「夏」が舞台の小説いろいろ

2019.08.18 Sunday

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    避暑地の出来事、真夏の逃避行、夏休みの子どもたちの冒険、夏の悲しい失踪事件、傷ついた大人の夏休み…など、さまざまな夏の小説を集めてみました。


    桃源郷の短期滞在客


    100年前のニューヨーク。避暑地の混雑を避け、都会のホテルで過ごす上流階級の婦人と紳士のお話。どんでん返しあり。


    エルニーニョ


    暴力を振るう彼氏から逃げだした主人公が、逃亡先で不思議な少年・ニノと出会う。ニノもまた誰かに追われていた。二人の逃避行と非日常が交錯する不思議なお話。



    くらのかみ


    耕介は、夏休みに田舎の大叔父の家を訪れたとき、いとこたち4人と遊んでいると、いつの間にか一人子どもが増えていることに気がつく。旧家で起こる事件と、座敷わらし、ミステリとホラーが両方楽しめる本です。




    幻夏


    ドラマ「相棒」の脚本家・太田愛さんが描くクライム・サスペンス。小学6年の夏、相馬は近くに引っ越してきた尚と拓という兄弟と友だちになった。しかし、二学期の始業式の日、尚は忽然と姿を消してしまった…。

    それから23年後。相馬の友人、私立探偵の鑓水のもとに、23年前に失踪した息子・尚を探して欲しいという風変わりな依頼が尚の母親から舞い込む。

    権力に翻弄される家族と、その復讐劇。せつない話です。



    風まちのひと


    妻の不倫や母の死で心に傷を追った須賀は、母の家で風変わりなおばちゃんと出会う。「福の神のペコちゃん」と呼ばれる喜美子の献身的な世話で須賀は徐々に生きる力を取り戻しくのだが…。

    心が疲れた大人の夏休みの物語。



    JUGEMテーマ:オススメの本



    電子書籍か紙の本か。2018年の読書総括

    2018.12.31 Monday

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      2018年から電子書籍を使い始めました。いやもう便利でしょうがないです。紙の本もちょこちょこ買っていますが、カラーの漫画や専門書、あと、何度も読み返したい本やエッセイ、専門書などは電子書籍を使っています。

      私が思う電子書籍のメリット・デメリット


      電子書籍のメリット
      ・パブリックドメイン小説を大量に読める
      ・無料マンガが案外読める
      ・たくさんの本を持ち歩ける


      電子書籍で見つけたパブリックドメイン。本黒岩涙香「幽霊塔」は明治時代独特の文章の読みにくさはあっても、それを凌駕する物語の面白さです。

      幽霊塔





      電子書籍(というかKindleFireHD)のデメリット
      ・アプリが使えない
      ・Koboで買った電子書籍が読めない(できないことは無いらしいけど保証はないらしい)
      ・ちょっと重い

      それでも電子書籍用にと買ったのはAmazonのKindleFireHD。なんでKindleFireHDにしたかというと…

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      カラーでが読めるから」です。最初は楽天Koboで書籍をつかっていたのですが、Koboリーダーだとカラーで見れないんですよ。

      専門書なんかは色がついていないと内容が分かりづらいことも多いし、漫画などは電子書籍限定でオールカラー版がでているので、せっかく電子書籍つかうのならば、カラー版が読みたいじゃないですか。

      【電子限定フルカラー版】ねことじいちゃん (コミックエッセイ)




      電子書籍と紙の本のこれから


      とはいえ、紙の本を嫌いになったわけでは決してなくて、書店は大好きで良く買いに行きます。
      ただ最近感じたのは「ネット書店で紙の本の在庫がすぐになくなる」んです。ネット通販で本や漫画を買おうとすると、新刊以外で数年たった本や漫画は在庫切れが多く、中古か電子書籍ばかりになってきています。

      本屋が在庫をもたなくなるって、ちょっと怖いですね。でも電子書籍のおかげで発表の場所が広がり、ネットで人気に火がついて出版という例もあるから、一概に電子書籍がわるいわけではないんだよな…

      電子書籍は気軽な読書や漫画への入り口として、紙の本は量は減る分専門的、技術的に特化した希少本を作っていけばいいんじゃないかな。

      さて、2019年は電子書籍も紙の本でも、どんな本に出会えるのかな?ワクワクしつつまとうと思います。
      皆様も良いお年を!

      ゴッホを支えた日本人『たゆたえども沈まず』原田マハ

      2018.08.16 Thursday

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        原田マハさんの『たゆたえども沈まず』読了。19世紀パリに実在した日本人画商・林忠正とゴッホ、その弟テオとの交流と、ゴッホの絵を世に出さんとする彼らの葛藤を描いた作品です。

        『たゆたえども沈まず』あらすじ


        加納重吉は語学学校の先輩である林忠正に呼ばれ、パリの美術商「若井・林商会」で働くことになった。19世紀のパリは世界の文化の中心であり、新興ブルジョアジーたちを中心に日本文化・美術ブーム「ジャポニズム」が流行。忠政はその流れに乗り、数々の浮世絵を販売していた。

        パリの浮世絵ファンは多く、その中には「グーピル商会」の若き画商・テオ・ファン・ゴッホがいた。

        彼には魂を分け合ったかのような愛する兄がいたが、画家の道を志すものの、あまりにも斬新なその画風は世情に受け入れられず、テオは友人となった重吉と忠政に兄の絵をみせることに…。

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        ジャポニズムと当時のパリ


        19世紀のヨーロッパといえば日本やアジアなど蔑むべき2等国の扱いだと思っていましたが、ジャポニズムの影響でパリの日本に関する関心は高く、忠政のような日本人は歓迎されていたようです。

        フランスは現在でも日本のアニメ・漫画への理解が深く、すぐ自国風にアレンジする某国とちがい、作品そのものを理解しようとする気質は、このころから培われたのかもしれません。

        もうひとつのジャポニズム漫画


        「ニュクスの角灯」は、明治初頭の長崎で輸入雑貨を営む百年(モモさん)とそこへ雇われた不思議な力を持つ少女美世の物語。物語の中でモモさんもパリで日本美術店を開きます。当時の長崎とパリの文化風俗がよくわかる漫画。

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        ゴッホ兄弟と林忠正


        とにかくまあ、ゴッホ(フィンセント)がダメ人間です。19世紀の芸術家も文豪も社会不適合者ばかりですが、フィンセントもこのひとりですわ。弟テオのお金を安酒や淫売宿に使うし、「俺が売れないのはお前のせいだ!」とか言っちゃうし。

        それでも、あがきながら描き出した絵は当時の新興芸術「印象派」さえも凌駕する全く新しい表現はテオも、重吉も忠政もただならぬものを感じます。

        よく「生まれる時代が早すぎた」といいますが、ゴッホがまさにそうでした。まだ保守的な風潮の残るパリ画壇で、ゴッホの絵を認めさせることがいかに難しいか。

        それでも辛抱強くゴッホ兄弟をささえ「強くおなりなさい」と助言する忠政と、テオを気遣う重吉。やがてゴッホ兄弟が亡くなった後、忠政たちがゴッホの絵を受け取らなかったのは「世に出すには早すぎる」と判断したからかもしれません。

        彼らがもし、ゴッホの絵所有していたらどうなっていたのか。しかし現在、ゴッホの「ひまわり」は彼が恋焦がれた日本に渡り、今も人々の目を楽しませてくれています。

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        ゴッホ兄弟をモチーフにした漫画『さよならソルシエ』こちらのフィンセントは天然だけども優しく明るい青年です。

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        原田マハ作品
        カフーを待ちわびて

        JUGEMテーマ:ゴッホ



        JUGEMテーマ:小説全般



        バリューブックスで古本買取。送料無料で簡単。

        2018.05.27 Sunday

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          以前、本の寄付がご縁で知ったバリューブックスさんに読まなくなった本やDVDを売ってみました。

          古本買取Vabooとは


          本やDVDの買取はブックオフなどが有名ですが、私がバリューブックスを利用しているのは、査定額アップのチラシをいただけたからと、古本の寄付活動を行っていたからでした。

          私は、本を買うときは楽天ブックスを使うのですが、あるとき、楽天ブックスのチラシの中にこのVabooの査定額アップチラシが入っていたのがきっかけでした。

          チラシにあった査定額10%、5冊以上送料無料がうれしかったので、さっそく買取をお願いしてみることに。

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          古本買取Vabooで本やDVDを売る方法


          1.チラシに必要事項を記入
          2.個人情報が確認できる本人確認書類(のコピー)を用意して梱包
          3.連絡
          本やDVDを梱包して、バリューブックスのチラシを入れる

          連絡時に荷物の引き取り日時を指定して、あとは待つだけ。
          4.引取(送料無料)完了後、数日で審査完了連絡
          5.金額を確認して承認
          6.指定口座に買取価格が振込。

          私は今回チラシを使用しましたが、通常バリューブックスはスマホやPCSから簡単に登録手続きができるので便利です。個人情報の登録は身分証をスキャンするか写真にとってアップすればOK。手間がかかりません。FacebookやAmazon、Googleアカウントと連携すれば、新たにIDパスワードを入力することもありません。

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          バリューブックスの魅力


          それと、もうひとつ、バリューブックスさんを使う理由は、本の寄付を通じて社会活動に貢献しているところです。

          以前、私が震災支援として本を寄付したBOOKS FOR JAPANも、バリューブックスのプロジェクトでした。

          本を寄付して震災支援 BOOKS FOR JAPAN
          「フクサポ」にいらない服を寄付してみた。送料無料で簡単。

          現在でも、本を送ることで自然保護や災害復興支援、教育支援などのNPOに寄付することができます。値段のつかない買取書籍の一部を支援施設へ送る活動もしているそうです。

          JUGEMテーマ:本・CDなど買取



          電子書籍(楽天Kobo)を使ってみた結果。

          2018.04.05 Thursday

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            以前、自分にあった電子書籍選びのコツについてブログを書きましたが、現在はポイントやらポイントやらポイントやらの関係で楽天Koboを使っています。

            自分にあった電子書籍えらびのコツ

            最初は「やはり紙で読んでこその本!」と思っていました。今もその気持はありますが、快適なんですよ、電子書籍。自分でもこんなにハマるとは思いませんでした。

            電子書籍(楽天Kobo)の(私なりの)メリット


            ・何冊の本を外出先でも楽しめる
            ・100円均一本の取扱がある
            ・読んだところに栞をつけられる
            ・青空文庫が読みやすい
            ・1日6分読むとポイントがもらえる

            無料や安い本もうれしいし、ポイントがもらえるのもうれしいですが、「外出先で何冊も本が読める」というのが最大のメリットではないかと。

            紙の本だと、文庫や新書といった軽めの本でもバッグに二冊が限度です。また、読んでいる時にほかの話の関連を知りたくなった時も、すぐに調べられるので便利。

            今読んでいるのが八咫烏シリーズの外伝「まつばちりて」こちらの主人公は第2作「烏は主を選ばない」に登場していますので、電子書籍で揃えておくと、登場人物や展開を確認しつつ読むことができます。

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            感想(0件)




            そういうわけで電子書籍の面白さ、便利さにめざめてしまいましたが、やはり紙の本はその存在感、デザインともに電子書籍には及ばない素晴らしさがありますので、最近では紙の本と電子書籍の読みわけを行っています。

            ・小説(単行本)、漫画は紙の本
            ・自己啓発、専門書、新書、オールカラー漫画は電子書籍

            自分の読書傾向に合わせて、読みやすい、読みたい方を選んでいけたらいいではないかと。そうなると紙の本は昔のように装幀デザインに凝った高級志向になっていきそうな気も…。それはそれで、所有してみたいですが、

            楽天Kobo電子書籍ストア


            買うつもりはなかったけれど、今では電子書籍リーダーがあったら便利かも…と思い始めています。いやいや、タブレットを買ったほうが…、いやでも軽量のKoboも捨てがたい…。

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            JUGEMテーマ:電子書籍





            『向田邦子と昭和の東京』川本 三郎

            2018.01.24 Wednesday

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              向田作品の根底にあるものはなにか。それを彼女が育った昭和という時代と、東京という文化圏にある。作者の川本氏はそう解説します。

              昭和ことばに、懐かしい時代をうつす


              向田作品には印象的なちょっと古い言い回しの言葉がよくでてきます。「べそをかく」「たち」「ご不浄」など。
              私がすきなのは「こしらえる」(「作る」の古い言い回し)です。

              「つくる」よりも手間がかかっている気がして。実際、昭和の台所仕事は今よりもずっとたいへんだったので、弁当ひとつとっても「こしらえる」方がしっくりきます。

              向田作品の昭和ことばは、直接的な言い回しの現代のことばとちがい、やわらかくつつんでくれる。
              昭和のことばは、向田作品の重要な役割を果たしていました。人に言えない家族の秘密を絶妙なことばでつつむように。

              向田邦子と昭和の東京 (新潮新書)
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              食と家族


              昭和の時代は、漬物をつけたり、梅干しをつくったりと、台所仕事にも年中行事がありました。私も昭和生まれの人間なので、家族で保存食を「こしらえる」思い出を持っています。
              向田作品には食事はもちろん、それをこしらえるところもよく描かれていました。

              嫁に行った娘は、婚家にあわせておむすびの形をかえたり、母親の手伝いで白菜をつけたり、今では懐かしい情景です。

              最近ではそんな季節感を見直す動きもあり、こうした季節の本をよく見かけます。
              わくわくほっこり 二十四節気を楽しむ図鑑
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              家族思いの父親


              向田作品にたびたび登場する父親。苦労して支店長までのぼりつめた、いわゆる昭和の仕事人間ですが、向田エッセイによると「怒りっぽくてすぐどなり、家に会社の人間をよく招いては、家族に負担をかけていた。」とあり、

              てっきり自己中心的な昭和の父親だと思っていたら、実は子ども思いで教養高く、やさしい父親だったのだとか。向田さんのエッセイでは父親が亡くなる前にテレビでプロレスを見ていた。とありましたが、本当は娘の脚本の番組をみていたそうです。

              他にも、娘の受験が夢にまででてくるほど心配していたり、なかなか可愛いところがあるお父さんだったようです。
              そんな父親の影響からか、向田作品では父親の不倫がよくでてくるけれど、家族はそれをどこか容認していることが多い。

              今のドラマなら噴飯ものでしょうけれど、向田さんは長女で、父親の苦労を身近でみてきたからか「仕事で戦う父親が安らげる場所」が家族以外に求めることに寛容だったのです。

              新装版 父の詫び状 (文春文庫)
              向田 邦子 文藝春秋 売り上げランキング: 7,510

              JUGEMテーマ:最近読んだ本



              かもめブックスのシークレットブック 『熱帯夜』

              2016.08.15 Monday

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                東京、神楽坂にあるかもめブックス。校閲会社「鴎来堂」という本のプロがつくったこの本屋さんは、毎回、面白い企画で本好きを楽しませてくれています。

                先日、お店に立ち寄った時、開催されていたのが「Secret Book 〜熱帯夜ブックス〜 」でした。シークレットブックとは、本の表紙が隠された状態で売られているので、作者も、内容も全くわからないのです。
                ガイドとなるのは選者の推薦コメントのみ。

                今回は夏に合わせて、夏に読むのにふさわしい本が選ばれていました。

                私の買ったのは、この本。推薦文が美しくて、薄くて持ち歩いて読むのにちょうどよいので購入。さっそく開いてみると、自分だったらたぶん選ばない翻訳ものの本でした。
                水にまつわる不思議で幻想的な物語。
                本の感想はこちら→

                こうして、自分ではなかなか選べない本に出会えるのも、本屋さんの醍醐味だと思うのです。ありがとう、かもめブックス。

                かもめブックスのシークレットブック 『熱帯夜』

                この本を飲みものにたとえるとしたら、水だ。
                体を満たし、喉を潤す。
                あまりに身近で、存在を意識することもない。
                だけれど、夏のある日、この無味透明な液体が、突然、味わい深く感じることがある。
                ただ、その味を説明することは難しい。
                水は水の味がするように、この本にはこの本にしかない味がする。




                鴎来堂の社長さんは漫画「重版出来!」にも登場しています。

                重版出来!(6) (ビッグコミックス)




                かもめブックスには、カフェも併設。美味しい珈琲と本、至福の時間です。
                かもめブックスカフェ

                レビューポータル「MONO-PORTAL」

                元ネタ発見。「雨柳堂夢咄」の、中国茶器にまつわる話

                2014.11.27 Thursday

                0
                  骨董にまつわる不思議な物語「雨柳堂夢咄」は、骨董屋「雨柳堂」店主の孫の蓮は、骨董についているもののけや精霊達の姿を見ることができるため、蓮の「能力」を見込まれた人外のものたちから、さまざな事件が持ち込まれます。

                  そんな「雨柳堂夢咄」の中に、「午後の清香」という話があります。蓮と顔見知りのイギリス人教授・グラント先生が不思議な中国の茶器を手に入れ、間違ったお茶を入れたことで茶器の精霊の怒りを買う、というお話があります。

                  そこで蓮から中国茶器にまつわる逸話を聞かされます。

                  昔の中国では茶道楽のため家を傾け、乞食になった男がいたが、乞食になってもお気に入りの茶器を手放さなかった。


                  雨柳堂夢咄 其ノ6 (ソノラマコミック文庫 は 28-6)
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                  それほどに、中国の人とお茶、茶器への執着を示したエピソードなのですが、先日谷崎潤一郎・上海交遊記 (大人の本棚)という本を読んだ時にこの逸話の元ネタが載っており、さらにはその話の続きが書かれていました。

                  茶器を手放さなかったその乞食は、ある時街の金持ちの家に物乞いを行うついでに、その家の主人のたてる茶を所望する。

                  面白がった主人が乞食にお茶を振る舞うと、今度は乞食が自分の茶器で茶を入れたところ、同じ水、同じ茶葉を使っているのに、主人の茶とは比較にならないほど美味しかった。
                  その後、乞食と主人は茶道を通じて生涯の友となったー。


                  これは、谷崎潤一郎が上海を訪れた時、上海の若手作家たちに聞いた話として書かれています。こうした逸話の元ネタを偶然発見するのは、本好き、漫画好き、歴史好きにとって、遺跡を発見してしたような驚きと嬉しさがあります。

                  谷崎潤一郎・上海交遊記 (大人の本棚)
                  谷崎 潤一郎 みすず書房 売り上げランキング: 740,492




                  読書感想文におすすめ、短くても面白いお話

                  2014.08.14 Thursday

                  0
                    そろそろ、学生のみなさんは宿題に追われているころかもしれませんね。この時期、ブログのアクセスキーワードをみると、「読書感想文 コピペ」だの、「(本のタイトル) 読書感想文」など、よからぬキーワードが浮上します。

                    確かに普段本を読まない子どもたちには、読書感想文は難関なのでしょうけれど、そうはいっても本を読むのは楽しいですし、ふだん派手な男子、女子が本を読んでいる姿はギャップ萌えとしてアピールポイントになりそうですし、読書感想文をきっかけに、たまにはラノベ以外の本もいいものですよ。

                    ぜひ、本を読む習慣をつけてほしいとおばちゃんなんかは思うわけですよ。

                    読書感想文におすすめ、短くて読みやすいお話


                    普段読書の習慣のないひとに、いきなり長い話を読めっていうのも大変なので、比較的短くて読みやすく、面白い(と私が思う)本を、難易度順に集めてみました。ただ、課題図書がでている場合は使えませんが…。

                    ここにあげた本の対象は、小学校高学年から中学生くらい。なかには難しい表現もあるかもですが、たまには大人ぶった読書もいいもんですよ。
                    いま、わからなくても、将来読み返すと初めて作者の意図や意味がわかることもあります。

                    読書は、一生楽しめる娯楽なのですよ。


                    「トリツカレ男」 いしいしんじ


                    読みやすさ★★★★
                    とても短くて、読みやすいお話です。いしいしんじさんの物語は、童話のようなのですが、大人が読んでもじんとくるし、とても物語が深いのです。

                    いろんなことに没頭(トリツカレ)てしまうジュゼッペと、孤独な少女・ペチカの物語。かわいいラブロマンスです。

                    トリツカレ男 (新潮文庫)
                    いしい しんじ 新潮社 売り上げランキング: 15,322


                    「O・ヘンリ短編集」 O・ヘンリ


                    読みやすさ★★★
                    教科書にもよく取り上げられる「最後の一葉」や「賢者の贈り物」の作者、O・ヘンリの短篇集。ユーモアが効いた社会風刺が痛快。

                    短編なのでどれか一作を取り上げて読めば、わりと楽。100年前のアメリカが舞台なので、そのころの社会情勢がわからないと理解できない部分もありますが、それでもストーリーの大枠はわかりやすいし、短いのでおすすめ。「今でしょ!」の林修先生もおすすめしてます。


                    O・ヘンリ短編集 (1) (新潮文庫)
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                    「沈黙の王」 宮城谷 昌光


                    読みやすさ★★
                    ファンタジー、ラノベ好きにおすすめ。歴史物ですが、ファンタジー的な要素もあります。「沈黙の王」は文字を発明したと言われる古代中国の王の冒険譚。

                    文体は多少難しいですが、冒険物語なのでラノベ好きには読みやすいかも。ちょっと大人なファンタジーとして。


                    沈黙の王 (文春文庫)
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                    JUGEMテーマ:オススメの本


                    古書価値がつきそうな作中作、劇中作を考えた。

                    2014.03.27 Thursday

                    0
                      ビブリア古書堂の事件手帖」「せどり男爵」「ブンブン堂のグレちゃん」「月魚」など、古書店を舞台にした小説や漫画が大好きです。

                      そこには、新刊の書店にない驚きや、骨董のように意外な本につく高値、希少本をめぐるミステリなど、物語になりそうな話題に事欠きません。

                      なかでも、戦前、旧満州で発行された芥川賞受賞作「雑巾先生」という小説が、今では美品で100万以上するということには驚きました。

                      おそらく戦前、しかも満州での発行のため、なかなか手にはいらないため、希少価値が高いのでしょうね。

                      それ以来、物語やドラマの中で、これは今だったら希少価値が高い古書になっているかも…と、考えるようになりました。


                      朝ドラ「ごちそうさん」の室井さんの小説「阿呆の仏」


                      これはもう、かなり古書価値がつきそうですwww
                      特に発禁になった本や、初期のおでんの本など、発行部数も少なそうだし、今なら神保町あたりで偉い値段がついていそう。

                      室井さんの書簡集は、つくろうとする出版社が現れず、桜子さんが室井さんの死後、自費出版しそうなので、こちらも価値がでそうです。でも、めい子さんがそれまで持っているかどうかは微妙ですけどね…。

                      NHK連続テレビ小説 ごちそうさん レシピブック
                      【製作協力】NHKドラマ制作班+広里貴子 朝日新聞出版 (2013-12-20)売り上げランキング: 479


                      百鬼夜行(京極堂)シリーズ、関口くんの小説「目眩」


                      京極堂シリーズの登場人物、小説家関口くんの単行本「目眩」などは、発行部数も少なそうだし、昭和20年代後半の策なのでまだまだ紙質も悪く、美品でとっておくのは難しいでしょう。

                      京極堂には何冊か在庫がありそうですが、偏屈な店主は売ることはないでしょうね…。

                      文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)
                      京極 夏彦 講談社 売り上げランキング: 30,104



                      JUGEMテーマ:ごちそうさん


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