前多田便便利軒のタイトルを見たときに、お人好しのおっさんが、周囲の困っている人を助ける、駅前人情シリーズのような話かとおもっていました。読んでみると、だいぶ違いましたが。人情というよりハードボイルド、過去を背負った男たちの話でした。しかし、シリーズを読み進めていくいちに、なんだ、やっぱり人情ものなんじゃないか、と確信しました。

多田は過去に子どもを亡くし、行天は宗教がらみの母親から虐待を受けた過去をかかえ、それぞれが過去を背負いながらも、仕事で出会った人々や、事件を通じて、過去を抱えながらも、もう一度前を向いていこうと思い始めます。

つらい過去を背負っているからこそ、夫を亡くした亜希子や、親に犠牲を強いられる子どもたちに
彼らはぶっきらぼうながら、彼らの傷ついた心に沿おうとします。実は相手のことを思うことが、彼らの過去を癒していくのですが。
行天が宗教にはまった母親に振り回される子どもに「大事なのは正気でいること、常に自分の正気を疑うこと」と話すシーンは、きっと、行天は子どもの頃、自分で自分を守るしかなかったんだな、だから同じ立場の子どもに、この言葉をかけることができたんだろうな…

大団円?


行天は、自分の子どもである、はると会って過ごしたことで、なにか吹っ切れたようで、多田もまた、亜希子と交際をはじめて、多田便利軒のまわりは新しい風がふいてきたようです。しかし、事件が解決すると行天は行方不明に…。いったいどこへ行ってしまったのか?と思ったら、思いもかけない大団円が待っていました。

これでまほろ駅前多田便利軒は一応の完結したようですが、物語は新生多田便利軒のスタートで終わっているし、まだ行天の母親の行方も知れないので、また新たな形で多田便利軒シリーズ、続いていって欲しいです。

まほろ駅前狂騒曲
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三浦しをん作品感想


「まほろ駅前番外地」→
「まほろ駅前多田便利軒」→

「舟を編む」→
「風が強く吹いている」→
「きみはポラリス」→
「木暮荘物語」→
「星間商事株式会社社史編纂室」→
「三四郎はそれから門を出た」→

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サイズ調整可能。本読みの理想のブックカバー「amanecaアマネカ ブックカバー」

読書好きの人には、たまらないグッズを見つけました。
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レビューポータル「MONO-PORTAL」
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「そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年」 内山 完造

伝説の内山書店、その始まり


大正時代、上海でひとつの本屋が開業しました。夫の行商の留守に妻が内職がわりに勤しむための、小さな書店でした。しかしそれが、上海在住の日本人、魯迅などの中国文化人のサロンとなった、有名な「内山書店」の始まりでした。

当時の中日文化交流のサロンとしての役割をになった内山書店、その創業者である内山完造氏の上海での出来事を綴ったのが「そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年」です。内山書店創業のエピソードや氏が行なった広告手法、書店以外に手がけた日本語学校の創設など、当時の内山書店と、内山完造氏の体験談が書かれています。

そんへえ・おおへえ」とは、上海を現地の発音で聞き取ると、こう聞こえるのだとか。また、「おおへえ」とは、上海の下海地区を同じく現地発音読みしたもの。なんだか、レトロでノスタルジックで、どこか優しくなつかしい響きです。

内山完造氏が暮らした当時の上海は、きっとこの言葉「そんへえ・おおへえ」の音のように、おおらかだったのでしょうね。
旧仮名使いの古い言葉は、読みづらい部分もあるのですが、かえって古き良き時代への憧れが駆り立てられます。
岩波新書の特装版の装丁も美しく、レトロ上海好きには、手元に置いて楽しみたいと思える一冊です。


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合唱が心をつないでゆく。[映画] コーラス

新しく赴任してきた音楽教師によって、悪ガキだった生徒たちが成長していき、音楽の才能が花開いていく物語。
古今東西、この設定はすたれることなく受け継がれてきました。

それだけ、音楽の持つ力、物語のもつ力が、間違いなく人の心を打つからでしょうね。

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物語


映画「コーラス」は、フランスの寄宿舎を舞台にした音楽教師と生徒の絆を描いた作品。
著名な音楽家のモランジュは、母の葬儀のため故郷に戻る。そこへ寄宿舎時代の友人、ペピノが訪ね、音楽教師マチューの日記を託す。日記の中にはマチューとモランジュたちの懐かしい思い出が綴られていた。
悪ガキが集まる寄宿舎「池の底」は、悪ガキだらけの学校で、校長は厳しい体罰で生徒たちを支配していた。そんな中、音楽家への夢破れた舎監のマチューがやってくる。マチューは生徒たちに合唱を教え、徐々に生徒たちの中に秩序と絆が宿っていく。

やがて問題児・モランジュにすばらしいソリストの才能があることを知ったマチューは、彼を一流の音楽家に育てるために苦心していくが…。

絶望から希望へ


寄宿舎の描写が、まるで「ショーシャンクの空に」のようでした。体罰と暴力、その反抗のくり返しですさんだ生徒たちに、マチューは根気よく合唱を教えていきます。校長は出世しか頭に無く、生徒を支配しようとし、マチューの手柄を横取りするところも、ショーシャンク刑務所の所長を彷彿とさせます。

それでも、はきだめのような場所から、希望を見出していくマチュー先生と生徒たち。
その歌声は本当に素晴らしく、泣きながら観ていました。ソリストのモランジュを演じた少年は、実際に少年合唱団に所属していたのだとか。

やがて、マチューは、ある事件をきっかけにして学校を追われてしまうのですが、その生徒との別れのシーンがすごくいいんです。マチューは音楽家としては成功しなかったけれど、たくさんの生徒を育てたことは、音楽家として成功するよりもすばらしいことなんじゃないかな、って思うのです。



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愛すべき、あほうたち [映画] のぼうの城

映画「のぼうの城」を観ました。
なんというか、愛すべきあほうたちです。敵も観方も。のぼうさまはもちろん、彼に従い、圧倒的不利な状況で戦うことを決意する家臣や農民たちもあほうですが、それに応えて正々堂々、戦おうとする三成もまた、あほうといえるでしょう。

そんな愛すべきあほうたちが、真剣に繰り広げる世紀の合戦、もう単純に、面白かったです。

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壮大なスケール


500対2万の軍勢の戦い、巨大な堤を使った水攻めなど、とにかくスケールの大きい映像に圧倒されます。よくもまあ、これほどの広さを水攻めにしようなんて思ったもんです。三成は。

のぼうさま


この映画は、のぼうさまを、野村萬斎さんが演じた時点で、成功しているって思いました。アホすぎず、かっこ良すぎず、子どものようなのぼうさまが萬斎にぴったりで。
第一、クライマックスの田楽シーンは、踊りの基礎がない役者さんが演じてしまっては、説得力がなかったでしょうね。あれは、萬斎さんにしかできない演技だと思います。

クセのある成田家家臣団


丹波、和泉、靱負、成田家の個性的な家臣たち。武闘派で沈着なの佐藤浩市さんの丹波、直情的な和泉のぐっさん、若者らしい生意気さと真っ直ぐさを併せ持つ、成宮くんの靱負。みんなみんな、すばらしかったです。

榮倉奈々ちゃんの甲斐姫もやんちゃで可愛らしかった。欲を言えば、もう少し強気でもいいくらい。
のぼうさまと甲斐姫が、百姓たちを本丸に避難させるため、のぼうさまと一緒になって泥遊びに興じたり、手に手をとって土足で城の中へ入るとこは、ほっこりしたなあ。なにごともなければ、このふたり、いい夫婦になっただろうに…。゜・(*ノД`*)・゜・

こちらもクセのある秀吉家臣団


戦いに理想を追う石田三成と、苦労人の親友・大谷吉継。上地雄輔さんは明るいイメージがあるので、最初、三成役はどうかなあ、と思ってましたが、なかなか堂々としておりました。複雑な立場の吉継さんは、いろいろな役をこなせる山田孝之さんにぴったりですね。

長束役の平岳大さん。舞台ピグマリオンもそうだったけれど、こういう、上から目線の尊大な物言いの役がすごく似合う。でもちょっと可愛げがあって、憎めないところがいい。(*´∀`*)


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「村上海賊の娘 下巻」 和田 竜

村上海賊の娘 下巻」読了。つくづく、歴史をあまり知らないでよかった。そのおかげで、どちらが勝ち、誰が死ぬかなんて知らずに楽しめたから。無知もたまには役に立つものです。

信長と敵対し、劣勢の大坂本願寺に兵糧を送るため出発した村上海賊と毛利家臣団。しかし、小早川隆景の意向により、船団は淡路島から引き返す手はずとなっていた。村上海賊の娘・景は、本願寺の門徒を救うため、敵味方へ必死の説得を行うものの、景の正義は男たちには通じず、海戦は回避されるかに見えたが…。

村上海賊の娘 下巻
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ヒロインの成長


違法の船を成敗する海賊働き、その単純な正義こそが景のすべてでした。しかし、男たちが戦う戦場では景の信じた正義は通じず、皆が家の存続のため、時に裏切りや謀略を行う戦場での現実を見せつけられます。心を寄せられた泉州の海賊・七五三兵衛にまで「面白ろない奴」と蔑まれ、傷心のまま景は瀬戸内に逃げ帰ります。

しかし、逡巡の末、景は男たちとは異なる、自分の正義を貫き通す決意を固めます。
その決意がやがて周囲を巻き込んで行くのですが…。
強いけれども勝手気ままで子どものような景が、自分の思いを貫き通すため、不利な戦いに挑んでいく姿に彼女の成長を感じました。


ここにも阿呆がいやがったwww


「のぼうの城」でも、圧倒的不利な状況下でも戦いに挑んだ、一見すると阿呆ともいえる、のぼうさまと家臣たちの活躍が描かれましたが、「村上海賊の娘」にもおりました。そういう、愛すべき阿呆たちがwww

登場人物たちの中でも七五三兵衛率いる泉州の海賊衆は気持ちのよい、魅力的な連中でした。後半部分の主役は、七五三兵衛といっても過言ではないくらい。いい男なんだよなあ…。もしも景と七五三兵衛が結婚してたら、その後の歴史が大きく歴史が変わってたかもしれないのに、とおもわずにはいられません。

俳味という一種のユーモアを好む泉州侍たちは、戦場でもそうした余裕を忘れず、長年憧れた海賊衆には戦いの最中にも気軽に声をかけたり、景に対しても「姫さん、戦場でなあ」と飄々とした物言いを忘れません。
かといって戦に手を抜くどころか、景に対しても最大限の戦術で叩き潰そうとします。それこそが泉州侍たちの最大の敬意なのでしょうね。

命のやりとり


クライマックス、七五三兵衛と景の一騎打ちのシーンは、恐ろしいほどの激闘なんですが、どこかこう、情みたいなものが感じられる気がします。

現代の私達から見たら、思いをかけられた男との真剣勝負は、つらい気もするのですが、けれども、それは、心が通じているからこそ、真剣に命のやりとりができるのかもしれません。
そういう意味では、命のやりとりは、ある種、愛のやりとりでもあるのでは…と考えてしまうのは、ちょっとロマンチックすぎるでしょうか…?


海賊VS海賊


後半、ほぼ半分のページ数を締める木津川海戦の描写は圧巻、の一言につきます。彼らは当初、自分の家を守るために戦いを渋りますが、そこは戦国時代の海賊、戦いに身を投じるうちに、家名や従う大名の名分よりも、自分たちの矜持のために戦っていきます。戦いの渦中でも俳味(ユーモア)を失わない眞鍋海賊、家ではなく海賊としての戦いを存分に楽しむ、因島、来島村上当主たち。
首が飛び、甲板が血ですべる、凄惨な海戦、ヘタレな景の弟・景親の変化…
そしてそこには意外な人物も戦いに加わっていて…(←ここ大事!)

敵の船を奪い、奪われ、優勢と劣勢がくるくると入れ替わる海戦シーンは、読んでいる方も息を呑みつつ戦況を見守りながら、ページをめくります。

見どころが多すぎて、ページを早くめくりたいし、次を知りたいのに、一方で戦いを俯瞰したい、前に戻って確かめたいって気持ちが相反して、なかなか読み進むことができませんでした。

村上海賊の娘 上巻
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和田竜作品感想


のぼうの城
戦国時代余談のよだん
村上海賊の娘 上巻

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「村上海賊の娘 上巻」 和田 竜

2014年本屋大賞受賞作となった「村上海賊の娘 上巻」を読みました。確かに全国の本屋さんが売りたくなるのがわかる、納得の面白さです。もともと、大賞を取る前、書店に並び始めた時から「これは読まねば!」と直感的に思った作品です。そして、読んでみて、大当たりでした。

信長と本願寺、7年にわたる闘争の中、劣勢の一向宗、本願寺を救うため、本願寺に加勢した雑賀孫市は、毛利家と能島村上当主にして海賊王、村上武吉を引き込むという、大胆な作戦を提案する。

その、能島村上の姫・景は自ら海賊ばたらきを行うほど、うでの立つ姫。景は助けた一向宗門徒の百姓を送り届けるため、渦中の泉州へ一人向かうことになり、戦の渦中に身を投じることに…。

村上海賊の娘 上巻
村上海賊の娘 上巻
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設定の面白さ、キャラクターの面白さ


雑賀(鈴木)孫市


まず冒頭から驚かされます。戦国時代の鉄砲専門集団、雑賀衆の頭目・鈴木(雑賀)孫市が登場します。猛禽類のような、鋭い目を持つ孫市の登場に、これから何が起こるのか、読んでいる方は、これからの展開に自ずと期待がふくらんでいくのです。上巻後半、一糸乱れぬ雑賀衆を指揮し、自らもまたスナイパーとして敵の大将を撃ち抜き、信長をも狙う、孫市の手腕と狙撃シーンには、読んでいて息が詰まるほどです。

村上景


孫市登場の後、主人公・景が登場するのですが、その登場シーンのかっこよさと言ったら!
揺れる関船の上に立ちはだかる姿、違法の船に乗り移ってからのスピード感あふれる戦闘シーンは圧巻でした。
なんだか、ジブリアニメの戦闘シーンを彷彿とさせるくらい、人間離れした早さと剣技がすばらしいんです。

景姫は「悍婦で醜女」と評されていますが、その「醜女」というのは、戦国時代の感覚なので、描写を読むぶんには、今だったら、モデルさん並の美貌とスタイルをあわせもっている人だと思います。そんな景なので、異国の価値観を理解する泉州の侍たちにはモテモテだという意外な一面も。

ただ、景の性格はひとことでいうなら「やんちゃな子ども」そのまま。自らの欲望に忠実で、禁止されて率いる海賊働きを率先してやっちゃうし、「泉州だったらモテますよ」と、門徒の爺の口車にのって、戦の渦中にとびだしてゆくし。かっこいいけれど、読者を引きつけるには今ひとつ、成長が必要かな…と、思っていたら、後半面白いことになってくるのですよ。この景の行動が大きな歴史のうねりとなっていき、下巻の展開につながっていきます。

七五三兵衛たち泉州侍


景が旅の途中で出会う泉州侍たち、泉州海賊の頭目、七五三兵衛やその父親の道夢斎、泉州海賊たちのキャラクターがまたいいんです。国際都市・堺に近く、当時としては破天荒で型破り、そして独特の美意識をもっているため、彼らにとっては醜女の景がものすごい美女として認識され、景を歓待します。
その宴のシーンや、七三兵衛たちが景に夜這いに行くシーンなどは、おおらかでコミカルで、読んでいて本当に楽しかった。


歴史の中で、大ボラを吹く


作者の和田竜さんも作中書いていますが、村上海賊の王、村上武吉に娘がいたことは、ただひとつの歴史書に記されているだけなのだとか。おそらくはそんなに多くはない記述から、ここまで景のキャラクターをつくりあげ、有名な合戦の中に織り込ませる設定と物語の面白さは、さすがとしか言いようがありません。
登場人物たちが活き活きとしていて、どこまでが歴史で、どこからがフィクションなのかが判断できないほどなんです。

和田竜作品感想


のぼうの城
戦国時代余談のよだん
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やっぱり、ジャッキーチェンはいい![映画] 酔拳2

ジャッキーチェンの映画「酔拳2」を観ました。
やっぱり、ジャッキーチェンはいいです。見ていてスカッとする。
アクションも机や椅子が壊れる定番アクションから、群像アクション、お約束のコメディ、クライマックスまでドキドキハラハラのアクションが展開していきます。

フェイフォンやリンの長い旗袍(当時の民族衣装)をひらりと優雅になびかせながらのアクションがステキでした。
カンフーはやはり、民族衣装が似合います。

アクションだけではなく、物語も家族の愛情や、仲間との友情、イギリスの圧政に苦しむ清朝末期の中国の様子なども描かれていました。

以前、香港で映画の仕事をしていた日本人のインタビューによると、ジャッキーにかかると、あっという間にその場にあるものすべてがアクションの小道具に変わってしまうのだとか。

今回の酔拳2で面白かったのが、アニタ・ムイ演じる主人公・フェイフォンの継母リン。都合が悪くなると泣いて逆キレするキャラですが、フェイフォンと馬が合うらしく、2人で結託して生真面目な夫をごまかしたり、血の気が多くてフェイフォンを炊きつけて禁じられた酔拳を使わせたり、ハチャメチャでかわいい、肝っ玉かあさんでした。


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相棒の脚本家が描く、切ないミステリ 「幻夏」 太田愛

人気ドラマ「相棒」の脚本家による本格クライムミステリ「幻夏」を読みました。

読み終わって、なんとも言えない気持ちになりました。ある家族を襲った冤罪事件、それに連鎖するようにどんどんと悪い方向へ転げ落ちていく。そして、その家族を不幸へ陥れたのは、本来、市民を守るべき警察や法曹界の人間たちだった…。

幻夏 (角川書店単行本)
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物語


23年前の夏休み。刑事の相馬は小学6年の時、近くに引っ越してきた尚と拓という兄弟と友だちになった。3人で冒険をした素晴らしい夏休みだった。しかし、始業式の日、尚は忽然と姿を消してしまった…。

それから23年後、相馬の友人、私立探偵の鑓水のもとに、23年前に失踪した息子・尚を探して欲しいという風変わりな依頼が尚の母親から舞い込む。

時を同じくして、警察関係者の孫娘の誘拐事件が発生。その現場には「//=|」というなぞの記号が残されていた。その記号は、23年前、尚が失踪した河原の石に刻まれたのと同じものだった。

時間も状況も異なる3つの事件は、やがて意外な方向から結びつき始め、鑓水たちは、そのはじまりが尚の父親の、冤罪事件だったことを突き止めるのだが…

なんとも魅力的で、悲しいストーリー



すべてを奪われた人間の、悲しく切ない復讐劇


大きな力によって、肉親を奪われた犯人が、明晰な頭脳で事件関係者の孫(小生意気なガキ)を誘拐し、身代金を要求する、といった痛快なストーリーは、岡嶋二人の名作ミステリ「99%の誘拐」を彷彿とさせますが、読み進めていくと、痛快どころか、どうにもならない過酷な状況に陥った人々の悲哀を、これでもか、と見せつけられます。


冤罪の恐怖


自白を強要されても、立件してしまえば殆どの場合罪が覆されない現実、犯人を落とすためには証拠を握りつぶし、家族までも追い込む警察、激務に追われ、充分な調査を行わない検察や裁判官…。

恐ろしいかったのは、彼らはたとえ冤罪であろうとも、組織を守るためには多少の犠牲はつきものと感じ、自分の仕事でたくさんの人を犠牲にしていることに、あまりにも頓着していないことでした。
本来市民を守るべき警察、法曹界に一度犯人と認識されてしまったら…
そんな恐怖を感じずにはいられませんでした。

こうした警察、法曹界の人間たちに「相棒」の右京さんだったらきっとこう言うでしょうね。「恥を知りなさい!」と…


おまけ


本を読む時はよく、登場人物を頭の中でキャスティングするのですが、探偵・鑓水の「派手な柄シャツが似合う」って描写に、もう、この人以外のキャスティングが思いつきませんでした…(^^;) 「幻夏」映像化の際はぜひ、及川光博さんにお願いしたいものです。

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桜さんぽ。

先日の花見が、嵐のせいで散々だったため、リベンジと称してちょっと遠出の散歩へ。
国分寺市にあるお鷹の道を散策してきました。

昔、国分寺市に住んでいた頃はよく来ていたのですが、久しぶりに訪れたら道に迷った…ヽ(;´Д`ヽ)(ノ;´Д`)ノ

結局、迷って30分位あるいて、ようやく到着。途中の武蔵国分寺公園でも桜花まっさかり。
桜も見事でしたが、木蓮の花もきれいでした。調べたら白木蓮と紫木蓮の交配種らしい。ピンク色できれいな花でした。



お鷹の道の桜。満開です。お鷹の道はきれいな水が流れる散歩道。お寺や神社もあり、歩いていると江戸時代にタイムスリップしたかのような風景が広がります。



お鷹の道を散歩していると、猫発見!近づいたら逃げてしまいました。大人げな顔立ちのシュッとした猫さんでした。こうした出会いも散歩の醍醐味ですね。





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