名司生ART WORKS

2023.07.15 Saturday

0
    イラストレーター名司生(なつき)さんの作品集『名司生ART WORKS』は、コロボックルや空を泳ぐ魚など、不思議な世界が美しい水彩で表現された作品集です。

    また、阿部智里さんの人気ファンタジー『八咫烏シリーズ』の世界観が巧みに表現された表紙絵のほか、匂いや風まで感じられそうな街の風景など、名司生ワールドの多彩な魅力が楽しめます。

    本当に、何度見ても、イラストの世界への没入感がすごいのです。



    不思議な世界と小さい人たち


    名司生さんの描くイラストには、よく「小さい人たち」がでてきます。表紙に描かれているコロボックルたちは、カエルに乗せてもらったり、鳥たちと遊んだり、草花や木々の中、自然の恵みを収穫しながら生きています。

    絵を見ていると、本当にどこかにコロボックルがいるような気がしてしまいます。

    また、人間の子どもが魚たちが空を泳ぐ異世界に入り込む絵は、なんとも不思議な気気持ちになります。

    ほかにも狐の面をつけて百鬼夜行の世界に迷い込んだ少年は、狐の嫁入りや妖怪たちに出会います。
    ああ、こんな世界に私も迷い込みたい…。

    名司生さんイラスト
    ※写真は展覧会(撮影OK)の時のもの

    匂いや風を感じる絵


    名司生さんの作品は、絵の世界に入り込んで、その場所の匂いや風の爽やかささえも感じられるんです。海の近くの駅のホームにはかもめが飛び、潮風の心地よさと海の匂いがしそうだし、路地裏の民家からは、子どもたちの声が聞こえてきそう。

    雨を描いた作品では、雨の匂いや肌につく雨粒のうっとうしさや、不安が感じられる。そういう、記憶の中にある体感を呼び覚まされる感じなんです。

    八咫烏シリーズ表紙絵・メインビジュアル


    八咫烏シリーズの世界観を象徴するビジュアルイラストの他、第一部の文庫、外伝の『烏百花・蛍の章』と『白百合の章』までの表紙イラストを掲載。

    バーコードやタイトルがない状態の表紙イラストを(しかも大判で)堪能できます。
    しかも、文庫の表紙絵は6枚すべて並べると、連続した一枚のイラストとして成立するんです。(すごい!)

    八咫烏シリーズの作者・阿部智里さんによると、名司生さんは作品のイメージを的確にとらえ、いつも制作側の想像を遥かにこえた作品をだしてくるのだとか。確かに、あの『追憶の烏』の裏表紙には度肝を抜かれましたもの…。

    『阿部智里「八咫烏シリーズ」ファンBOOK』では名司生さんの貴重な表紙ラフが掲載されています。
    他のパターンの絵も作品の内容とリンクしていてすごいのです。



    名司生さんのインタビューやトークについて


    『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想
    八咫烏シリーズ展覧会&トークショー2023

    『チャイナドレスの文化史』謝黎

    2023.07.02 Sunday

    0
      ウォン・カーウァイ映画『花様年華』では、美しく、色鮮やかなチャイナドレスがスクリーンを彩っています。そんなチャイナドレスの魅力にひかれ、チャイナドレスについて調べてみることにしました。

      『チャイナドレスの文化史』は、チャイナドレスを歴史や文化の観点から研究した本です。時代によるデザインの変遷と多様さが一目でわかります。

      チャイナドレスの歴史


      元々は清王朝を開いた満州族の女性たちの民族衣装・旗袍(チーパオ)がベースになっています。旗袍はゆったりとしたワンピースタイプで、今のチャイナドレスとは大分かけ離れています。

      清王朝の衰退とともに、旗袍も廃れていき、漢民族の女性が着る「上衣下裳」と融合。セパレートタイプの旗袍は、当時のファッションリーダーだった「女学生」が着用し、さらに新しいデザインが生まれました。

      当時の日本も女学生文化が人気でしたが、中国も流行は女学生がリードしていたんですね。

      西洋文化の流入もあり、1920年ころにはボデイラインを強調した、現代のスタイルに近いチャイナドレスが作られています。ジャケットにチャイナドレスをあわせる「華洋折衷」スタイルも登場しました。映画が流行すると、女優(明星)たちが映画の着たスタイルが流行したそうです。

      面子にこだわる中国人は、自分をより良く見せてくれるアイテムとして流行の服にはお金をかけていたそうです。



      チャイナドレスの下着事情


      よく、中国時代劇映画を見ると、女性が寝室で金太郎の腹掛けのようなひし形の下着「内衣」をつけています。外見を重視する中国では、下着はあまり発達せず、ブラトップのような形の下着が長く着られていました。

      しかし、チャイナドレスを着用するようになると、ペチコート型のシュミーズが「内衣」に取って代わります。
      そういえば中国映画でも、チャイナドレスのスリットから下着のレースが見えるようなシーンがあった気がします。


      チャイナドレスの衰退と復活


      1920年代から40年代まで、大流行したチャイナドレスですが、60年代に文化大革命が始まるとブルジョアを象徴するものとしてチャイナドレスは迫害を受けます。
      チャイナドレスは紅衛兵らによって引き裂れ、持つことも禁じられていました。いわゆる「人民服」の時代ですね。

      その後、80年代に改革開放が始まり、90年代には香港が中国に返還されます。そうした時代の変化から再びチャイナドレスに注目が集まりだし、今では中国の伝統服として位置づけられています。

      美しいチャイナドレスが登場する映画


      実際にチャイナドレスが登場するウォン・カーウァイの映画。この2作に関してはチャイナドレスが物語で重要な役割を担っています。

      花様年華


      ウォン・カーウァイの花様年華。マギー・チャンが数十着のチャイナドレスを着こなしています。大胆な花がらプリントやストライプ柄、刺繍がほどこされたものなど、日常からお出かけまで、さまざまなデザインのチャイナドレスが楽しめます。

      中国ではチャイナドレスはマギー・チャンのようにスタイルがいい人だけが着るのではなく、むしろ年配の豊満な女性のような貫禄がないと味わいがでないと言われています。

      映画の中でも大家のスエン夫人が着るチャイナドレスには貫禄と魅力がありました。



      若き仕立て屋の恋


      こちらもウォン・カーウァイ作品「若き仕立て屋の恋」。チャイナドレスの縫製職人と高級娼婦の純愛を描いた作品。
      チャイナドレスの縫製には細かな採寸が必要で、そのため客の体を最も知っているのが縫製職人とも言えるのです。


      『東京店構え』マテウシュ・ウルバノヴィチ

      2022.08.12 Friday

      0
        マテウシュ・ウルバノヴィチさんの『東京店構え』はレトロ好き、建物好きの私の愛読書です。妹尾河童さんの「河童が覗いたシリーズ」以来の、ワクワクする建物本に出会いました。

        マテウシュさんが描くのはどれも、年季が入った味のある建物ばかり。和風の店舗から看板建築、昭和の個性的なデザインの商店まで、建てられた年代もデザインも違う。だがそれがいい。



        見慣れた街に新しい視点


        本来なら、長い年月を経た建物の色はもっとくすんでいて、イラストのような鮮やかさは無いかもしれません。
        でも、」マテウシュさんの視点を通したイラストは実際にこの建物が持つ魅力を、本物以上に伝えてくれています。

        また、海外の方が描く日本は、懐かしいのにどこかエキゾチックなんです。特に色彩が絶妙で、建物の地図の色分けも美しくて「これ本当に東京?」と思ってしまうくらい。

        でも、視点を変えれば、ごちゃごちゃとしている東京の街もこんな風に美しく、懐かしい風景に見えるのかもしれません。

        魅惑の展開図


        『東京店構え』の中には、店舗の正面だけでなく、一部の店舗では展開図も描かれています。展開図、いいですよね。とくに飲食店や商店は食材や商品、備品などがびっしりと店内を覆い尽くしていて、ひとつひとつ眺めるのがまた楽しい。

        建築家ではない、と書いているマテウシュさんですが、作業工程をみると、製図のように下絵を起こしていて、建物を真摯に描いているのが伝わってきます。

        ウルバノヴィチ夫妻の作品に夢中


        マテウシュさんのパートナー、ウルバノヴィチ香苗さん。彼女が描く『ぽんこさんの暮らしのはてな』は、日常生活の中にある科学をテーマにした漫画。

        主人公のぽんこさんがシェアハウスの住人たちと調べる「暮らしのはてな」は、どれも興味深くて面白い。

        最近ではすっかり、ウルバノヴィチ夫妻の作品に夢中になっています。ふたりの作品は何度読んでも「いいなあ…」と思ってしまうし、ずっと読み返したい、長い付き合いができる本なんです。


        『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』

        2021.10.08 Friday

        0
          『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』は、フェルメールの絵を生きた17世紀オランダのの暮らしと風俗、料理から解説した、ちょっと変わった美術本です。

          画集のように難しい解説はありません。絵の中に描かれた服やインテリア、レシピなどからフェルメールの絵とその生活を身近に感じさせてくれます。



          フェルメールの暮らし


          17世紀のオランダ・デルフトは貿易により発展した街でした。裕福な家庭の室内には絵や地図が飾られ、美しい装飾タイルが室内を彩っていました。(フェルメールの絵が小さいのは、室内装飾用だからだそうです)

          裕福な女性たちは家の中でリュートを弾き、レース編みをしたり、台所を預かる女性たちは、固くなってしまったパンに牛乳を注いで料理をつくります。

          フェルメールは高名な画家ですが、描くのはそうした人々の日々の暮らしです。もっとも、絵の中で印象的につかわれるターバンや真珠の首飾り、鮮やかな黄色のガウンなどは「盛った」高級品らしいのですが。

          フェルメール原寸美術館 100% VERMEER! (100% ART MUSEUM)

          新品価格
          ¥3,300から
          (2021/10/8 21:26時点)




          フェルメールの食事


          有名な『牛乳を注ぐ女』が作ったと考えられるのが「パンプディング」。その当時のオランダは水に乏しく、飲み物といえば牛乳かワインだったため、牛乳を使った料理は身近なものだったようですね。

          固くなったパンに牛乳と卵を浸して焼き上げるパンプディング、美味しそうです。その他にも目玉焼きをのせたトースト(ハムとチーズつき)、カキのシチュー、肉や魚のローストに、やはり牛乳をたっぷりとつかったプディングなど。
          これらがとても美味しそう!当時のオランダの豊かさを感じます。

          フェルメールもこうした料理を食べ、生活を楽しみながら絵を描いていたのかもしれません。

          太陽光充電で使える折り畳みソーラーライト

          2021.07.24 Saturday

          0
            この猛暑の日差しをせっかくならなにかに使いたい…、と思い、暑い日はうちにあるソーラー充電を駆使して家電の充電をしています。

            そんなソーラー充電グッズの中ですぐれものなのがLandport ソーラー式エコライト solar puffです。太陽光充電で使えるキャリー・ザ・サンソーラーライトは折り畳み式で軽く、光が強く、デザイン性にも優れています。

            アウトドアや災害時にも便利で、折りたたみ式なので場所も取りません。



            小さいソーラーパネルといってもばかにできない。驚きの光の強さ。グラスファイバーの模様が壁に映ってきれいです。おしゃれなインテリアとしても。

            明かりの種類も豊富で強から弱まで。弱はやさしい、やわらかな明かりで、強は通常のスタンドライトとしても使えるくらいの明るさ。フル充電で強の明るさでも約10時間点灯できます。点滅もできるので、緊急時に場所を知らせることも。

            折り畳みソーラー式エコライトを点灯したところ折り畳みソーラー式エコライトをインテリアとして部屋を飾る

            使わないときは折りたたんでおけば場所を取りません。使い方も簡単で天気のいい日に窓辺に1日だしておけば、ほぼチャージ完了。とにかく軽いしお値段もそれほど高くはない(3500円程度)ので、災害時や急な停電、間接照明代わりにいくつかおいて楽しむのもいいですね。
            折り畳みソーラー式エコライト を折りたたんだ状態

            レビューポータル「MONO-PORTAL」

            色が変わる葉っぱの温度計 Leaf Thermometer

            2021.07.15 Thursday

            0
              我が家では温度計かわりにこの葉っぱを使っています。「Leaf Thermometer」というこの葉っぱ、ただのインテリアシールではありません。

              実はこの葉っぱ、なんと、気温によって葉っぱの色が変わるというスグレモノです。インテリアとしても使える、かわいくて実用的な温度計です。



              Leaf Thermometerの温度変化



              黄色…25度以上
              緑…20〜25度
              茶色…20度以上

              通常、快適と言われる温度20〜25度だと、鮮やかな緑色になります。
              葉っぱの温度計Leaf Thermometer緑

              指でと葉を触ってみると、熱が加わり黄色に変化します。
              葉っぱの温度計Leaf Thermometer緑

              それが!ここのところの猛暑で葉の色がまっ黄色に…!(;・∀・) この数週間、ずっと黄色が続いています。


              そういえば信号でも「黄色は注意」でしたね。部屋の葉っぱ温度計が黄色くなったら水分補給、休養を十分にとりましょう〜(;・∀・)


              こちらはタニタさんの熱中症計(携帯用)。熱中症の注意度を光や音でお知らせしてくれます。タニタの広報、ツイッターの中の人、タニタさんも愛用中なのだとか。




              レビューポータル「MONO-PORTAL」

              割れない花びん。D-BROS ビニール製フラワーベース

              2021.05.13 Thursday

              0
                普段は読書と映画のブログですが、今回は生活雑貨について。ステイホームやらリモートワークとやらで、家にいる時間が長くなると北欧の人々のように身の回りの品を充実させたくなります。

                キッチンには木のスプーンやコーヒーポット。そして玄関には花を飾るようになりました。しかし、ガラスの花びんだと、地震の時やぶつけた時の破損が心配。

                そんなときに見つけたのが「D-BROS」のフラワーベースです。
                D-BROSフラワーベースに花をいけたところ

                D-BROS ビニール製フラワーベースの特徴


                ・ビニール製なので軽い
                ・ビニール製なので割れない
                ・水を抜けば平べったくなるので収納場所をとらない
                ・デザインが素敵

                など、市販の陶製花びんの問題を解決してくれる使い勝手の良さ。デザインもかわいいので室内のいろいろな場所に置きたいです。花を飾るのが楽しくなりそうです。

                ギフトにもオススメです!【D-BROS】フラワーベース


                最初はペラペラですが中身を開いて水を入れる。するとこんな風に膨らんで土台が安定します。
                D-BROSフラワーベース通常時D-BROSフラワーベース水入れ


                斬新なアイデアの生活雑貨作り出すデザイナー集団D-BROS。フラワーベースの他にもフルーツ型のメモ用紙、目盛りのついたテープ メジャーなど、生活が楽しくなる雑貨をデザインしています。

                【正規品】ディーブロス D-BROS フルーツメモ [KUDAMEMO]【デザイン おしゃれ 文具】【メモ帳 かわいい】【雑貨 文房具】

                価格:2,200円
                (2021/5/13 11:37時点)




                レビューポータル「MONO-PORTAL」

                国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展

                2019.07.18 Thursday

                0
                  「なんだかわからんが、美術館てのは、こう…、たまらなく、わくわくするものじゃないか」(原田マハ「美しき愚か者たちのタブロー」より)

                  国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展
                  国立西洋美術館の収蔵品のベースとなった「松方コレクション」。散逸や焼失、フランス政府による没収、数々の困難を経て今回、貴重な歴史資料とともに松方コレクションが一堂に会することになりました。

                  松方コレクション展…2019年6月11日(火)〜2019年9月23日
                  2019年国立西洋美術館の松方コレクション展

                  印象派を中心に、絵画、彫刻、デッサン、タペストリーなど、そのコレクションは多岐にわたります。それらはすべて松方幸次郎氏が「日本の若者のために」美術館創設を夢見て集めたものでした。

                  「アルルの寝室」フィンセント・ファン・ゴッホ


                  今回の目玉はなんといってもゴッホの「アルルの寝室」でしょう。ゴッホの絵は戦後、「敗戦国の財産」としてフランス政府に没収されてしまい、現在はオルセー美術館の所蔵となっています。

                  フランスが「ずるい」といえばそうかもしれませんが、日本軍も他の国の財産を奪っていたし、どちらが悪いとはいえません。戦争というものは理不尽なものです。ただ今は文化で世界がつながれるのはいいことです。うん。絵の貸し借りもけっこう盛んですしね。

                  松方コレクションを描いた原田マハさんの小説「美しき愚か者たちタブロー」の中で「アルルの寝室」をこう表現しています。

                  その部屋は(中略)まるで咲き誇るひまわりのごとく、黄色く燃え上がっているように見えた。


                  小説を読んでから展覧会を見たので、絵の描写や歴史的背景を確認しながら鑑賞することができました。



                  北方への旅とスパイ活動


                  松方コレクションについては印象派絵画のコレクションだとおもっていましたが、ブリューゲルやムンクなどドイツや北欧の絵画も買っていたのは初めて知りました。実はこの買い付け旅には裏の目的(ドイツの潜水艦設計図を手に入れる)があったそうです。

                  残念ながらスパイ活動の詳細は記されていませんでしたが、戦争があった時代にはこんなスリリングな展開もあったんですね。

                  睡蓮・柳の反映


                  展覧会の最後を飾るのはモネの「睡蓮・柳の反映」。戦時中、疎開先にあったこの絵は欠損がひどく、絵の上半分が失われています。

                  国立西洋美術館では欠損部分をあえて展示しています。それは、松方コレクションが辿った運命そのものを表しているようです。また、絵の全体像は残されたモノクロ写真からデジタルでの復元が行われました。

                  この絵を見た時、「美しき愚か者たちのタブロー」の言葉がうかびました。流転の松方コレクション、今では戦争ではなく文化交流によって見ることができる。それこそが松方さんの目指したところなのでしょう。

                  艦隊ではなく、美術館を。戦争ではなく、平和を。




                  JUGEMテーマ:美術鑑賞

                  デザイナー佐藤オオキの貼るデザイン・GLOOテープのりが便利!

                  2019.04.18 Thursday

                  0
                    デザイナー佐藤オオキさんの貼ることをデザインした文房具GLOO(グルー) シリーズ。その中のGLOOテープのりがむちゃくちゃ便利でした!
                    GLOOテープのり


                    「貼る」ことをデザインした製品


                    これまで「貼る」という行為は、案外不便なことだらけでした。

                    ・セロテープは、切る時指にテープのベタベタがついてしまう
                    ・スティックのりは、時間が経つと固まって均一に塗れない
                    ・のりは、水分が多くて貼った面がでこぼこになってしまう

                    しかしこのこのGLOOテープのりはこれらのりの弱点を克服しただけじゃなく、おしゃれなデザインに仕上げてあります。

                    GLOOテープのりの特徴
                    ・貼る時に手が汚れない
                    ・均一の厚さに塗れる
                    ・使わない時は接着部分が中に収納されるので、乾燥を防げる

                    まさに、「貼る」をデザインしてあるんですね。

                    確定申告の書類を貼るのに重宝しました!
                    GLOOテープのり


                    私が購入したのは、GLOO(グルー)テープのり貼り直しできるタイプ。テープのりを貼ってから1分間、貼り直すとこができるので便利。


                    GLOO(グルー)テープのりは御朱印帳に御朱印を貼るときにも便利です。
                    今までは両面テープを使ってましたが、手に張り付くし、切り口がギザギザで剥がれやすい、剥がしにく買ったのですが、今では手も御朱印帳も汚さずに貼ることができます。


                    『青い絵具の匂い - 松本竣介と私』 中野 淳

                    2016.10.06 Thursday

                    0
                      私の大好きな画家、松本竣介。代表作「立てる像」を観てからはや数十年。折りに触れ松本竣介の絵を見に行っていました。

                      松本竣介について知っているのは、戦後すぐに早逝されたこと、耳に障害があったこと、戦中の厳しい時代に制作を続けたこと、雑誌に「生きている画家」という戦争絵画批判を行って、特高(戦前、戦中の特別警察。強引な検挙、拷問を行うことで有名)に目をつけられていた、ということだけです。

                      実際の松本竣介はどんな人間で、どんな生活をして、どんな風に絵を描いていたのか。生前の松本竣介と交流のあった画家・中野淳氏が松本竣介との思い出を書き綴ったのが『青い絵具の匂い - 松本竣介と私 (中公文庫)』です。

                      青い絵具の匂い - 松本竣介と私 (中公文庫)
                      中野 淳 中央公論新社 (2012-07-21)売り上げランキング: 225,068


                      神奈川県立近代美術館に収蔵されている松本竣介・立てる像
                      松本竣介・立てる像

                      生きていた画家


                      中野氏から観た松本竣介は、耳が聞こえないとはいえ、口唇術と筆談で内容がわかれば会話がなりたっていたのだそうです。そして、その会話は知識豊富でとてもたのしかったのだとか。

                      また、たいへんな子煩悩であったり、林芙美子が近所に住んでいた関係で挿絵を描いていたり、戦後の一時期に通信教育の仕事をしていたりと、今まで知らなかった松本竣介の一面を知ることができました。

                      画家たちの戦中


                      青い絵具の匂い - 松本竣介と私 (中公文庫)』には、松本竣介との交流の他、興味深い記述がありました。

                      戦時中、描きたい絵を描くことができない画家たちは戦争を鼓舞する戦争絵画を描いたことは知っていましたが、画家も国の管理下の団体に置かれ、そこから絵の具が配給されるシステムになっていたそうです。
                      戦争中は何もかもが、国家の統制のもとに管理されていたのだと思うと、恐ろしい世界ですね。

                      そんな中でも、松本竣介たちは描くことをやめず、下地や描き方に独自の研究を重ね、苦しい時代でも自らの表現を磨いていきました。もし、この人が天寿を全うしていたらどんな絵が描かれていたのだろうか、と考えずにはいられません。

                      松本 竣介 線と言葉 (コロナ・ブックス)
                      平凡社 売り上げランキング: 332,744


                      レビューポータル「MONO-PORTAL」