ブックアドバイザーとゆかいな人々『書店員 波山個間子2』

2020.05.21 Thursday

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    本読みでブックアドバイザーの波山さんがさまざまな本を紹介する『書店員 波山個間子2』今回は書店の個性的なスタッフや、アルバイトの大学生、時岡くんの視点お話です。

    青ひげブックスのゆかいな人々


    波山さんが務める青ひげブックスには、波山さんの他にも個性的な書店員さんが多く。彼らのキャラクターと、本の解説がとても面白い。
    ビジネス書担当の三重木さんは「四角いものがすき」という理由で本屋に再就職した元システムエンジニア、けれど愛読書は丸みを帯びた女性像を描く棟方志功の随筆だったり、特技は空中回転という、波山さんに劣らない変人。(でも態度は紳士)

    舞台女優の茂知月さんは面接で「できる女」アピールで店長をだまくらかしたり、本の感想が下世話だったり(でも的を得ている)解説だけ読もうとしたりと、かなり個性的。でも、そんな彼らに輪をかけて個性的なのが波山さんと店長だったりします。

    本は読まないけれど、売るのは大好き」と公言してはばからない店長や、家を本で埋め尽くす本オタクの波山さん。そんなゆかいな人々が働く青ひげブックストア、訪れてみたいです。




    まともな(?)アルバイト、時岡くんの視点


    青ひげブックスで唯一(?)の常識人である時岡くん。本に関してだけ優れたスキルを持つ波山さんにちょっと興味をもっているようです。(あくまで人間として)

    波山さんに選んでもらった「西の魔女が死んだ」をきっかけに、いろいろな本を読み始め、本を通じて「幸せとはなにか」と考えます。

    ちなみに波山さんの幸福は「健康とお金」。この答え、シンプルだけど的を得ていて「それぞれの人にあった幸福の、ベースとなるもの」が「健康とお金」だと。うん、たしかにそう。
    そうやって完結に答えられるのも波山さんが常に本からインプットをしているからなんでしょうね。

    そしてもうひとつ、「本を読むことと売ること」だそうです。確かにww



    本を持って、街に出よう


    波山さんの休日の過ごし方は意外とアウトドアだったりします。お気に入りの飲み物とお菓子、そして本をバックにつめて、外にでかけます。街の公園にでかけるとそこでやるのはもちろん読書。

    今回は本邦初の古書ミステリと言われる「せどり男爵数奇譚」を読んでいます。私も読みましたがこの本、昼間の公園で読むにはちょっとエグい話も出てくるのですが、まあそこは波山さん、本が読めれば場所はどこでもいいようです。

    でも、こんな風に外で読書をするのも楽しそうです。やってみたいな。
    「せどり男爵数奇譚」は同じく書店が舞台の「ビブリア古書堂の事件手帖」にも登場します。

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    本がよみたくなるマンガ『書店員 波山個間子』

    2020.05.19 Tuesday

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      ブックアドバイザーである波山さんが、お客さまの希望に沿った本を紹介する『書店員 波山個間子』は、波山さんの紹介する本と、彼女の周りの個性的な人たちとの日常が面白くて、何度も読み返しています。

      人見知りなのに、本に関する知識は膨大で、共感力が高くて泣き上戸。ちょっとしたキーワードからお客さんの欲しい本と、在庫までわかってしまう。部屋は本で溢れているし、本の世界にすぐ入っていける集中力と、共感力。

      そして彼女が語ると、その本がとても魅力的で、読んだことがある本だと「そうそう!」と、思わず相槌を打ちながら読んでしまいます。



      等身大な書店員・波山さん


      波山さんは「ビブリア古書堂の事件手帖」の栞子さんのような推理力(と巨乳)はないし、「ガイコツ書店員本田さん」の本田さんのように個性的な職場で働くわけではない。けれど、近くにいそうな、等身大な感じが好きなんです。

      彼女自身も完璧なブックアドバイザーではなくて、コミュニケーションが苦手で、いろいろ迷ったり悩んだりしながら成長していきます。

      そういう姿に応援したくなるし、栞子さんのように本(と美貌)に関して完璧じゃないところが逆に親しみを感じます。

      お客さんから「手紙に○とか×とか書く話」と言われただけで向田邦子の名エッセイ「字のない葉書」を導き出すのはさすがです。

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      野田知佑の「ゆらゆらユーコン」などの紀行文から、ヘルマン・ヘッセなどの名作まで紹介する本は多種多様、いろいろなジャンルの本を波山さんが紹介してくれます。

      ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」ではお客様に紹介したものの、高校時代、友人との確執から読まなかったヘッセを読むことで、波山さん自身が過去の自分を乗り越える話が描かれます。

      ふだんお客様に本を読むきっかけを与えるブックアドバイザーの波山さんが、お客様からきっかけを与えてもらったことに「書店員冥利」と考えるところが、あゝこの人、根っからの本屋さんなんだなと感動しちゃうんですよ。

      波山さんのようなブックアドバイザーに本を選んでもらいたい、というのが本好きのわたしの夢だったりします。

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      散財で歴史に名を残した男『蕩尽王、パリをゆく 薩摩治郎八伝』

      2020.05.17 Sunday

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        政治や芸術で名を残す偉人は大勢います。けれど放蕩で世に名を残した人物というのは珍しく、薩摩治郎八がその筆頭ではないでしょうか。

        この人が何をやったかというとただひたすら、好きなことにお金を使っただけなんです。パリの一流ホテルで一晩一千万のパーティーをひらき、最先端の車を購入、日本ではフランス風の豪邸を建て、社交界で浮名を流す。


        リアル版・ヤングインディー・ジョーンズ


        90年代、若きインディー・ジョーンズの活躍を描いたドラマありました。ヤングインディー・ジョーンズが旅行先や入隊した外人部隊でシュバイツァー博士やアラビアのロレンス、マタハリなど当時のさまざまな有名人と交流する物語です。

        しかし、若き日の薩摩治郎八は「本当に」外人部隊に参加し、数々の有名人と邂逅をはたしています。コナン・ドイルにアラビアのロレンス、藤原直江(オペラ歌手)や藤田嗣治(画家)など、その交遊録の幅の広さといったら。

        パリでも有名な作家や芸術家たちと交流し、「金は出すが口は出さない」よきパトロンでもありました。
        戦後は瀬戸内寂聴さんや美輪明宏さんとも交流があったそうです。

        日本人にとって散財や放蕩は悪いイメージしかなく、そうした人はたいてい民衆から忌み嫌われるものですが、なぜか、治郎八は愛されていたんですね。

        薩摩治郎八と松方幸次郎


        国立西洋美術館のベースとなる松方コレクションを集めた松方幸次郎は、ありあまる資産を「後世のために」と使いましたが、薩摩治郎八は「自分の好きなことに」資産を使い、使い果たします。
        代表的な事業としてパリ日本館の建設がありますが、現代に換算するとなんと40億もの金をつぎこんだのだとか。

        それも、人のためにではなく、自分のパリ社交界での地位を確立するためだというのですから、すごいものです。

        松方幸次郎と松方コレクションをめぐる物語。原田マハさんの「美しき愚かものたちのタブロー」


        生活芸術家


        薩摩治郎八の妻、千代子は当時ヴォーグの表紙を飾り、パリ社交界の花形でした。そんな華やかな女性なので、てっきり白洲次郎・正子夫妻のようにお互いに自立した関係なのかとおもいきや、どうも夫人は薩摩治郎八の手によって生み出された「作品」であったらしいのです。

        嫁入り前は野暮ったくおとなしい娘であったのを、治郎八のエレガンス教育と、流行のファッションを身に着けさせることでマイ・フェア・レディのごとく仕立てていったのだとか。

        千代子さんは早死したため、彼女側のコメントは子
        のっていないのですが、この「紫の上」はそんな人形のような(でも最高級の)生活をどう思っていたんでしょうね。

        治郎八自身、直接的に芸術を生みだすわけではなかったのですが、夫人への教育自体が「作品」であり「芸術活動」だったそうです。

        富豪でも貧乏でも変わらない


        フランスを愛した薩摩治郎八は戦争中もフランスにとどまり、在留邦人やドイツ軍に虐げられた人々を救う行動も行っていたようです。

        けれどもやはり、そうした活躍よりも戦後、莫大な財産を散財しつくして「すっからかん」になって帰国。しかしその後もも己の美学を貫いて生き、永井荷風のごとくストリップ舞台に通い、若い踊り子と再婚します。

        文章を読むと、どうも豪奢な生活をしていたときと、貧乏暮らしの時も治郎八は治郎八のままなんですね。放蕩紳士といった感じで。

        戦時中、尋問された折に罪の覚えがあるかと聞かれ、こう答えた薩摩治郎八。
        「自分の犯した大罪があったとしてら、仏蘭西を愛しすぎたという一言につきましょう」


        自分の好きなものに全力で放蕩を行った薩摩治郎八。後にも先にも、これほど豪快で面白いお金の使い方をした人はいないでしょうね。


        JUGEMテーマ:最近読んだ本



        古本屋さんに住む女の子の話。『森崎書店の日々』 八木沢 里志

        2020.05.15 Friday

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          こんな時だからこそ、読みたい本。『森崎書店の日々』は主人公の貴子が、叔父が営む神保町の古書店に住むことになったお話です。

          ときには人生の中で立ち止まってみる。そこから新しい景色が見えてくることを教えてくれる本です。

          『森崎書店の日々』あらすじ


          恋人から「今度(別の人と)結婚するんだよね。」と軽い口調で振られた貴子は、ショックで会社をやめてしまう。心配した叔父サトルの誘いで、古本屋「森崎書店」を住み込みでを手伝うことになった。

          最初はまったく本(それもカビ臭い古本)に興味のなかった貴子。けれどある日、店にある本『或る少女』を手にとって読んでみたところ、すっかり本の世界に入ってしまった。

          なにせ本はいくらでもある。それからどんどんと本を読みまくるようになった貴子は店番をしながら本を読み、喫茶店でコーヒーを飲みながらまた本を。空いた時間は神保町を散策する。そんな生活を続けるうち、貴子は自分の人生を真剣に考えるようになり…




          人生の休暇


          古書店で働き、本を読み、珈琲を飲みながらまた読書。部屋にはたくさんの本。本好きにとってこんなにうらやましい環境はありません。貴子が本のおもしろさに目覚めたところなんかは読んでいるこちらも、ぱあっと、視界が広がるような気持ちになりました。

          貴子は、本を読んでこなかったからこそ、よけいに新しい世界が広がったんでしょうね。そして、ひょうひょうとしているようでいて、しっかり貴子を見守ってくれていたサトル叔父さん。ときにその思いが暴走しちゃうけど、こんな叔父さんがいたらいいなあと思います。

          本との出会いと、サトルおじさんとの再会は、貴子の人生に新しい世界の扉を開いてくれたんですね。

          後に出会うことになる常連客の和田さんが、貴子の本を読む姿をみて「さなぎが蝶にかえるような」と評しています。

          今までのようにいかないことの多い昨今ですが、私も今は貴子のように立ち止まって、羽化するまで心や知識を育てていく時間だと考えるようにしています。


          「桃子さんの帰還」


          「森崎書店の日々」の後日譚。映画にもちょこっとでてきた、サトルおじさんと、出て行ってしまった奥さん、桃子さんとのお話です。

          数年間出奔して行方しれずだったサトルおじさんの奥さん、桃子さんが突然帰ってきた。ひょうひょうとした桃子さんはいつの間にか貴子が使っていた2階の部屋に住み着いて、店を手伝い始める。

          突然帰ってきた桃子さんの真意を探るため、サトルおじさんから桃子さんの様子を探るように頼まれる貴子だったが、逆に桃子さんのペースに乗せられて、一緒に旅行に行くことに。

          一方、貴子にもある男性との出会いが訪れ…。

          明るい感じの桃子さんですが、実は心にいろいろな傷を抱えています。貴子もつらい思いをいろいろしてきたから、桃子さんの気持ちを受け止めることができたのでしょうね。貴子の新しい恋がうまく行って欲しいと思います。

          映画「森崎書店の日々」


          小説の雰囲気をそのままに、貴子の古書店での日々が描かれています。貴子役の菊池亜希子さんがほんとうに貴子だし、サトル叔父さんの内藤剛志さんもいい雰囲気ですし、岩松了さんのサブさんがいい味をだしています。

          映画「森崎書店の日々」感想」→

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          『悪魔の辞典』アンブローズ・ビアス

          2020.05.11 Monday

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            アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』は、タイトルに『悪魔』と付くくらいですので、その内容は辛辣と風刺、毒舌・誹謗中傷で飾られています。

            最初に『悪魔の辞典』を読んだのは中学生の頃でした。当時は難しい言い回しや、キリスト教ベースの内容がわからず、読むのに四苦八苦した覚えがあります。

            しかし、それでも万国共通で理解できる内容もあり、その辛辣さとユーモアが大好きでした。
            今読んでも当時の風俗や流行、やはり聖書ベースの部分は読解が難しいのですが、昔よりも理解ができるようになりました。

            また、昔から変わらないもの、権力や恋愛、結婚、に関する記述は今読んでもニヤリとしてしまいます。




            貴族
            (中略)野心を持つアメリカの金持ちの娘たちのために、自然が用意してくれているもの

            イギリスドラマ「ダウントン・アビー」でも、グランサム伯爵夫人はアメリカの大富豪の娘でしたから、あながち間違ってはいないのでしょう。

            銀行預金
            銀行を支えていくために行われる慈善の寄付

            これは今でも変わりませんね。更に昨今は窓口にいくと投資まで勧められるので、下手をすると資産を減らすどころか、本当に慈善の寄付になりかねないので注意が必要です。

            恋愛
            一時的な精神異常だが、結婚するか、原因から遠ざかれば簡単に直る

            だからといって、結婚をすればいいかというと、もちろんそんな風には書いてありません。

            結婚
            「(中略)一人の主人と一人の主婦と、二人の奴隷とからなり、それでいて全部合わせて二人にしかならない状態」

            なんのこっちゃかわからない文ですが、それだけ複雑ということなのかもしれません。

            誕生
            「あらゆる災難の中で、最初に訪れる、最も恐ろしい災難」

            これはもう…、ビアスの辛辣さ全開ですね。ただ、ビアスは息子を亡くしているので、その悲しみを災難と例えたたのかも。いやでも、そんなきれいごとではないか…。


            アンブローズ・ビアスという人


            アンブローズ・ビアスという人は、「ニガヨモギと酸をインキがわりに用いた」と言われていました。ニガヨモギはハリー・ポッターにも登場するハーブで苦味があることで知られています。それくらい、辛辣だということでしょうね。

            この人の人生は、彼の著作以上に波乱万丈で、家族との不和、家出、戦争体験、離婚…、最終的には「失踪」で消息を断っています。

            作家の中には早世したり、自殺したりする人も多いですが、「失踪後、行方不明」というインパクトの強さは、最初に読んだ子供の頃から今でも忘れられません。

            ちなみに『悪魔の辞典』の『失踪』の項目には
            「不可解に行動すること、他人の財産を持ち逃げするときに使う」

            と記述されていました。

            派生作品


            調べてみると、悪魔の辞典の派生作品は今でも出版されているらしく、筒井康隆さんの翻訳本や池上彰さんの政界バージョンまで、さまざまなものがあるようです。

            ビアスはジャーナリストでもあったので、池上さんのジャーナリスト視点の「悪魔の辞典」は面白そうですね。

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            八咫烏シリーズ外伝『はるのとこやみ』(ネタバレ)

            2020.05.09 Saturday

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              八咫烏シリーズ『はるのとこやみ』は1巻『烏に単は似合わない』の前日譚で、東家の姫・あせびの母親・浮雲のお話です。音楽で心を通わせるラブ・ストーリーなのですが…




              『はるのとこやみ』あらすじ


              東家は音曲を司る家柄。庶民にも広く音曲を奨励しており、双子の伶と倫も「山烏」と呼ばれる庶民の出であるものの、楽才で東家に仕えることを許されていた。

              楽才があれば中央での出仕もかない、出世も約束されているため、修練を積むふたり。しかし、楽の才能は倫の方が勝っていた。自分の才能に限界を感じ、弟に嫉妬を覚える伶。

              ある時、帝である金鳥に嫁ぐ登殿の候補者選びのため梅見の宴が開かれる。そこで二人は驚くべき演奏を聞く。それは浮雲という姫の音だった。姫の音に魅了された弟の倫は、密かに姫と合奏を行い、心を通わせていく。

              弟は姫との恋に溺れ、けっきょく楽士となれたのは伶の方だった。ある日、中央に出仕した伶のもとに、弟が自殺をしたと知らせが入る。

              真相を確かめるため、浮雲の元を訪れる伶。そこで見たのは、弟の髪と目を持つ小さい姫だった。

              浮雲が弟を愛していたと確信した伶は、彼女に対面する。しかし、浮雲の口から出たのは、思いもかけない言葉だった…

              一番怖いのは、自覚がないこと


              最後の浮雲のセリフにゾッととしました。
              浮雲もあせびも、したたかで計算高いのですが、なんというか、その時々で欲しいものがあると全力を尽くすけれど、手に入れるとすぐに飽きて、忘れてしまうんですよね。

              『烏に単は似合わない』によると、浮雲は若君の母親殺しにも絡んでいるらしいのですが、そんな浮雲を持ってしても、敵わなかった大紫の御前すごいわ…。

              世界がなくなっても、争いは消えない


              『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』では、宮中の勢力争いの物語ですが、八咫烏シリーズを最後まで読むと、現在、八咫烏の住む山内は未曾有の危機、「山内」という世界自体が存亡の危機に陥っています。

              そうなってしまったら、大紫のお前やあせびはどうするのでしょうね。自分たちの権謀術数だけでは通用しなくなる世の中がきても、やはり変わらず、自らの欲求のために動くのでしょうか…。まあそうでしょうね。それしかできないとしたら、いくら通用しなくてもやり続けそうです。彼女たちは。

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              八咫烏シリーズ


              『烏に単衣は似合わない』
              『烏は主を選ばない』
              『黄金の烏』
              『空棺の烏』
              『玉依姫』
              『弥栄の烏』
              外伝『すみのさくら』
              外伝『しのぶひと』
              外伝『ふゆきにおもう』
              外伝『まつばちりて』
              外伝『あきのあやぎぬ』
              外伝『ふゆのことら』
              外伝『なつのゆうばえ』

              猫?を拾った話『猫を拾った話。』

              2020.05.07 Thursday

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                サラリーマンが猫を拾った話。しかし育った猫はなんと単眼、三本足、そして巨体。
                口はクリーチャーのような複数の舌と鋭い歯を持ち、鼻はなんとしっぽについている。

                そんな異形の猫を拾ってしまったイガイくん。ときどき猫の超常さにビビるものの、それでも愛情もって育てていきます。「ねこ」と名付けられた異形の猫もイガイくんになつき、普通の猫のようにじゃれたり甘えたりするのですが、なにせ巨体なため、たまにイガイくんを圧倒してしまうことも…

                ある日、イガイくんは大量に出た「ねこ」の抜け毛でちいさな毛玉のぬいぐるみをつくったところ、その毛玉がなんと開眼!自由に動き出してしまう。そうとは知らないイガイくんでしたが、同僚のサトウさんはその毛玉と遭遇してしまい…。

                「ねこ」と分身の「毛玉」にぐうぜん遭遇してしまい、その存在に悩まされる同僚のサトウさん、サトウさんの弟で毛玉を保護しようとするユウトくん、猫アレルギーだけどネコ好き、「ねこ」を見たがる配達員のダイキさんなど登場人物たちが「ねこ」とイガイくんに関わっていきます。

                いやもう、「ねこ」がかわいいです。最初はそのクリーチャーっぷりにビビりましたが、死にそうなところを拾われて育ててくれたイガイくんのことを心底慕っている姿がとてもかわいい。

                あと、この漫画は擬態語が独特で「ずも」「ふもし」「なおう」ねこの異形さとかわいさが表されていて、とてもいい。

                『猫を拾った話。』を読んじゃうともう、ふつうの猫マンガじゃ満足できなくなるかも…。

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                天授の国の結婚式『テンジュの国5』

                2020.05.06 Wednesday

                0
                  チベットの医師見習いの少年と、異民族の少女の物語もいよいよ最終話。
                  出会いから徐々に絆を育んできたカン・シバとラティ。いよいよ2人の結婚式の準備が始まります。ちなみにタイトルの「テンジュ」とは「天から授かること」という意味なのだとか。

                  戦(料理)の支度


                  『乙嫁語り』の5巻でも、婚礼の料理づくりが一大イベントでしたが、それはチベットでも同じようで、カン・シバの母、叔母、ラティ、ペマが協力して婚礼の料理を試作します。

                  ピンシャ(春雨の炒めもの)や、チベットの主食であるツァンパ(麦)にバターや砂糖を入れたシン、それにラティの実家で食べられていた羊肉の胃袋焼きなど、結婚式など、特別なときにしか食べられない料理が作られます。

                  しかし、場を仕切る叔母さんがモヤっとするくらい、のんきな二人…
                  それというのも、通常の結婚式は「よくわからないうちに連れてこられて、よくわからない内に宴会を眺めている」くらい、当人たちにはあまり知らされていないらしい。



                  家族の帰還と異民族の風習


                  ラティの民族はチベットとは違う婚姻の風習があり、結婚してもそのまま実家に何年もいることもあるという。それを聞き不安になるカン・シバ。そんな時、旅に出ていた家族が帰ってくる。

                  3巻で登場した叔父さん家族とはまた別の叔父さん一家と、医者でもあるおじいちゃんは行商と各地の治療を行い結婚式のために戻ってきた。そして、驚いたのはカン・シバとペマの間にもうひとり兄弟がいて、その弟ゲンドゥンはなんと出家しているとのこと。

                  チベット仏教では賢い子が出家するらしく、カン・シバがのほほんとしてて分かりづらいですが、実はお金持ちだしお坊さんを輩出するくらいのエリート家系なんですね。

                  そして、おじいちゃんがまた面白い。お父さんも割とマイペースですが、おじいちゃんは破天荒。途中の貧しい村で運搬用のヤクを食べちゃうし、怪我してる息子を叩いちゃうし、面白い家族です。

                  天授の国


                  さて、初回で出会い、最終話で結婚式を迎える二人。カン・シバは落ち着かず、水くみに行くと、そこにはこれまで出会った人々がお祝いのために駆けつけてくれていた。みんなのためになにかしたいと張り切ってしまったカン・シバは筋肉痛に…明日は大丈夫なのか…

                  そんなこんなで結婚式当日、美しい衣装を身にまとったラティに見惚れるカン・シバ。そこで大事な薬草を出しっぱなしにしちゃったことに気がついて…

                  チベットの結婚式、カターと呼ばれる白い布をかけたり、花嫁の乗る馬は妊娠した牝馬に限られたり、披露宴では新郎新婦を褒める称える歌が披露されたりと、興味深い風習がたくさんありました。

                  のほほんとしている二人ですが、末永く幸せであってほしいと思います。そして、結婚式の後の旅編もいつか描いてほしいです。

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                  『銀色の髪の亜里沙』和田 慎二

                  2020.05.05 Tuesday

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                    『白銀の墟 玄の月』第三巻で、驍宗さまが何年も山の中に閉じ込められる場面がありましたが、それを読んで思い出したのがこの『銀色の髪の亜里沙』です。こちらもまた、閉じ込められ系のお話ですね。

                    『巌窟王』をベースに、洞窟に閉じ込められた少女が脱出を試み、自分と家族を陥れた友人たちに復讐していく物語なのですが、これが面白い!

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                    『銀色の髪の亜里沙』あらすじ


                    社長令嬢の亜里沙は、友人たちとピクニックに行った先で、崖から突き落とされてしまう。実は友人たちはそれぞれ亜里沙に嫉妬しており、その中でも亜里沙の父の会社の重役令嬢・信楽紅子は父親と共謀し亜里沙の父を死に追いやり、会社乗っ取りを図る。

                    亜里沙は生き延びて洞窟にたどり着くものの、そこは濁流のため外に出ることができない。亜里沙は同じように遭難した考古学者夫妻に助けられ、育てられる。聡明な老夫妻は彼女に応用の効く基礎知識やさまざまなことを教えた。

                    やがて老夫婦が亡くなる時に残してくれたヒントをもとに、亜里沙はようやく外にでることができたものの、長い幽閉生活のためか、彼女の髪は銀色になっていた…。

                    経験が復讐を助ける


                    外に出てからの亜里沙は自分を陥れ、家族を殺した(母親も追い詰められて亡くなっていた)友人と、信楽親子に復讐すべく、彼女たちのいる高校に転入するのですが、ここからの復讐がほんと面白い。

                    いきなり外にでても資金もないのにどうやって彼女たちに近づくのか、と思ったら洞窟にあったのです、軍資金が。地下には巨大なヒスイの壁があり、それを元にして大富豪となった亜里沙。

                    他の3人はそれぞれ、勉強、陸上、美貌を生かした芝居と、得意分野があったのですが、それをことごとく潰していく!この小気味よさ!

                    それもこれも老夫婦から教わった知恵、暗くて足場の悪い場所で鍛えた脚力など、洞窟時代に培った経験が役に立っているのも面白い。

                    しかし最後の相手、信楽紅子は手強く、亜里沙は彼女の舞台に使用される「仮面」を利用しようとするのですが…。

                    70年代に描かれた話なのに今読んでも面白いです。

                    JUGEMテーマ:漫画/アニメ



                    おうち時間に読みたい、閉鎖空間系小説・まんが

                    2020.05.04 Monday

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                      みなさま、長らくごぶさたしておりました。

                      更新がだいぶ空いてしまい、申し訳ありません。

                      この数ヶ月何をしていたかというと、あまり詳しくは書けませんが、とあるハラスメントを受けたことがきっかけでメンタルをやられたため、休養に入ってああこれから少しゆっくりできるわ、と思ったところにコロナがきて、復活しかけたメンタルがまたやられておりました。まあ、今は元気は元気なのですが。

                      なにせ私はHSPなもので、辛いことに弱い。コロナの悲しいニュースに不安を感じ、鼓動が激しくなったりと、落ち着かない日々でしたが、とにかく今は自分ができることをやっていくだけ、と思い、毎日を乗り越えています。


                      閉鎖空間で育った人々の想像力


                      外に出ない生活が長くなると、なんだか自分がSFの登場人物になったような気分になります。ドーム都市に住んでいて、そこ以外は戦争とかウイルスが蔓延しているしているとか、あるいは科学者の実験空間に住んでいて、それを知らないだけだったり。さまざまな妄想を浮かばせて少しでも楽しく過ごすようにしています。

                      そうした閉じ込められ系のモチーフは、小説や漫画でも古今東西使われていますので、今回はそうした一部の空間でのみ生きている人間たちの物語をご紹介します。

                      閉鎖空間で生活する人々は、私たちが当然知っている情報を知らない。知っている私たちは「神の視点」を手に入れていて、「知らない人」が想像する世界を楽しめる。

                      それはなんとも残酷で、贅沢なことだと思うのです。

                      『びっくり箱』レイ・ブラッドベリ


                      世界は自分の住む屋敷と周囲の森だけ、それ以外は恐ろしい死の世界ー。そう母親に教えられて育った子どものお話。
                      子どもは誕生日のたびに音楽室や調理室、部屋の鍵を与えられ、世界の秘密を手に入れていく。
                      けれども成長すると外の世界に興味を示していき…

                      お屋敷の1階を「低地」最上階を「高地」と呼び、部屋と庭だけが世界って、一体どんな気持ちなんだろう。




                      『孤島の鬼』江戸川乱歩


                      エログロ、BL、殺人事件に脱出、謎解き、江戸川乱歩の傑作「孤島の鬼」は読みどころが満載なのですが、中でも私が心を惹かれたのは蔵に住むシャム双生児の女の子・秀ちゃんです。

                      秀ちゃんは蔵に軟禁状態で育てられているのですが、双子の片割れ(人工的に作られたので血はつながってない)吉ちゃんは愚鈍で暴力的なのに対し、秀ちゃんは聡明な女の子らしく、哀れに思ったじいやさんがくれた雑誌で、かなり正確に「外の世界」のことを把握していきます。

                      実はこの秀ちゃんは後に意外な出自が判明するのも、その後の展開も驚かされました。




                      『FELICIA(フィリシア)』エイリアン通り特別編


                      80年代の名作漫画「エイリアン通り」の特別編として描かれた読み切り漫画『FELICIA(フィリシア)』は、エイリアン通りの主人公・シャールくんが「女優」として撮影された映画のストーリー。

                      小さいときから外に出たことがなかった少女・フィリシアが、父親に反発して家を出ていた青年ランディと出会い、外の世界について知っていく物語。

                      純真無垢で(天然な)フィリシアの素朴な疑問や行動に影響を受けたランディも、働くことや家族との関係を見直していくのですが、フィリシアがとにかく一般常識がなくて面白かったです。でも憎めないんですよ。
                      このゆるふわ系女子を、あのシャールくんが演じていると思うとまた面白かったです。