2019.03.17 Sunday

旅に出たくなる物語『スーツケースの半分は』近藤 史恵

青いスーツケースを巡る、旅のオムニバス短編集。ぐうぜん手に入れたスーツケースが女性たちの旅に幸運をもたらしていきます。読むと、旅に出たくなる物語です。

物語は一話完結だけれど、バトンを渡すように青いスーツケースが人をつなげていきます。

『スーツケースの半分は』あらすじ


真美は大学時代の友人たちと参加したフリーマーケットで鮮やかなブルーのスーツケースをみつけ、惹かれるように購入するが、旅行を提案しても夫に反対されてしまう。その時、真美に勇気をくれたものはスーツケースの中にあった「あなたの旅に、幸多かれ」という言葉だった。

青いスーツケースに導かれるように、真美、花恵、ゆり香、悠子がそれぞれの旅に出て人生の指針、宝物をみつけることができた。やがてスーツケースは縁のある人達へもどり、最後はスーツケースの持ち主に返って、また旅に出ていき…。



ちょっぴりの虚栄と不安


前半4つは大学時代の友人4人、それぞれの旅が描かれます。4人共仲がいいけれど、お互い少しだけ見栄を張ってしまったり、羨ましがったりしています。

ライターの仕事をしている悠子はパリに取材旅行を羨ましがられるけれど、出版社との縁を保つために本当は採算がとれないのを無理をしているし、パリ在住の栞も、パリに住んでいるとはいえ、恋人の家に転がり込んで、フリーター状態。

うらやましいと思う人が、不安がないわけじゃない。そんなところをよく突いて書かれているのを、うんうんとうなずきながら読みました。

この言葉が、彼女たちの不安をよく表しています。結婚や出産、仕事、そして旅…。人生でつかめるものは限られているから、何を捨てて残すかはとても大変な作業なんです。
「まるで人生は掌(てのひら)みたいだ。なにかをつかみ取るためには手の中のものを捨てなければならない。」


第二話「三泊四日のシンデレラ」では、花恵が香港の高級ホテルに無理をしてでも泊まるのは、O・ヘンリーの「桃源郷の短期滞在客」を思い起こさせます。
女性には、きっと、こうしたナイショの贅沢が大事なんです。今も昔も。

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女の行く旅に、男はいらない


「男の行く極楽に、女はいらない」と言ったのは泉鏡花ですが、現代では「女の行く旅に、男はいらない」のです。

この物語の女性たちは「休暇がとれないから旅行に行けないよ」とか、「旅は自分の言うとおりにすればいい」など、言い訳やマウンティングを取ろうとする男性たちを尻目に、スーツケースを一つ持って軽やかに世界に旅立っていきます。

彼女たちも旅に出るまではいろいろと迷ったり、悩んだり、時に他人を羨んだりする彼女たちですが、いちど決めてしまえば、もう前を向いて進んでいくんですね。旅も、人生も同じこと。彼女たちのこれからの旅に、喜びが溢れていますように。

こんな青いスーツケースで旅ができたらすてきだろうな…

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2019.03.07 Thursday

俺の先生がかわいすぎる件について『泉鏡花先生のこと』小村雪岱

ラノベかBLのようなタイトルをつけましたが、ほんとそれなんです。この文章。
『泉鏡花先生のこと』は、明治の文豪・泉鏡花の思い出を、彼の作品の挿し絵画家であった小村雪岱が書き残したもの。

泉鏡花といえば『夜叉ヶ池』『海神別荘』『天守物語』など、幻想的でロマンチックな作品・戯曲を数多く残した文豪ですが、文中ではそんな鏡花先生の「かわいすぎる」ところがいろいろ描写されています。

・色の白い美青年
・奥様も美人(元・売れっ子芸妓)
・潔癖症だけど信心深いので神社仏閣では伏礼
・生物は絶対食べない、なのに酔っ払ってむしゃむしゃ食べて、後日気持ち悪くなっちゃう
・香を焚き、筆に香を染み込ませて執筆
・うさぎグッズ大好き

泉鏡花先生のこと




文豪、おちゃめで可愛い…(*´ω`*) また、別の文章で読んだのですが、鏡花先生、芸妓であった奥様との結婚を師匠である尾崎紅葉に猛反対され、師匠のことも大好きだったので泣く泣く別れ、師匠の死後結婚したのだとか。(恋愛小説のよう…)

うさぎ大好きなのは、裏干支(自分の干支から6つ先の干支)の物を持つと開運になるという言い伝えからなのですが、そうしたおまじないを信じちゃう鏡花先生、やはり可愛らしい…。

小村雪岱の雅号は泉鏡花がつけたそうで、2人は鏡花が亡くなるまで小説家と挿絵画家として長年よきパートナーであったそうです。

小村雪岱の描く絵は線一本一本が凛としていて、シンプルで奥深く、大好きな画家です。

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2019.02.03 Sunday

八咫烏シリーズ外伝『ふゆのことら』阿部 智里

八咫烏シリーズ外伝『ふゆのことら』読了。本編『烏は主を選ばない』『空棺の烏』の前日譚。シリーズの中心人物、雪哉と、同郷の先輩である市柳のお話です。

『空棺の烏』では武官の養成学校「勁草院」で雪哉と再会した市柳でしたが、どうやら昔、なにか因縁があったようで…今回、その「因縁」が明かされます。

市柳は雪哉と同じく北領の地方貴族・郷長の息子ですが、若い頃の彼はまさに「厨二病」で、自分で「風巻の虎」とか名乗って羽織に変な刺繍いれちゃうほどのヤンキーっぷりです。

そんな時、北領の武術大会で久しぶりに顔をあわせた雪哉に、「剣術の手ほどきをしてほしい」と言われ、得意気に手合わせをしたのですが…



今回は市柳の厨二っぷりと、雪哉の闇っぷりが発揮された話でした。作者の阿部智里先生が「雪哉だけは呼んでもそっぽを向く」と揶揄するくらいですから、彼はなかなかに難しいですね。


市柳と雪哉は立場こそ似ているけれど、厳しくも愛されて育った市柳と、複雑な家庭環境で常に周囲を気にしながら生きてきた雪哉とは、考え方も覚悟も全く違う。そんな2人の対比が面白かったです。

それにしても市柳ファミリーいいな。強面お父さんから「りゅうくん」とか呼ばれているし、お父さんとお母さんはラブラブだし微笑ましいなあ…。

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八咫烏シリーズ


『烏に単衣は似合わない』
『烏は主を選ばない』
『黄金の烏』
『空棺の烏』
『玉依姫』
『弥栄の烏』
外伝『すみのさくら』
外伝『しのぶひと』
外伝『ふゆきにおもう』
外伝『まつばちりて』
外伝『あきのあやぎぬ』

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2019.01.19 Saturday

『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史

イスラム女子と日本女子の友情を描いた『サトコとナダ』が終わってしまい、寂しく思っていたところ、こんな本が出版されました。

『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 (星海社新書)では、イスラム教の歴史、ムスリムとテロ、イスラム教徒とのつきあい方について、漫画「サトコとナダ」を例に解説しています。

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仏教の宗派と似てる、さまざまなイスラム教徒たち


『サトコとナダ』の作者ユペチカさんによる、国ごとのイスラム教徒の姿が描かれています。これによるとムスリム女性の体を覆うニカブやヒジャブをつけていない人、お祈りはできる範囲で、モスクには行ったことがないなど、イスラム教徒といっても実にさまざま。

同じ宗教なのにこの違い、なにかに似てる…と思ったら、日本の仏教に似てます。仏教も宗派によってお祈りも修行もちがうし、滝行や断食をやる宗派もあれば、そういうこといっさいやらない宗派もありますから。

日本の仏教について楽しく学べる「ぶっカフェ!」は、宗派の違う3人のお坊さん(イケメン)が運営するカフェのお話です。「サトコとナダ」と同じツイ4の連載中。

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男尊女卑ならぬ女尊男卑?


『サトコとナダ』で、サウジアラビア人のナダからの情報は、日本人のサトコには驚くことばかりでした。なかでも「モスクの礼拝は女性が後ろ」な決まりは男尊女卑なんじゃないのか、ニカブやヒジャブなどの衣装は抑圧の象徴ではないのか、と考えるのですが…?

実はそれ「男は女性が前にいるとそわそわちゃってお祈りに集中できないから」というちょっとほっこりする理由です。髪や体を隠す女性の衣装も灼熱の中東では、理にかなった服装なんだとか。

ムスリム社会では女性は庇護すべき大事な存在である、らしいのです。ただ、世の中、きちんと女性を大事にできる男性ばかりではないですからね…そうした家長制度の場合、女性が声をあげづらかったり、一人で働いて自立するのは(特に中東では)難しそうです。

ただ、地域によっては女性の社会進出も進んでいるらしいので一概に男尊女卑(あるいは女尊男卑)とは言えないらしいのです。

以前はそんなでもなかった…?イスラム教が注目された理由とは


今回驚いたのは、保守…というか厳格なイスラム教の教えに従うサウジアラビアも、50年くらい前までは黒いニカブを着てなかったらしいのです。あと話題のハラル食も以前はそんなに厳密じゃなかったらしい。

移民先での迫害や戦争など、さまざまな困難にあったムスリムたちは、もういちど自分たちの原点であるイスラム教に回帰していったのだとか。しかし行き過ぎた宗教観が、うっぷんを晴らすテロ行動に結びついてしまうこともあり…

『サトコとナダ』でもサウジアラビアのイスラム教徒の風習や習慣について語られます。ちなみにイスラム教徒のナダは「お母さんと同じ格好がしたい」からニカブをつけたかったのですって。

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イスラム教とテロ


世界で多発する無差別テロ、特にイスラム教徒によるテロの頻発は世界に「イスラム嫌い」を生んでいきました。しかし、テロの実行犯が必ずしも宗教に熱心だったわけではなく、作者はこう言っています。

テロ実行犯は(過激派など)暴力を正当化してくれる存在がなければ、単なる小悪党にすぎなかったでしょう

と。

よく聞かれる「ジハード」は「聖戦」ではなく、「神への努力」という意味なんですって。「努力」をどうとるか、解釈によってそれを暴力にするか、善行にするかは人それぞれの選択なんです。イスラム教ではなく。

私達は物事を単純化してしまいがちです。だってそのほうがラクだから。「〇〇の考えは間違ってる!」とネットで叩いたり、「テロを起こすからイスラムは危険」みたいな。

しかしどんな社会でも、過激な事件は起こっています。それを一概に宗教のせいにしてしまうのは危険な考えかもしれません。

結局は「人による。」だから聞くことが大事


育った場所や家庭環境によって考え方が違うように、イスラム教徒でもどこまでが禁忌かは、人によって判断がわかれるところです。(お酒を飲む人もいれば、ハラルを気にしない人もいる)

一見、日本と関わりが少ないと思われるムスリムですが、現在日本にもたくさんのイスラム教徒が暮らし、モスクも全国に100以上あるのだとか。そんな「となりのイスラム」たちとどうつきあっていけばいいのか。

そのヒントとして「イスラム」ではなく「個人としての隣人」として接するという風に書かれています。それは、自分と違う生活リズムの人として、できることできないことを確認し、コミュニケーションをとっていくことが大事だと。

「すべてを受け入れなくても、お付き合いはできる」のです。私達だって、友人や知人のすべてを受け入れて付き合っているわけではないのですから。


となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

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2019.01.09 Wednesday

音楽をことばで表す『羊と鋼の森』宮下 奈都

本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』。読んでみた感想はとにかく音の描写が新鮮で美しい。はっとするような、みたことのない世界に連れて行ってくれる、そんな印象の本でした。

音楽を表現する小説はこれまで『さよならドビュッシー』が音楽、メロディの描写が素晴らしいのに対し、『羊と鋼の森』は音そのもの描写が素晴らしい。

音という目に見えないもの、言葉で伝えるのがむずかしいものを、音を森にたとえて音を探す調律師を森の道を探す旅人に例えている。果てしない音の道を、遠くの道標をめざして、ときに迷い込みながらコツコツと、ほんとうにコツコツと進んでいく主人公・外村の成長と彼をとりまく人々の物語。

調律師というなじみのない職業、どちらかといえば地味な裏方と思われがちですが、宮下奈都さんの文章にかかると、彼らが音の探求者であることが伝わってきます。

求める「音」はピアノを弾く人のためか、あるいはピアノを聞く観客のためのものか、あらゆる状況下でベストの音をつくらなければならない。そんなつかみどころのない「音」を求めていく調律師の姿が浮かび上がってきます。

調律師の仕事は(中略)目指すところがあるとしたら、ひとつの場所ではなく、ひとつの状態なのではないか。

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『羊と鋼の森』あらすじ


高校2年のとき、学校であったピアノの調律に魅了され、調律の世界に飛び込んだ外村。憧れていた調律師・板鳥さん、気さくな先輩・柳さんたちに教えられながら音を追い求める日々を送る。

そんな中、外村は調律先で出会った双子・和音のピアノに魅了される。明るい双子の妹・由仁の演奏よりも静かで目立たない演奏だったけれど、印象にのこったのは和音の方だった。

調律師として修行を続ける外村だったが、なかなか自分の望む音をつくることができずにいた。それでも悩み、あがきながら果てしない音の森を進んでゆく…。

映画版『羊と鋼の森』主人公外村を山賢人さんが演じています。(アマゾンプライムビデオ版)

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クラシックをモチーフにした小説『さよならドビュッシー』。音楽の描写とミステリが融合した音楽ミステリ。

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宮下奈都作品感想


「メロディ・フェア」→
「誰かが足りない」→
「太陽のパスタ、豆のスープ」→

2018.12.16 Sunday

イスラム女子と日本女子の友情、最終章『サトコとナダ4』

サウジアラビアのナダと日本のサトコ。アメリカで出会った女の子たちは、国も宗教も育った環境も違うけれどルームシェアを通じて親友になりました。けれどサトコの留学が終わり、2人は別々の道を進むことになり…。


『サトコとナダ』、最終巻です。これまで日本人サトコからみたイスラム教徒の世界は新鮮で驚きに満ちていました。この漫画に出会わなければきっと、今でもイスラム教徒に対して多くの偏見を持っていたでしょう。

相手の宗教や風習に納得できないことがあっても、友達になれる」と、サトコは言いました。世界がサトコとナダのように、理解し合えたらいいな、と感じます。

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ナダの婚約


3巻ですったもんだありましたが、ナダとアブダーラさんの婚約が成立。ここで正式に二人は顔を合わせることに。

サウジアラビアでは
1.親が相手を決める
2.婚約(この時点で会えない、写真はOK)
3.男兄弟を介して相手との連絡が可能に
4.シャウファを行う←イマココ!

シャウファ(見る)とは婚約が整った男女が初めて顔を合わせて話すこと。見合い→婚約→結婚ではなく、サウジでは婚約→見合い→結婚なんですね。

シャウファでは友人や家族立ち会いのもと、見合いのように「あとは若いお二人で…」と、ナダとアブダーラさんはここで初めて話をします。医者になる夢のため、アブダーラさんを待たせることになる(だから嫌なら断ってください)と思うナダに、アブダーラさんはそんなナダだから結婚したいと。

アブダーラさん、いい人や…(´;ω;`)。イスラム社会って男尊女卑の印象があったので、アブダーラさんみたいな男性もいるのだなと思うとなんか嬉しいですね。アブダーラさんは姉のアフレイマさんにも頭が上がらないようなので、イスラム社会、必ずしも男性上位というわけではないのかも。

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インシャーアッラー、遠く離れても


そしていよいよ、サトコの留学期間が終りを迎えます。グレイスピリオド(留学終わり後、アメリカに数週間滞在が認められる制度)を利用してサトコとナダはふたり旅に出ます。

ナイアガラの滝ではサトコは国境が歩いて渡れることに感動し、ナダは一生分くらいの水量に感動するなど、育った国によって感動ポイントが違うのも興味深いですね。

ナイアガラの滝では2人で国境越え!ナダは親兄弟が一緒でないとできない国境越えを経験!

そしていよいよお別れの時、ナダはサトコに「インシャーアッラー」という言葉を教えます。意味は「もしも神様が望むなら」未来を語る時に使う言葉です。

また絶対会おう、と近い合ったサトコとナダ。遠く離れても心は通い合っていて、数年後2人は再会するのですが…。
未来の2人の近況はぜひ、コミックスで♪

そして、こんな本も。『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史ではユペチカさんがイラストを描き下ろしています。こちらも楽しみ。

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2018.12.11 Tuesday

やりたい仕事と向いてる仕事『校閲ガール トルネード』宮木 あや子

『校閲ガール』シリーズも最終巻(?)。『校閲ガール トルネード』では悦子やその仲間たちにも、自分の仕事について考える時期がきているようで…。

辞令はある朝突然に


ファッション誌『Lassy』に憧れ、校閲部からなんども異動願いを出していた悦子に、ある日突然、辞令がおりた。

『Lassy』の結婚情報誌『Lassy noces』への1年間の期間限定だったものの、あこがれの雑誌編集の世界へ近づけることに喜ぶ悦子だったが、ファッション誌のの編集はとにかく激務。編集の仕事になかなか慣れず、おまけに憧れの雑誌『Lassy』の編集長は『noces』の編集長と犬猿の仲で、二人のバトルも気が気でない。

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悦子は校閲部長の「今の部署で実績を上げれば希望の部署に移動できる」という言葉を真に受け、ファッション誌を読むことと、校閲の仕事の精度を上げることにばかりエネルギーを注ぎ、肝心の「Lassyで何をすべきか」を全く考えてなかったんですね。

悦子の仕事も恋も思い込んだら猪突猛進なところは読んでいて小気味いいのですが、本当にやりたい仕事につきたいのなら、ちゃんと仕事の内容調べたり、企画考えたりしておくべきでは…と思ったり。

そうはいっても持ち前の直感と推理力で、雑誌の内容から編集長同士のいさかいを探り当てる能力はさすがです。

「辞令はある朝突然に」、タイトルの元ネタはこちら。

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校閲ガールの成長


一目惚れの作家(兼モデル)の是永と両思いになったり、憧れの部署(に近いポジション)に移動できたりと、悦子の人生は順風満帆…と思われましたが、実は夢って叶えてからが重要で、それを続けるのがいちばん難しいのです。

そんな中、同期の編集者・森尾はモード系の高級ファッション誌にヘッドハンティングされ、恋人の是永も仕事で海外へ行くことになり、悦子についてきてほしいという。

やりたいけれど大変なファッション誌の仕事、向いている校閲の仕事、恋人についていくか、それとも日本に残るのか。悦子にも、周囲の人々にも新しい選択をする時期がきたようです。

就職して2〜3年というのは、ようやく仕事に慣れて周りが見えてくる時期なので、そこから自分がどんな仕事をするのか考える時期なのかもしれません。

悦子はとても成長しましたね。今までは自分の好きなものや好きなことにしか興味がなく、思ったことには猪突猛進でしたが、校閲の仕事を通じて知り合った人や小説が、彼女に影響を与えていったようです。

悦子のことですから、どんな道を選んでも、突き進んでいくことでしょう。校閲ガール悦子に幸あれ。

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2018.12.07 Friday

守り人シリーズ 外伝『風と行く者』

転生したら人生が逆転し、現実では得られない力で異世界で活躍するファンタジーが流行っていますね。現実の鬱屈を異世界で晴らす、こうした「異世界もの」は私も好きで、読んでいて痛快な気分を味わえます。

しかし、「精霊の守り人」はそんな「ご都合主義」のファンタジーとは一線を画する重厚な物語です。ファンタジーの要素はありますが「不思議なものが現実より少し身近にある」くらいで、あとは土地の風俗や歴史、宗教など人々の暮らしの描写が大半を締めています。

超常的な力は存在しますが、それを使って世界を変えることはできません。変えるのはいつだって人間なんです。弱い存在の人間が運命に抗い、必死に生きる姿。それこそが上橋作品の読みどころではないでしょうか。

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『風と行く者』あらすじ


『天と地の守り人』での戦から1年余り。バルサはつれあいのタンダと隣国ロタに近い草市へ。そこで昔、共にした旅芸人サダン・タラムたちと再会する。奇妙な縁に惹かれるようにバルサは再びサダン・タラムの護衛となり、彼らが鎮魂の儀式を行うロタ北部の聖地エウロカ・ターンへ旅をすることになる。

かつて養父ジグロと護衛したサダン・タラムは、旅芸人でありながら、鎮魂儀礼を行う集団でもあった。彼らが供養するのはロタとターサ、2つの氏族が昔争った戦場。旅を続けるうちサダン・タラムの美しい頭領サリと、ジグロとの間には親密な関係があった。バルサはサリの娘、エオナがジグロの子ではないかと考えるのだが…

過去と現在が交錯し、死者は生者の思い出の中で蘇る


物語は20年前と現在が交錯しながら進んでいきます。かつて命を狙われたサダン・タラムの頭サリを助けた縁でジグロと少女だったバルサはそのままサダン・タラムの護衛士となります。

まだ若いバルサは短編『十五の我には』のときから少し落ち着きましたが、まだまだ未熟で、そんなバルサをジグロは厳しく、ときにやさしく指導していきます。追っ手に追われ、命がけの仕事の中ですがジグロの恋(と呼べるかは微妙だけれど)やバルサの成長が読んでいてうれしい。

過去として語られるけれど、この瞬間、確かにジグロは生きています。今は亡き懐かしい人も、生者の思い出の中で行き続けているのです。

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「送り」の物語


上橋先生は「子供向けに物語を書いているわけではない」と語っておられます。確かに『風と行く者』は子供にはまだ理解しがたい描写も数多く、大人が読んでこそ作者の思いが伝わるのではと、思います。

でも、子どもたちも読んでほしい。そうして、おとなになってから読み返してほしい。きっと後から「そういうことだったのか」と理解できると思うから。

精霊の守り人の主人公・バルサは理不尽な王の陰謀により、養父のジグロと故郷を追われた過去があります。『闇の守り人』では過去の因縁や複雑なから思いからの解放で、ほんとうの意味で亡き人を懐かしみ、偲ぶのができたのが『風と行く者』だと思うのです。

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この物語を書く前に、上橋先生は最愛のお母様と、長年『精霊の守り人』シリーズの挿絵を努めた二木真希子さんを亡くされています。
ジブリ作品に携わったアニメーター二木真希子さんが死去

特に、お母様は上橋先生のエッセイにも登場しますが、好奇心旺盛な方で、さまざまなインスピレーションを上橋先生に与えてくださった存在でした。

愛する人を送り、自らの生き方を考える。そんな人生の半ばに差し掛かった中年の私が読むと、またぐっとくるものがあります。バルサのこのセリフこそが、愛しいものを送った経験をもつ上橋先生の言いたかったことなんじゃないかな、と思うのです。

思いは血に宿っているわけじゃなくて、生きてきた日々のあれこれに宿っているものなんでしょう


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おまけ


ジグロの恋人であったサリの娘エオナは母親譲りの美しさを受け継いでますが、もし、エオナがジグロの娘でジグロ似だったら、おそらくこんな感じになるんじゃないかと想像しちゃって…すみませんほんとすみません…

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上橋作品感想


「物語ること、生きること」→
「精霊の守り人」→
「闇の守り人」→
「夢の守り人」→
「天と地の守り人」→
外伝「流れ行く者」→
外伝「炎路を行く者」→

精霊の守り人レシピ集「バルサの食卓」→
「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」→

2018.10.23 Tuesday

『校閲ガール』宮木 あや子

ずっと読みたかった『校閲ガール』読了。校閲とは書籍や雑誌の記述や考証をチェックして間違いを正すお仕事。そんな校閲のお仕事には、てっきり「本にまつわる謎とき」があるのかと思いきや…。

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校閲ガール、河野悦子登場!


河野悦子はファッション大好き女子。おおよそ小説にも活字にも興味がなく、校閲部にいるのも憧れのファッション雑誌「Lassy」の編集部に入れなかったから。

しかし彼女はすぐれた記憶力と直感力で、小説の齟齬を見つけ出し、作家の意図を探り当ててしまう。こう書くと、いかにもミステリ小説風ですが、実は『校閲ガール』は「お仕事小説」あるいは「恋愛小説」に近く、ミステリ要素はおまけと言った感じ。

それにしても、小説内の電車移動の時間までわかるなんて、やっぱり校閲ってすごい仕事だなあ…。

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でも、悦子をはじめ登場人物たちが個性的で、オネエっぽい同僚・米岡くんや、作家絡みのトラブルに悦子を巻き込む貝塚とのやりとりが面白くて、だんだんミステリ展開に期待するのどうでもよくなってきましたww

校閲のさまざまな仕事をするうちに、だんだん校閲の楽しさにも目覚めていく悦子。そんな彼女の仕事への成長とか、偶然知り合った覆面作家・是永 是之との恋の行方もきになるところ。

悦子の唯一無二の目標は「ファッション誌への移動」で、校閲の仕事はその手段に過ぎないし、「好きなのは顔」と、堂々と言い放つ。

本好きでファッションに疎い私からすれば、ちょっと気後れしてしまうのですが、自分の好きなものがしっかりとあって、それが揺るがないのは読んでいて気持ちがいいです。
本当は校閲部でもっといろいろ活躍してほしいですが、一方で悦子の目標がかなってほしいなとも思います。

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校閲が活躍する物語


こちらもおすすめ!『重版出来!6』では、忠臣蔵の討ち入りの時の天気までもチェックする校閲さんのプロ知識がすごい。

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多様な作家・宮木あや子


作者の宮木あや子さんてR-18文学賞の『花宵道中』書かれた方なんですね。ジャンルの違いにびっくり。もっと他の作品も読んでみたくなりました。

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JUGEMテーマ:オススメの本



2018.09.26 Wednesday

ビブリア古書堂、その後の物語。『ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち』三上 延

『ビブリア古書堂の事件手帖』の続編が出ました!シリーズ完結から、栞子さんと大輔くんのその後の物語が描かれます。なんと、二人の間には小さな娘が!

物語は、栞子さんによく似たこの「扉子」ちゃんに、栞子さんがこれまで起きた本にまつわる話を聞かせるといった手法がとられています。これまでのビブリア古書堂シリーズに登場した人々も出演します。

それにしてもあのふたり、いつの間に結婚、そして娘まで…。

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)

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二人の娘・扉子ちゃんは利発で本好き。本にまつわる感の鋭さは栞子さん譲りです。性格は明るくて栞子さんの妹文香ちゃんに似ているけれど、本に関する好奇心は大人顔負けです。
これまでのビブリアシリーズのように、1冊の本にまつわる謎を紹介しているのですが、その間にサイドストーリーとして栞子さんと扉子ちゃんが出張中の大輔くんの本を探すと言ったストーリーが添えられています。

その本がなんだったのか、どうしてそれを、娘に見せたくなかったのか、それが最後にわかる仕組みになっています。私が推理したのは二人の出会いのきっかけになった夏目漱石の「それから」でしたが…。

北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童話集』(新潮文庫)


『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』に登場した坂上昌志としのぶ夫妻。夫の昌志は過去に罪を犯して刑務所に入っていた過去から、親戚と断絶していたが、昌志の兄である父親に頼まれた姪・平尾由紀子が夫妻のもとを尋ねることに。

父から叔父へ渡すように頼まれたのが『からたちの花 北原白秋童話集』だった。犯罪者として親戚から嫌われていた叔父の、優しくも悲しい身内との思い出が解かれていく。
「みんなみんなやさしかった」の歌詞がこの物語の謎がわかると、とても切ない。坂口さん、しのぶさんと結婚して幸せになれてよかった…。

からたちの花―北原白秋童謡集 (新潮文庫)

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ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 (メディアワークス文庫)




『俺と母さんの思い出の本』


栞子の母・智恵子の友人である磯原未喜から、急逝した息子との思い出の本を探してほしいとビブリア古書堂に依頼が着た。手がかりはほとんどなく、息子のマンションで彼の妻から事情を聞くも、具体的な確証は得られない。

ゲームとイラストが好きでクリエイターとなった息子と、資産家で「まっとうな」仕事についてほしいと英才教育を押し付けた母との思い出の本とは一体なんなのか。

今回、ほとんどヒントがなくて、どうやって探し出すんだろう?と思っていたら細部にヒントが隠されていました。いつものことながら栞子さんの洞察力が冴え渡ります。ゲームは不得手とはいえここまで確信にせまれるとは…。

あと、この回に登場する急逝した息子の親友の存在は切ないですね。友人は有名クリエイターになったのに、自分はライトノベル作家として鳴かず飛ばずで、その格差に苦しんだり。持たざる者の苦悩も描かれます。

にしても、クリエイターと年の離れたコスプレイヤーの夫婦って、どこかで聞いたような…

佐々木丸美『雪の断章』


こちらもビブリア古書堂の事件手帖の常連、ホームレスでせどり屋の志田と、あるきっかけで彼と親しくなった女子高生の小菅奈緒の物語。ある日、奈緒は志田の住む河原で一人の少年に出会う。自分と同じように志田と本の話をする「生徒」らしい。

やがて志田が失踪し、心配した奈緒は、その少年・紺野祐汰とともに志田の行方を探していくうちに紺野が秘密を抱えていることに気がついて…。

今回は栞子さんは登場せず、奈緒がひとりで推理します。奈緒は以前、栞子さんの鋭い洞察で自分の恋心まであばかれたことで苦手意識を持っているようで。確かに、栞子さんて自分の興味に関して暴走するところがあるからなあ。
母の智恵子さんほどではないにしろ、ちょっと人の気持ちを忖度しないところがあるから。

まあ、今は大輔くんがついているので大丈夫ですが、今度は娘の扉子ちゃんが暴走しそうで、栞子さんがあたふたしています。

雪の断章 (創元推理文庫)

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内田百聞『王様の背中』


最終巻で栞子、母・智恵子とシェイクスピアの初版本を巡って破れた古書店主・吉原喜市は敗北のショックから倒れ、今は仕事を息子に任せていた。息子の考二は古書の引取に訪問した家で、一足違いでビブリア古書堂が買い取ったと聞かされる。

諦めきれず買い取られた本を見てみようとビブリア古書堂を訪れた考二は、ある理由で本を売った家の息子と勘違いされたことで、本を持ち去ろうと試みるが…。

扉子ちゃん、恐ろしい子…(,,゚Д゚) 純粋無垢であるがゆえに相手を追い込んでゆきます。吉原親子側がどうみたって悪いのですが、本に関して圧倒的な知識と洞察力をもち、時に強引に事を運ぶ篠川家の遺伝子を前にしたら、こんな気持になるのも、わからんでもないんだよなあ…と、凡人の私などは思うのです。


内田百聞先生は鉄道マニアで『阿房列車』などが有名ですが、子供向けの本も書いていたんですね。同じく夏目漱石門下で先輩だった『赤い鳥』の鈴木三重吉さんの影響なんでしょうか…?

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後日譚と前日譚


今回はビブリア古書堂の事件手帖、登場人物のその後の物語でした。なんにせよ、栞子さん大輔くんカップルが幸せになってよかった。今回は「後日譚」だそうですが、あとがきを読むと「前日譚」を書く予定もあるそうで。

栞子さんの父方、母方の祖父(両方とも古書店主)の因縁とか、戦前から戦後にかけての古本事情なんかも織り交ぜて書いてほしいなと思います。

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「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち」
「ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常」
「ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆」
「ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さん2つの顔」
「ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時」
「ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ」 
「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」

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