『よくわかる行動経済学』

2023.06.04 Sunday

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    経済学と銘打っていますが、実は心理学に近い考え方だと思います。

    行動経済学とは?


    行動経済学とは、人が起こす不合理な行動とその原因について研究する学問です。

    例えば、「普通なら100円のキャベツを買うのに、人が並んでいると200円のキャベツを買いたくなる」
    そこにはただ「人が買っているから」という、あいまいな理由で根拠はありません。

    この本では、こうした例をあげて日常生活や経済活動での不合理行動を紹介しています。専門用語が多いですが、イラストやデータがわかりやすいので読みやすいです。

    保有効果:俺様の物はすごい物


    これは、自分の所有物には必要以上に価値を見出す心理です。
    実験で学生の半分にマグカップを渡して売るように指示すると、売り手は600円以上の値段をつける一方、書い手はその半額300円程度の買値を提示したのだそう。

    これは「保有効果」といい、人は一度所有したものを手放したくない、という心理から高値をつけるんだとか。

    確かに、自分の持ち物をフリマアプリで売ろうとしても、まったく見向きもされないことがありました。

    今思えば「(自分が持っていたのだから)価値があるはず!」と思い込み、冷静な値付けができなかったのだなと思います。




    損は感覚を麻痺させる


    人間は「得」よりも「損」に大きなショックを受けるそうです。

    例えば「確実に2万を失う」と「50%の確率で4万を失う(50%は失わない)」だと、
    人は「50%の確率で4万を失う」を選ぶことが多い。

    だから、「損をするくらいなら、現状維持」を選んだり、「損」を回収するために無謀な懸けに挑んだり、不合理な行動をしてしまうのだとか。

    賭け事でも、負けがこんでくるほど無謀な一発逆転を選ぶのは、漫画などでもお約束ですものね。

    行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』
    行動経済学をもっとわかりやすく、漫画でたとえたのが『ヘンテコノミクス』です。人は時に、合理的でない行動をする様子が、コミカルに描かれていてわかりやすいのです。

    逃げるという救い『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』Testosterone

    2021.06.25 Friday

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      以前の職場でをパワハラ受けて辛かった時、いろいろなメンタルケアの本を読み漁りましたが、この本が一番助けてくれました。

      Testosteroneさんの『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』。この本がほかのメンタルケア本と違うのが「逃げてもいい」と言ってくれたことです。

      普通のメンタル本だと、たいてい
      ・自分の考え方を変える
      ・今いる場所でがんばる
      ・相手の幸せを願う

      など、自分自身の意識を変えようと書かれています。それは確かにその通りなんですが、人間、そうかんたんにはいきません。そもそも、そう簡単に意識が変えられるなら本に頼らないんですよ。

      しかし、Testosteroneさんの本では「捨てろ」「逃げろ」など、メンタル本にあるまじきマイナスな言葉がでてきます。



      一見、逃げ腰にみえるテーマですが、実はこうしたネガティブな言葉こそ私に勇気を与えてくれました。



      「逃げていい」という救い


      私の場合、パワハラ上司のほかにも、職場の様々な人から、やんわりとではありますが「あなたが変わるべき」「もう少し続けないと、次の契約はありませんよ」「そんなんじゃどこにいっても通用しない」などと言われ続けました。

      私が悪いのだろうか…。悪いのかもしれない…。でもいくら寝食を削って努力しても、緊張から失敗して上司に罵倒され、うまくいっても必要以上の仕事を言いつけられ(強制的な休日出勤など)、どんどんと追い詰められ、最終的には倒れてしまいました。

      そうした時に『ストレスゼロの生き方 』はこう言っています。
      「自分には価値がないのかな?」と思わせてくる奴がいたら敵だと認識しろ
      問題があるのは他人にそんな風におもわせてしまうそいつらだ。


      確かに、私にも至らない点は多く、迷惑をかけてしまい申し訳ないとも思います。でも、「自分の思い通りにいかないから」といって必要以上に私のメンタルを追い込む権利はないはずです。当時はほんと、藁にもすがる思いで、この言葉を胸になんとか病気退職をもぎ取りました。おそらく、あのまま続けていたら立ち直れないところまで追い込まれていたでしょう。

      追い詰められている時って、どうしても他人の言葉にすがりたくなります。世の中にメンタルヘルスの本は星の数ほどありますが、自分の心に沁みる言葉に出会えるのはまれなこと。

      「逃げる=負け」じゃない。勝つために一時撤退するだけだ逃げるのは立派な戦略なのだ


      ものすごく頑張って、あらがっても事態が好転しないなら、思い切って逃げてもいい。

      そんな救いがあってもいいと思います。「逃げるは恥だが役に立つ」というのは真実をついているんですね。

      Testosteroneさん、ほんとうにありがとうございました。あなたの言葉のおかげで私は自分の人生を取り戻すことができました。筋トレはなかなか続かないのですが…。

      『日本のあかるいニュース』池上彰

      2021.06.01 Tuesday

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        池上さんといえば、選挙になると当選者に忖度なしの口撃で「池上無双」と称される苛烈なジャーナリストの印象がありました。また、小説の解説に至ってもその姿勢は変わらず、原田マハさんのアート小説『暗幕のゲルニカ』の解説でもトランプ大統領に対して辛辣な文章を残しています。

        私は以前、池上さんの取材されたニュース番組の内容に落ち込んでしまい、以来池上さんの番組を避けるようになりました。

        しかし今回「あの」池上さんがコロナ渦の日本を励ますかのように、希望をもてる本を出版されました。タイトルは『日本のあかるいニュース』。コロナ渦の不安がうずまく2020年に明日に希望が持てる、人って捨てたもんじゃないと思えるニュースをあつめてあります。

        わたしは正直、著者名を見て「あの苛烈な池上さんが…」とおどろきました。しかし、もともと池上さんは「週間こどもニュース」という、子供にわかりやすく優しい言葉でニュースを解説する「やさしいお父さん」役でもあったんですよね。私が知らないだけで、希望のもてる報道もされていたかもですし。

        『日本のあかるいニュース』では暮らしや環境・スポーツなど、幅広いジャンルの「希望」が集まっています。読んでみて先の見えない不安の中にも希望はあるのだなと、純粋に感動しました。



        中でも私が感動したのはこちらのニュース
        ・温室効果ガスの削減目標を達成
        さいきんはSDGsも浸透してきたこと、コロナ渦のため経済活動が停滞したことで、温室効果ガスも減少傾向にあるとか。こうして良い傾向が数字で見えていくのはなんだか嬉しい。コロナ後もひとりひとりが省エネを考えていかなくて…。

        ・待機児童問題、男性の育休問題が少しずつ解消
        逃げるは恥だが役に立つ』でも男性の育休の取りづらさがとりあげられていましたが、まだまだ「男が育児なんて」という声も多い中、少しずつ男性の育児休暇が増えてきているそうです。とはいえ全体の10%ほど。これからも少しずつ増えていってほしいものです。

        ・キングカズが最年長出場記録を更新
        東日本大震災のチャリティマッチのときも思ったけれど、この人はプレーするだけで人を感動させられる人ですね。

        ・小3の男の子がヘアドネーション
        ヘアドネーションとは、治療で髪をなくした人につくるウィッグへ自分の髪を提供する行為。男の子が長髪なのには、まだまだ偏見やからかいの対象になってしまいますが、彼はそんな言葉にもめげず、髪を伸ばし続けたそうです。ヒーローですね。ほんとに。


        池上さんが小説の解説でも無双を発揮した原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』。ピカソのゲルニカをめぐるアートサスペンス。

        『人を動かす「仕掛け」 あなたはもうシカケにかかっている』松村 真宏

        2021.05.22 Saturday

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          行列に並ばない人を並ばせるには?ゴミのポイ捨てを失くすには?
          こうした人間の行動は「命令」ではなく「仕掛け」で変えることができます。

          『人を動かす「仕掛け」 あなたはもうシカケにかかっている』は、松村先生の解説文と、不思議な生き物「シカケムシ」が「仕掛け」の謎を解き明かしていく漫画パートで構成されています。
          とても読みやすいなあ、と思っていたら、もしかしたらこれも、読んでもらうための「仕掛け」なのかも知れません。



          収納やポイ捨てに役立つ仕掛け


          イベントやお祭りでのポイ捨てでゴミが散乱しているのをよく見かけます。室内でも物を元ある場所に戻さずに散らかしてしまうなど、収納やゴミ捨てはいくら注意したり怒ったりしてもなかなか効果はありません。

          そんなときにはちょっとした「仕掛け」でゴミを捨てやすくなります。

          順番に並べると絵が現れる漫画単行本の背表紙のように、ファイルボックスを並べて線を引いておくだけで、きちんと順番に並べたくなるんだそう。ゴミ箱にゲームやクイズ、アンケート要素を加えることで「捨てなければならない」から「捨てたくなる」と、人の行動を促すようになります。

          ・道に神社の鳥居を描くことでポイ捨てを防ぐ
          ・お祭りの串入れに「年齢」や「何がしたいか」などのアンケートを加えて、楽しく投票しながら捨てられる

          困っている人を助ける仕掛け


          困っている人をかわいそうと思っていても、なかなか寄付や募金にお金を出すのはためらわれる。そんなひとに向けてで募金を促す「仕掛け」があります。

          それを不真面目ととる人もいるでしょうが、作中でも先生がおっしゃっているように「困っている人が目の前にいないと助けたい気持ちは薄れやすい」ので、どんな形でも興味をもってもらえるのはいいことだと思います。

          からくり貯金箱
          こちらのからくり貯金箱は、東日本大震災のチャリティーとして設置された貯金箱。「ピタゴラスイッチ」のようにコインを入れると装置が動くしくみには、多くの人(特に子どもたち)が興味をもってお金を入れていました。
          からくり募金箱


          最後に、この本を読んでもらうための仕掛けを考えてみましょう。「決して読んではいけません」かな?人は「やるな」と言われると、ついついやってみたくなるものですから。

          レビューポータル「MONO-PORTAL」

          どっちが得か?よ〜く考えてみよう。行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』

          2018.07.05 Thursday

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            2017年ノーベル経済学賞を受賞し、今注目の経済学分野、行動経済学。なんだか難しそう…と思ったそこのあなた!行動経済学は日常での買い物でも応用できる、やさしく実用性の高い経済学なのです。
            その原理は実に簡単で人間の本質をついています。

            ビジネスも投資も、結局やるのはにんげんだもの。たまには損だとわかっていてもそちらを選んでしまったり、得だと思ったものが実は損だったり…と、人間の選択はその人の経験や心理に左右されるため、ときに非合理的な結果をうんでしまうこともあるのです。

            それを、ものすごく簡単に説明したのがこの行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』です。
            経済学というより心理学に近いですね。

            ヘンテコノミクスを読めば、ビジネスのリスク回避や、マーケティングなどにも応用できるし、ビジネスじゃなくても普段の買い物や行動でもよりお得な方を選ぶことができます。



            どっちが得か?


            ここからはヘンテコノミクスの中で気になった行動経済学の効果についてあげていきます。読んでいくと「ああ、こういうことあったあった!」と共感したり「あの時あちらを選んだほうがよかったのか…!」と後悔したりします。

            それだけ行動経済学は、私達がなにげなく行動する中にも含まれているのです。

            保有効果…保有したものに高い価値があると思いこむ


            まんがでは、野球部員たちが合宿ででたヨーグルトを「2種類あるのでほかと変えてもいい」と言われますが、最初に手にとったものから変えようとしないことで説明しています。

            私も、メルカリなどで使わなくなったけれど価値がある物を処分する際、「欲しい人にはこれくらいの値段はするだろう」と思って値段をつけても、誰も入札をしてくれないことがありました。
            それは、「自分が持っているものは価値の高いもの」という思い込みによるものなんですね。

            それからは似たような物の価格を調べてから出品するようにしています。

            プラス月5万円で暮らしを楽にする超かんたんメルカリ

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            無料による選択の逆転…無料の誘惑


            よく、「○円以上なら○○がタダ」「○円以上買うと割引クーポンプレゼント」の謳い文句で、ついつい必要以上に買い物をしたり、余計な注文をしてしまいます。

            特に楽天市場のポイントセールは、ポイント好きな私には通販ホイホイです。ポイント率が上がるから…とついつい余計な買い物をしたりして。

            実はこれも行動経済学の効果です。
            ポイントやクーポンで買い物をしてお得になったのにもかかわらず、なんだか敗北感を感じてしまう。これは必要以上の出費をしたことへの後悔だそうで。ああ、既視感…。売る側は無料をちらつかせることで客の購買単価を上げることができるのだとか。

            うーん、よく考えられているなあ。

            ほかにも「選択肢がないと人は買い物を躊躇する」心理からわざと比較できるように必要のない製品をわざわざつくる「おとり効果」など、日常に体験するできごとの中にヘンテコノミクスは潜んでいます。

            ぜひ読んでみてください。行動経済学をしれば少しは衝動買いがおさえられるかも…(まあ、でも必要なときは買っちゃいますが)

            こちらもおすすめの行動経済学の本。タイトルの通り図解での説明や、わかりやすい事例が多く、読みやすいです。


            さまざまな視点から得する方法を考える行動経済学は、ちょっとラテラルシンキングにも似てますね。発想の転換が大事ってことかもしれません。

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            『小さな会社のWeb担当者・ネットショップ運営者のためのWebサイトのつくり方・運営のしかた』

            2017.09.19 Tuesday

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              Web担当者・ネットショップ運営者向けWebサイトの設計書


              大きい会社ならば、専門のWeb担当の部署が決まっていことが多いでしょうが、小さい会社や個人でネットショップを運営している場合、一体どこから勉強したらいいか、わからないのではないでしょうか。

              小さな会社のWeb担当者・ネットショップ運営者のためのWebサイトのつくり方・運営のしかた 売上・集客が1.5倍UPする プロの技101』だと、Webサイトの立ち上げ計画から、デザイン、運営、作成後のマーケティングにいたるまで、一通り網羅してあるので、この本を土台にしてWebサイトづくりをすすめることができます。



              ウェブサイトは作ってからが本当の勝負


              通常の仕事ですと、納品したら終了ですが、ウェブサイトは作ってからがほんとうの意味での勝負となります。つくっただけではお客さんはきてくれないのです。(ここらへんを、中小企業の重役たちが勘違いしていることが多いのです。)

              アクセス情報を確認し、当初の目標が達成されているか、されていない場合、どこを改善すればいいのか。
              常に更新と修正を積み重ねることで、目標の集客や売上を達成することができるのです。

              この本に書いてある情報を提示すれば、「作ったら儲かるだろ」と考えがちな頭の固い中小企業の上の人たちを説得する材料にもなりえます。

              Webサイトには、オリジナルドメインを



              会社のwebを作成するのに必要なのがオリジナルドメイン。信用という面でも、検索エンジン対策としても、小さな会社ほどオリジナルドメインを使用したほうがよいと私は考えます。

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              Web製作者のノウハウ辞典


              私は、普段ホームページなどWebサイトの製作を行っているので、担当者やネットショップ運営者に説明をする立場です。ですからWebサイトのつくり方から運営のしかたまで網羅しているこの本は大変、重宝しています。

              「ホームページってのを作れば儲かるんだろ?」と言っちゃうような頭の固い中小企業の幹部たちは、まだまだ世の中に多いため、具体的な集客方法を示すことは非常に大事なことです。

              また、現場でのウェブデザインは専門的でも、相手はWebサイト全般の知識を持っていると勘違いして突っ込んだ質問をしてくることが多いため、Webサイト製作・運営までを学べるこの本はありがたいです。
              メールを打つ時、傍らに辞書のように置きながら確認しています。

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              ある日突然、ホームページが見れない!その原因と対策

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              これ、私のことだ。『脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』

              2017.04.05 Wednesday

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                ああ、これ私のことだ!と、本を読んで実感しました。


                敏感すぎる人とは(HSP)



                敏感すぎる人は、過去の発言をいつまでもクヨクヨしたり(数年前の飲み会で相手に言ったことを未だに気にしている)、人に嫌われないために仕事や用事を断れなくてストレスをためる、一度にたくさんのことを言われるとぱにっくになったり、ミスを多発する、大きな音や光に敏感。

                私も確かに、不意をつかれると相手が驚くほどびっくりして大声をあげたり、大声や強い光も苦手だし、家族が病気になると自分も具合が悪くなる。なにより、人に言われた言葉を真に受けて傷ついてしまって何年も立ち直れない。

                人によってはカンが鋭く、スピリチュアル体験をすることもあるらしいのですが、まさかそれはないかな…と、過去を思いだしてみたら、以前、お付き合いしていた人の家にお邪魔した時、変な感じがしたので聞いてみると別の女の人を部屋に上げていた、と告白されたことがあったので、スピリチュアル体験も無いことはないかな。と思います。

                もともと、この本を読むきっかけは、ある人にひどく傷つく言葉を投げかけられ、その後、どうもその人が発達障害らしいと聞き、そうした障害について調べていくうちに「敏感すぎる人(HSP)」の存在を知りました。

                そうか、私の方にも原因があったのか。だからずっと、苦しかったんだな。そうはいっても、鈍感な部分も兼ね備えているため、敏感すぎるからといって空気を読めないんだよな、と思ったら「敏感すぎる人(HSP)」の中にもいろいろなタイプがいるので、これがまたややこしい。


                自分の気質がわかったことで、楽になれた。


                今まで悩んでいた自分の気質に名前があり、原因と対処法がはっきりわかったのは、目の前の霧が晴れていく感じでした。自分の性質を踏まえた上で世の中と折り合いをつけていけるかもしれない、そんな希望がもてました。

                また、この本には、そんな敏感すぎる人間が生きづらい世の中を、できるだけ楽にいきられるよう、様々な処方箋が用意されています。

                なにより、今まで悩んでいたことに名前がついたことで、その原因と対処法がわかったのは嬉しかった。これからも余計なことで落ち込んだり、人の強い言葉にビクビクしたら、この本を読見直して、ちょっとでもラクになろうと思います。

                しんどいときは「逃げるは恥だが役に立つ」ですね。

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                『目の見えない人は、世界をどう見ているのか』 伊藤 亜紗

                2016.05.25 Wednesday

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                  目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)
                  』 は、作者が視覚障害者へのインタビュー・調査を行い、美術・学術的な視点から、目の見えない人の見ている世界を探っていく本です。

                  そこには「かわいそう」、「見えないから、他の感覚が超人的に優れていそう」といった、見える人が考えがちの視覚障害者の印象を覆す、「目からうろこ」の発見がありました。


                  目の見えない人とは


                  目の見えない人とは、目の見える人と異なる「視点」を持つ人々のことなのかもしれません。この本で興味深かったのは「見える人」と「見えない人」との違いは、四本足の椅子と、三本足の椅子の違いで表されていたことでした。

                  四本足の一本をとった、不安定な形ではなく、三本でバランスをとっている形であると。

                  たしかに、目が見えないことで不便は生じるでしょうが、でもその中でも、彼らはバランスをきちんととっているのですね。





                  視覚がないから、死角もない


                  目の見えない人が対象を認識するには、模型が使われます。そのため、立体的な感覚が身についているのだそうです。坂道を上がることで、地形全体を認識したり、ウラとオモテがなく、すべてを平等に知覚することができる。

                  逆に、目が見えるからこそ、脳の中で喜捨選択が行われ、無意識に「見ないもの」、つまり死角ができてしまう。
                  京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を思い出しました。登場人物の中は「そこに見えるのに、無意識に視界から消して、なかったことにしてしまう。」という現象を体験します。これも、見えるからこその不便なのかもしれません。

                  文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
                  京極 夏彦 講談社 売り上げランキング: 91,645



                  目の見えない人のための美術館賞・ソーシャルビュー


                  これもまた、興味深い内容でした。

                  視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」では、見える人と見えない人で美術館に行き、見える人は、その絵の内容や、感じたことを言葉にする。見える人は、その言葉から、絵画を自分の中で組み立てて「鑑賞」する。

                  また、見える人も、説明をするとなると、いつもより丁寧にみるせいか、湖だとおもっていたものが、草原だったりと、新たな発見をします。

                  ああ、こういうのもありなんだな、と。単純に感動しました。新しいものの見方を教わった気がします。ソーシャルビュー、ぜひとも参加してみたい。



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                  ずるい考え方、ビジネス編。「ムダが多い人ほど、よく伸びる」 木村尚義

                  2015.03.15 Sunday

                  0
                    「ずるい考え方」やラテラル・シンキング関連の著者、木村尚義さんが、ビジネスで応用のきく、ラテラル・シンキングの仕事術を紹介。

                    「ムダ」とは何か


                    一見、ムダだと思われるもののなかにも、ビジネスのヒントが散らばっています。ラテラル・シンキングのポイント、「常識を疑う」「抽象化する」「偶然を無視しない」を使って、仕事の周りのムダを見直してみます。

                    今まで、ムダだと思っていたことのなかに、意外なヒントが隠されているのかも。



                    「ムダ」を仕事にいかすには


                    雑用やクレーム、仕事のなかでも、ムダで面倒に見える作業も、「抽象化」することで、自分の成長やビジネスのマーケティングに繋がった事例を紹介しています。

                    ・クレーム対応でマーケティングと企業の信頼アップに
                    ・雑用は、仕事の内容を学べる最高の授業

                    時間のムダの使い方


                    「時間のムダ」一見、時間のムダだと思われるものにも、アイデアのヒントが隠れています。

                    きりのいいところまでは、かえって効率が悪くなる。
                    これ、私も経験あります。昼休みがフレックスなので、つい、きりのいいところまで仕事をしてしまうと、かえって午後の効率が上がらない。

                    それよりも、午前の仕事を少し残しておくと、残りを片付けている間に、仕事のリズムがでてきたりします。

                    人脈作りはムダをいかす。



                    ・最初から偉い人より、これからの人との人脈をつなぐ
                    ・相手が苦しい時にこそ、助ける

                    最初から、自分に都合よく働いてくれる人脈なんて、できるわけがない。人脈には、Win-Looseが必要。
                    最初はこちらが、相手の役にたつ人間になる必要があり、そのための損は、ムダだけれども将来的にな得につながる。損して得とれ、ですね。

                    けれど、いつまでたってもtakeばかりを求めてくる人がいたら、そういう人とは、縁を切るべきかもしれません。


                    ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
                    木村 尚義 あさ出版 売り上げランキング: 29,622

                    JUGEMテーマ:オススメの本


                    ラテラルシンキング関連


                    「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」
                    「ずるい思考術」練習帳

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                    ラテラルシンキングの問題集 「『ずるい思考術』 練習帳」 木村 尚義

                    2013.05.15 Wednesday

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                      生きていると日々いろいろな問題が起こります。仕事や生活、人間関係など問題はさまざまですが、それらは視点を変えることで解決できるのです。

                      日々の諸問題を解決するヒントを与えてくれるのが『「ずるい思考術」練習帳 (ShoPro Books)』です。

                      「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」がラテラルシンキングの参考書だとしたら、こちらは問題集。ラテラルシンキングは、目的を達成するため、あらゆる枠を排除し、最短で答えを導き出す思考法です。

                      Q1.
                      80席しか埋まらない100人乗りの飛行機を満員にする方法は?
                      (答えは下です)

                      「ずるい考え方」を鍛える


                      ずるい考え方、ラテラルシンキングは、「この手があったか!」「こう考えればよかったのか!」と思える、今までの常識を思考からはずすことで、新しいアイデアを導き出す思考術です。

                      ちょっと「頭の体操」のように、トンチのきいた問題もありますが、ラテラルシンキングでは、あらゆる可能性を否定せず考えて見ることが重要なんだそうです。

                      ラテラルシンキングの発想法3つのポイント


                      ・疑ってみる、概念をはずす
                      常識を一旦思考から外し、物事の性質や状況に目を向ける

                      ・抽象化してみる
                      物事の本来の目的や用途に戻って考える→本質が見える

                      ・偶然を利用する
                      「偶然」におこった出来事を無視せずに考え方を広げる

                      ラテラルとロジカル


                      ラテラルの方がインパクトが大きく、派手なので、ラテラルシンキングさえ身につければ、論理的なロジカルシンキングが必要ないんじゃない?と思いますが、「目的のための手段がラテラル」「目標のための手段がロジカル」なのだそうで、どちらか一つが欠けても、問題解決にはならないそうです。

                      問題を解くことでラテラル思考を身につけ、不利な状況の突破口を開くことができても、ラテラルシンキングだけでは万能ではない。だから、ラテラルで発想し、ロジカルで完成させることが重要なのだと。

                      この本を読み終わってしまったらどうすればいいか?その答えもこの本に書かれています。



                      ラテラルシンキングの事例と考え方の基本。こちらもおすすめです。
                      「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」



                      ラテラルシンキング問題の応え
                      Q1.
                      80席しか埋まらない100人乗りの飛行機を満員にする方法は?

                      残りの20席を取り外して、定員を80名にする。
                      トンチのような答えですが、定員を減らすことで座席に余裕ができ、ホスピタリティが向上し、結果的には人気がでて売上にもつながるのだそうです。

                      席を減らすというマイナスを、ホスピタリティの充実というプラスに変えた発想、かっこいいです。
                      ピンチの中にチャンスは隠れているのですね。

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