鬼滅の刃など、マンガ・アニメにおける「嗅覚」
2021.01.10 Sunday
今更ですが、ようやくアニメ『鬼滅の刃』を見ました。たしかに多くの人が夢中になるのがわかる、面白い内容でした。これでやっと「鬼滅見ていないの?」プレッシャーから開放された…。
物語の面白さの他に、もっとも気になったのが主人公の持つ特殊能力が「嗅覚」、匂いで敵の存在や相手の感情をも察知できるという能力でした。より本能的な感覚だからこそ、生死をかけて戦う炭治郎に適していると思いましたし、視覚はあんがい思い込みに左右されますしね。
そういえば最近のアニメマンガでも「嗅覚」を使った展開をよくみかけます。
よく「五感」と言われますが、現代人はとかく視覚と聴覚を重要視し、嗅覚や触覚にはあまり注意をはらわない気がします。けれども「嗅覚」はより本能的で、生と性と死を判断する基準を持つ感覚です。
コロナウイルスの症状の中で代表的な「嗅覚異常」も、実は人が生きるために必要な「食」に関わる感覚が削られていくところにコロナの恐ろしさを感じます。
そんな、生死があやうい現代だからこそ、視覚以外の感覚をもっと研ぎ澄ますべきなのかもしれません。
『鬼滅の刃』以外にも、マンガやアニメ、小説でも嗅覚にまつわる話は多くて、特殊能力として扱われています。
『満洲アヘンスクワッド』というマンガは、主人公が優れた嗅覚を武器に上質なアヘンを生成し、暗黒街をのし上がっていく話です。現実を忘れるほどの快楽と、後に訪れる死。嗅覚はここでも生と死に直結しています。
『あせとせっけん』は、鼻がきく男性、香太郎が惹かれるのは、汗っかきだけど、彼にとって「いい匂い」のする女性、麻子さん。相手の持つ香りに惹かれるのは、より強い子孫を残すため、免疫の違う相手を嗅ぎ分けているのだとか。
上橋菜穂子さんの小説『鹿の王』では、主人公のヴァンが病原体を持つ犬に噛まれたことで、突発的に動物的な感覚がみについてしまいます。動物の尿からフェロモンを嗅ぎ分け、どのくらいの距離にどんな動物がいるか、匂いで瞬時に判別できるようになります。
匂いの中には人間にはわからない多くの情報が含まれていて、動物たちはそれを嗅ぎ分けることで危険を回避したり、生殖の相手を見つけ出すのですが、そんな「動物の感覚」を文章で体感させてくれる小説です。
ひとくちに嗅覚といっても様々な捉え方があって面白いですね。私達はどうしても視覚(あるいは聴覚)に頼りがちですが、嗅覚、触覚、味覚にもさまざまな情報が含まれているので、こうした感覚も磨いていき、炭治郎のように日々の危険を察知していきたいものです。
物語の面白さの他に、もっとも気になったのが主人公の持つ特殊能力が「嗅覚」、匂いで敵の存在や相手の感情をも察知できるという能力でした。より本能的な感覚だからこそ、生死をかけて戦う炭治郎に適していると思いましたし、視覚はあんがい思い込みに左右されますしね。
そういえば最近のアニメマンガでも「嗅覚」を使った展開をよくみかけます。
原始的で本能的な感覚
よく「五感」と言われますが、現代人はとかく視覚と聴覚を重要視し、嗅覚や触覚にはあまり注意をはらわない気がします。けれども「嗅覚」はより本能的で、生と性と死を判断する基準を持つ感覚です。
コロナウイルスの症状の中で代表的な「嗅覚異常」も、実は人が生きるために必要な「食」に関わる感覚が削られていくところにコロナの恐ろしさを感じます。
そんな、生死があやうい現代だからこそ、視覚以外の感覚をもっと研ぎ澄ますべきなのかもしれません。
マンガ、アニメ、小説の嗅覚
『鬼滅の刃』以外にも、マンガやアニメ、小説でも嗅覚にまつわる話は多くて、特殊能力として扱われています。
快楽と死の嗅覚
『満洲アヘンスクワッド』というマンガは、主人公が優れた嗅覚を武器に上質なアヘンを生成し、暗黒街をのし上がっていく話です。現実を忘れるほどの快楽と、後に訪れる死。嗅覚はここでも生と死に直結しています。
男女が惹かれ合う、本能的な恋愛嗅覚
『あせとせっけん』は、鼻がきく男性、香太郎が惹かれるのは、汗っかきだけど、彼にとって「いい匂い」のする女性、麻子さん。相手の持つ香りに惹かれるのは、より強い子孫を残すため、免疫の違う相手を嗅ぎ分けているのだとか。
あらゆる情報が読み取れる動物的な嗅覚
上橋菜穂子さんの小説『鹿の王』では、主人公のヴァンが病原体を持つ犬に噛まれたことで、突発的に動物的な感覚がみについてしまいます。動物の尿からフェロモンを嗅ぎ分け、どのくらいの距離にどんな動物がいるか、匂いで瞬時に判別できるようになります。
匂いの中には人間にはわからない多くの情報が含まれていて、動物たちはそれを嗅ぎ分けることで危険を回避したり、生殖の相手を見つけ出すのですが、そんな「動物の感覚」を文章で体感させてくれる小説です。
ひとくちに嗅覚といっても様々な捉え方があって面白いですね。私達はどうしても視覚(あるいは聴覚)に頼りがちですが、嗅覚、触覚、味覚にもさまざまな情報が含まれているので、こうした感覚も磨いていき、炭治郎のように日々の危険を察知していきたいものです。