『菓子屋横丁月光荘 光の糸』ほしおさなえ
2024.01.23 Tuesday
『菓子屋横丁月光荘』シリーズもこれで最後。とても名残惜しいですが、孤独だった守人が人や家の縁に恵まれて幸せになってゆく様子は、読者としても嬉しく思いました。
月光荘のオーナー、島田さんと、恩師である木谷先生とともに古民家の蕎麦屋を訪れる守人。そこで聞こえた家の声は機を織る「とんとん からー」という音と「マスミ」という人の名前だった。
その家は昔「広瀬斜子(ひろせななこ)」という織物を作っていたが詳しいことはわからず、織物自体も現在では失われていた。
しかし、川越の人々の縁が繋がり、家と関わりのある人物が見つかった。もうすぐ壊されてしまう家のために守人は彼女と家を会わせようと計画する。
やがて世の中はコロナ禍へ。月光荘のイベントが中止されたため守人は周囲のすすめで小説を書くことに。それは、家の声を聴くことができる守人が体験したことや、人々との交流から編み出された物語だった。
偉人や有名な歴史的事件とは違い、昔の、ふつうの人々の暮らしや思いは忘れ去られてしまいます。例えば物語に出てきた「広瀬斜子(ひろせななこ)」という織物も現代ではほとんど残っていないそうです。
守人と大学の後輩である豊島さんは「これまで生きてきた人それぞれの物語」を文章にしたいと考えるようになります。
年配の方やその土地の歴史に詳しい人に話を聞くのって意外な発見があって面白かった事、私も経験があります。そんな儚い人の物語を守人はこれからも紡いでいくのでしょう。
最初は何も持たずに川越にやってきた孤独な守人が、徐々に周囲の人との絆を結び、孤独ではなくなっていく。そんな彼の物語もまた愛おしいものでした。
・『菓子屋横丁月光荘 歌う家』
・『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』
・『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』
・『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
・『菓子屋横丁月光荘 金色姫』
『菓子屋横丁月光荘 光の糸』あらすじ
月光荘のオーナー、島田さんと、恩師である木谷先生とともに古民家の蕎麦屋を訪れる守人。そこで聞こえた家の声は機を織る「とんとん からー」という音と「マスミ」という人の名前だった。
その家は昔「広瀬斜子(ひろせななこ)」という織物を作っていたが詳しいことはわからず、織物自体も現在では失われていた。
しかし、川越の人々の縁が繋がり、家と関わりのある人物が見つかった。もうすぐ壊されてしまう家のために守人は彼女と家を会わせようと計画する。
やがて世の中はコロナ禍へ。月光荘のイベントが中止されたため守人は周囲のすすめで小説を書くことに。それは、家の声を聴くことができる守人が体験したことや、人々との交流から編み出された物語だった。
人が紡ぐ歴史
偉人や有名な歴史的事件とは違い、昔の、ふつうの人々の暮らしや思いは忘れ去られてしまいます。例えば物語に出てきた「広瀬斜子(ひろせななこ)」という織物も現代ではほとんど残っていないそうです。
守人と大学の後輩である豊島さんは「これまで生きてきた人それぞれの物語」を文章にしたいと考えるようになります。
年配の方やその土地の歴史に詳しい人に話を聞くのって意外な発見があって面白かった事、私も経験があります。そんな儚い人の物語を守人はこれからも紡いでいくのでしょう。
最初は何も持たずに川越にやってきた孤独な守人が、徐々に周囲の人との絆を結び、孤独ではなくなっていく。そんな彼の物語もまた愛おしいものでした。
菓子屋横丁月光荘シリーズ
・『菓子屋横丁月光荘 歌う家』
・『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』
・『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』
・『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
・『菓子屋横丁月光荘 金色姫』