[映画]ラストエンペラー

2017.08.03 Thursday

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    巨匠ベルナルド・ベルトルッチが、中国最後の皇帝・溥儀の一生を描いた「ラストエンペラー」鑑賞。いままでショートバージョンはテレビなどで見たことがあったのですが、長いオリジナル版は初めて。

    2時間以上でも長さが全く気にならない。映像が美しいし、ジョン・ローンの演技が素晴らしくてあっという間でした。

    ラストエンペラー あらすじ


    わずか3歳で親元から離され、清王朝皇帝として即位した愛新覚羅溥儀。孤独な少年の周りには宦官しかおらず、乳母に愛情を向けるものの、太后たちにより引き離されてしまう。

    やがて家庭教師としてイギリス人・レジナルド・ジョンストンがやってくる。彼は溥儀にさまざまなことを教え、師弟を超えた友人となるが、政変により紫禁城を追われ、ジョンストンとも別れることに。
    紫禁城をでた溥儀は日本軍の庇護をうけ天津へ移り、以前と変わらぬ生活を続けるが、二人の妻、文繍は溥儀のもとを去り、婉容は文繍のいないさみしさから、川島良子(王族・日本のスパイ)にアヘン漬けににされる。

    満州国の傀儡皇帝となり、やがて終戦。収容所に収容された溥儀は自らの過ちをひたすら告白させられる日々を送る…。

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    美しい映像、激動の中国


    とにかく、映像がすばらしい。少し前のデジタルではない味わいと、映像美。紫禁城時代、特に先帝の后たちのシーンは、モノクロに着色をしたような独特な色彩だし、紫禁城時代の壁の赤、溥儀の着る皇帝の黄色い衣装は、鮮やかな中にもアジアらしい独特の色合い。収容所時代は、色を押さえてモノクロに近い映像。

    溥儀の人生の場面に合わせ、映像の色も変化していきます。有名なラストシーンは、苦難と孤独にさいなまれた男の、穏やかな晩年を表しているような、やさしい色合いでした。

    ジョン・ローン、ジョアン・チェン、坂本龍一(音楽も担当)など、当時の有名な俳優、アーティストが集結しているほか、「アラビアのロレンス」の主演ピーター・オトゥール、日系人俳優、ケイリー=ヒロユキ・タガワなど、渋い実力派俳優もそろっています。

    アラビアのロレンスを演じた若き日のピーター・オトゥールはほんとうにかっこいい…

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    ジョン・ローンの演技がとにかくすばらしく、施政者としての力を示したい青年期から、逮捕され、苦難に満ちた壮年期は腰がまがって小さくなるものの、表情はおだやかで、やさしくなっていきます。ラストシーンは、本当に老人のようだった。

    溥儀も晩年は再婚した妻や弟夫婦と、穏やかにくらしていたのだそう。一国の皇帝から平民へ。激動の時代を生きた男の一生を見事に演じ切っていました。

    「ラストエンペラー」にも登場した溥儀の弟・溥傑。彼は日本の貴族令嬢・嵯峨浩と結婚。政略結婚だったものの、仲睦まじかったそうです。2人の姿は日本でも映像化されています。

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    [映画]イップ・マン序章

    2017.04.20 Thursday

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      ドニー・イェンの「イップ・マン序章」を鑑賞。同じくイップ・マンを扱ったウォン・カーウァイの「グランド・マスター」とはまた違い、こちらは正統派のアクションムービーでした。

      あらすじ


      イップ・マンは、武術の盛んな佛心でも一目置かれる詠春拳の達人。義にあつく、町の信頼をあつめていた。そんな彼のもとには試合を挑んでくる人間が後を絶たない。
      友人や町の人を助け、豊かな生活を営んでいたが、やがて日本軍が侵攻、家を追われ、極貧生活に落ちるイップ・マンの前に、日本人将校・三浦が中国人武術家を集め試合を挑んでくるが…。


      敵役の日本


      イップ・マンと日本軍の将校との戦いはもちろん史実ではないんだけども、フォ・ユァンジアも「SPIRIT」で日本の武道家と戦っていて(その後の話が「ドラゴン怒りの鉄拳」)、どうも中国の武闘家を語るには日本は敵役らしい。史実では家を日本軍に接収されたのは事実で、その後イップ・マンは日本人の弟子はとらなかったとか。

      ブルース・リー大好き!という日本人は多いけれども、その師匠は日本と確執があったことは知っておくべきではないかなと思う。

      ひと昔前は、それこそ奪う犯す殺すの鬼畜っぷりが目立った敵役日本人ですが、「イップ・マン序章」はわりと忠実に作られていたし、悪徳将校サトウは、そのキレッキレの鬼子ぶりがかえって面白い。三浦も強引ではあるものの、武術家としてイップ・マンに敬意を払う姿が描かれていて、そうした一定の理解が映画の中で進んでいるのはありがたいことです。

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      トンデモ日本


      こうした海外の映画の中の日本には時々ありえないトンデモ映像があるのですが、この作品はトンデモ度は低く、ていねいに作られています。あえてあげるなら、畳が畳でなかったことと、三浦が「神聖な戦いの場」である畳に長靴で踏み入ったことくらいかな。

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      グランド・マスターとの違い。


      同じ人物を描いているのに、つくり手によってこうも違うのか。正統派アクションと、イップ・マンの人生の誇りにスポットをあてたイップ・マンシリーズと、美しい映像によって、武術家の悲哀を描いた「グランド・マスター」。両方見ると、よりイップ・マンという人物像がわかるかもしれません。

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      [映画]ブエノスアイレス

      2016.06.16 Thursday

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        ゲイカップルの話だったため、公開された当初、まだ小娘の私は、映画館でみる勇気がなかった、ウォン・カーウァイ作品『ブエノスアイレス』。

        今になってようやく鑑賞。やっぱりみてよかった。おばちゃんになり、人生の経験値も少しは上がったのか、男同士のラブシーンも抵抗はなかった。

        2人のラブシーンは、とても自然で、愛しあうのに性別なんぞ関係ないのだ。うん。

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        ブエノスアイレス あらすじ


        香港から南米ブエノスアイレスにやってきた、ファイとウィン。
        イグアスの滝を見に行くが、道に迷い、そのままケンカ別れしてしまう。旅費のため、働きだすファイのもとにウィンが転がり込んでくるが、フェイは彼のわがままに振り回される。それでも、ウィンと離れたくないファイは、彼のパスポートを隠してしまう。

        ある日、ファイが働く中華料理店に、台湾から来た旅人のチャンがやってくる。ファイは彼にひかれるものの、やがて彼は旅立つ。

        この映画、実はレスリー・チャンが帰国してしまい、残りのシーンをつなげるため、当時若手のチャン・チェンを起用したのだそう。そのへんの事情は、メイキング映像「ブエノスアイレス 摂氏零度 [DVD]」に詳しい。

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        感想(0件)




        若かりし日のチャン・チェンは、今の匂い立つような色気の変わりに、若者らしい純粋さが画面に溢れていました。
        やはり、すてきな俳優は、最初からすてきなのだ。

        モノクローム、カラーが入り混じるクリストファードイルの美しい映像と、アルゼンチンタンゴの物悲しい旋律が、2人の愛と葛藤を独特の映像で映し出す。

        もう、シーンひとつひとつが美しくて、切り取って飾っておきたいくらい。いい映画を見ました。



        アカデミー賞を受賞した映画「ムーンライト」は「ブエノスアイレス」のオマージュなのだそうだ。

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        [映画]猟奇的な彼女

        2016.06.07 Tuesday

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          韓国映画「猟奇的な彼女」を鑑賞。この映画が発端となって「○○な彼女」って映画がたくさんつくられましたっけ。2001年の作品なのか。ずいぶん時間が経ったけれど、ぜんぜん色あせない物語でした。

          猟奇的な彼女 あらすじ


          兵役を終え、ぐうたらな大学生活に戻ったキョヌは、ある日電車の中で泥酔した彼女と出会う。可愛らしい姿とはうらはらに「ぶっ殺されたい?」が口癖の彼女は、無理難題を押し付けるし、気に入らないとキョムを殴る最凶の彼女だった。


          韓国恋愛事情


          やはり儒教のお国柄なので、男女交際に関しては日本より厳しいようですね。結婚前の男女が気軽にホテルに入るってわけにはいかないようです。それに目上の人をたてるという風習があり、男尊女卑なところも残る韓国で、年下の彼女の方がタメ口で主導権を握っているのが「普通じゃない」のかも。

          それにしても、キョムくんが彼女に尽くすことといったら。「出会って100日めにバラを届けること。(それも女子大に)」、ハイキングに行けば「あっちの山に登ってきて(やまびこが届くかどうか)」と、やりたい放題の彼女の裏にある寂しさを少しでも和らげようとしているんですね。カッコイイです。(顔は岡崎体育似だけれど)


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          古き良き、少し前の中国 [映画]山の郵便配達

          2016.02.09 Tuesday

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            いやー、いい映画でした。『山の郵便配達』は、険しい山道を歩いて手紙を運ぶ老郵便局員と後を継いだ息子のロードムービーです。

            山の郵便配達 あらすじ


            80年代初頭、湖南省西部の山岳地帯。険しい山道を歩いて郵便物を届ける老郵便局員が、足の怪我で引退することになる。彼の跡を継ぎ、息子とともに最後の配達に向かう。

            息子は、ほとんど家にいない父親に対して素直になれず、跡を継いだのも若者らしい野心からだった。けれど、父親とともに父親がどんな思いで手紙を運び、家族のことも大事に思っていたのかを知る。

            孫の帰りを待つ盲目の老婆に、書かれない手紙を朗読したり、少数民族の美しい娘と出会ったり、様々な体験を通して、息子は父と、その仕事への思いを新たにする…。

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            父と息子のロードムービー


            ひたすら実直に真面目に、と説く父を、少しうっとおしく思いながらも、無口な父が旅の合間にぽつりぽつりと、手紙を届ける人々のことや、家族のことを語る時、息子は父を尊敬し、父は成長した息子を頼もしく思います。

            トン族の村の結婚式で、村の娘と息子が踊るシーンで、父親は自分の妻との出会いを思い出す。ここはもう、観ていて涙が出ます。

            足の悪い父親をおぶって川を渡る息子に、思わずあふれた涙を隠そうとする父親。お互いの思いが表情だけで伝わって、こちらもまた、もらい泣き…(;ω;` )

            ところで、この映画にはもう一人(一匹)、重要な役割を担うのが愛犬「次男坊」です。父の相棒だったため、息子についていこうとしなかったり、いろんなところで二人を助けます。

            息子だけ行こうとする時「え?お父さんいかないの?Σ(´゚д゚`)」って顔をするんですよ。これがまた、かわいくて。この映画にはなくてはならない、いいムードメーカーでした。


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            美しい風景、残酷な悲劇。[映画]悲情城市

            2016.01.28 Thursday

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              侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の『悲情城市』を鑑賞。戦後、日本の支配下から脱した台湾で起こった粛清(2.28事件)をテーマに、時代に翻弄される家族の物語。

              悲情城市 あらすじ


              終戦の年、1945年。台北の顔役である、林家では、長男の文雄が事業を発展させ、次男は戦死、四男・文清は幼いころの怪我が元で耳が聞こえず、基隆の郊外・九份で写真館を営んでいる。

              戦後、徴兵された三男・文良が戻ってくるが、戦争の影響から神経を病み、退院後も大陸のヤクザと揉め事を起こすようになる。

              文清は看護婦として赴任してきた親友・寛榮の妹、寛美と出会う。筆談を通じて寛美と心を通わせる文清。やがて、国民党の圧政に耐えかねた人々が外省人(大陸からの移住者)を攻撃する暴動が起きる。政府に抵抗する仲間とともに、やがて文清も逮捕され、粛清の嵐の中へ巻き込まれていく…。

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              二二八事件について


              長い間、台湾でもタブーとされてきた事件。太平洋戦争後、台湾は日本の支配から開放されましたが、今度は共産党との戦いに敗れた国民党が台湾を支配するようになります。物価の上昇や外省人からの差別などが生じ、台湾人の不満が爆発します。

              政府への抗議・反抗を行ったのは知識人が多く、政府は彼らを片っ端から殺していったそうです。『KANO 1931海の向こうの甲子園』の舞台となった嘉義では、KANOメンバーがパレードをした駅前広場で、文化人たちが処刑されたそうです。

              …なんだか、大陸でも同じようなことが起こりましたね。

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              美しい風景、残酷な悲劇


              侯孝賢(ホウ・シャオシェン)は、そんな悲劇的な出来事を、できるだけ淡々と、美しい自然と人々の暮らしの中に織り交ぜていきます。三時間弱の長い映画ですが、いつの間にか映画の世界に入り込んでしまって、あまり長く感じませんでした。

              若き日のトニー・レオンが青年らしい生き生きとした表情が魅力的ですし、後半では苦悩を抱えた姿が切なかったです。『戯夢人生』でその半生を描かれた人形芝居の名手・李天禄が一家の長老として出演していて、映像に深みを与えています。

              とても美しく、とても悲しい映画でした。





              台湾映画感想


              「KANO 1931海の向こうの甲子園」→
              「藍色夏恋」→
              「百点恋歌」→
              「台北カフェ・ストーリー」→
              「台北に舞う雪」→
              「海角七号 君想う、国境の南」→
              「LOVE GO GO 愛情来了」→
              「トロッコ」→

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              現代のデジタル技術でなんとか…! [映画]ブルース・リー死亡遊戯

              2015.07.02 Thursday

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                ブルース・リーの死後、撮影されていたアクションシーンをもとに、ストーリーをつくり、そっくりさんやスタントマンを使って撮影した「ブルース・リー死亡遊戯」を鑑賞。

                ブルース・リーのアクションシーンは素晴らしいんだけど、いかんせん、デジタル技術のない時代なので、ブルース・リーの顔写真を貼り付けたり、代役の顔が映っちゃったりと、粗さが目立つけれど、それはそれで、今見ると面白い、かなあ…?

                死亡遊戯 あらすじ


                人気アクション俳優、ビリー・ローは恋人の歌手アンとともに、闇の組織から契約を迫られる。何度も撃退するビリーだったが、組織は撮影中の発砲事故に見せかけてビリーを殺そうとする。九死に一生を得たビリーは、顔を変え、組織に復讐を誓う…

                塔を登るりながら、各階の敵と戦う


                塔を登るりながら、各階の敵と戦うアイデアは「死亡遊戯」が最初だったのですね。その後、あらゆる格闘映画や漫画、ドラマなどに影響を与え、応用されてきました。格闘家の敵達も個性豊かで戦い方もそれぞれ違って面白かった。

                現代のデジタル技術で、なんとかならないものか…


                ストーリーでは、襲われて顔が傷つく→整形して違う顔にって設定なのに、代役の顔とブルースの顔が、整形後もごっちゃになっていてわかりづらかった…(;´・ω・)

                デジタル技術が発達した現代なら、顔ハメレベルの撮影も、代役の顔が映っちゃうのも、うまく編集できるんじゃないかしら?ぜひとも、作りなおしてほしい。


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                [映画]少林寺

                2015.04.07 Tuesday

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                  ジェット・リーのデビュー作「少林寺」を鑑賞。カンフー実力者によるアクションシーンは圧巻、そして、あどけなさの残る若かりし頃リー・リンチェイがかわいい。

                  少林寺あらすじ


                  隋王朝末期、将軍・王世充が圧政をふるっていた時代、父親を将軍に殺された小虎は、瀕死の状態で少林寺の僧たちに助けられる。将軍への復讐のため、小虎は僧見習い・覚遠として少林寺で修行をすることになる。

                  けれど、修行の単調さに寺を抜けだした覚遠は、タン師匠の娘・パイが将軍にさらわれたのを助け、将軍に敵対する李世民と出会う。

                  李世民を助けたことで、少林寺は王世充に攻撃され、覚遠とタン師匠、仲間たちは13人で少林寺を守るため立ち上がる…。

                  リー・リンチェイのデビュー作


                  今ではアクションからコメディ、文芸作品にまで幅広く活躍するジェット・リー。彼がまだ、リー・リンチェイと名乗っていた頃のデビュー作が少林寺なのです。役者としては新人ですが、この頃リー・リンチェイは中国の武術大会に5回も優勝していて、そのアクションは圧巻。

                  アクションだけではなく、映画が進むに連れ、あどけない表情から、僧となり戦うことで、キリッとした感じに表情が変化していくんです。ストーリー順に撮影されたわけではないのでしょうが…。


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                  台湾の甲子園代表を知っていますか?[映画]KANO 1931海の向こうの甲子園

                  2015.01.27 Tuesday

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                    観てよかったと思える映画は多い、でも観て欲しいと言いたい映画は「KANO」。


                    KANO 1931海の向こうの甲子園』は1931年(昭和6年)台湾代表として甲子園に出場した嘉義農林学校(KONO)の生徒たちの成長と、民族の垣根を超えて彼らを導いた近藤監督との絆を描いた映画です。

                    KANO 1931海の向こうの甲子園』では、日本人があまり知らない、台湾と日本の歴史が描かれています。東日本大震災で驚異的とも言える多額の寄付が集まったのには、近年の親日ブームだけではなく、こうした古くからの絆のせいではないかと映画を見た後はそう思うです。

                    また、歴史的側面だけではなく、弱小チームが甲子園決勝まで到達するという、スポ根の王道ともいうべき展開(それも実話)がワクワクさせてくれるのです。3時間強と長い映画ではありますが、でも、いろいろな人に見て欲しい映画です。

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                    台湾と日本の蜜月


                    台湾歴史三部作の「海角七号 君想う、国境の南」が別れと再会、「セデック・バレ」が対立なら、3部作のラスト『KANO 1931海の向こうの甲子園』は蜜月だと思う。台湾と日本が絆で結ばれていた、本当の意味で一つの国だったころの。

                    映画の中では台湾人も先住民族も日本人も、みな同じようにグラウンドで汗を流し、嘉義の人々もまたそんな彼らを一丸となって応援していきます。

                    また、映画の中に登場し、生徒たちに激励を送る八田與一氏は、台湾のインフラ整備を行い、烏山頭ダムや灌漑設備を整備して、現地の人々から慕われた方でした。

                    嘉農(KONO)が台湾大会に優勝したその時、ダムの放水が始まり、水路に水が満たされます。干ばつが回避され、台湾代表が甲子園で活躍する。それはさまざまな対立や差別もあったけれど、みんながひとつになった短い幸せな時間だったのと思います。

                    小学館版学習まんが 八田與一

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                    1931年の甲子園決勝戦を目撃する


                    映画の後半、甲子園出場から決勝戦までが丹念に描かれます。忠実に再現された当時の甲子園球場で、決勝戦を戦う嘉農(KONO)の選手ですが、エースの呉は連投によって指を負傷。血だらけの指で投げつつける姿に、チームメイトたちは「俺達がアウトにするからお前は投げろ」と励まします。

                    その頃はまだ、テーピングとか絆創膏とかないんですよ、だから怪我のまま、投げ続けるしかない(;ω;` )
                    そんな嘉農(KONO)の選手たちの奮闘に、甲子園全体が彼らを応援します。最初は差別的な発言をしていた新聞記者まで「僕はすっかり嘉農(KONO)びいきとなった。」とまで言わしめます。

                    私も途中からすっかり、1931年の甲子園決勝を「本当に」観ているような気になり、「くっそう!中京商業めえ!(# ゚Д゚)」とか「誰か、呉くんにテーピングしてあげて!(;ω;` )」とか、かなりの嘉農(KONO)びいきっぷりでした。そして迎える最終回。

                    この辺りはもう、泣きながら見ていました。本当にいい試合でした。映画の最中ですが、彼らに拍手を送りたかったです。

                    映画「KANO」が結ぶ日台野球交流戦 〜嘉義大学vs.中京大学〜: 85年の時を経て、蘇る日本と台湾の縁 ワンコイン台湾小話




                    ほんとうの民族協和


                    「五族共和」という言葉があります。これは戦前、傀儡国家満州国が日本人や漢人、満州人などの協和を説いた嘘っぱちの言葉ですが、嘉農の野球チームには、民族の垣根を超えた本当の絆がありました。彼らはみな、同じ目的に向かって努力し、絆を深めていきました。

                    近藤監督は打撃力の台湾人、守備の日本人、俊足の先住民族、彼らの特性を見抜き、最強のチームを作り上げていきます。

                    協和とは、強制ではなく、信頼から生まれるものなのですよ、きっと。




                    KANO 1931海の向こうの甲子園

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                    「海角七号」「台湾カフェストーリー」に続き、中孝介がここでも楽曲披露。「海角七号」で主役のアガを演じたファン・イーチェンらと組んで主題歌を歌っています。

                    風になって~勇者的浪漫~

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                    台湾映画感想


                    「非情城市」→
                    「藍色夏恋」→
                    「百点恋歌」→
                    「台北カフェ・ストーリー」→
                    「台北に舞う雪」→
                    「海角七号 君想う、国境の南」→
                    「LOVE GO GO 愛情来了」→
                    「トロッコ」→


                    レビューポータル「MONO-PORTAL」

                    むせかえるような、美しい映像。「青いパパイヤの香り」

                    2014.12.03 Wednesday

                    0
                      ベトナム映画「青いパパイヤの香り」鑑賞。なんというかもう、映像の美しさにため息がもれます。

                      青いパパイヤの香り あらすじ


                      1950年代ベトナム。12歳の少女ムイは、布地屋で資産家の家へ奉公に来た。その家には放浪癖のある根無し草の父親、家業も家庭も切り盛りするやさしい女主人、孫娘を亡くし、2階の仏間に引きこもる姑と、3人の息子たちがいた。

                      ムイは先輩女中に家事を教わりながら、徐々に暮らしになれていき、長男の友人に淡い恋心を抱く。しかしある日、またしても父親が行方不明になり、一家の生活は苦しくなってしまう。

                      それから10年後、ムイは女中を雇う余裕のなくなった布地屋から暇を出され、若い作曲家の元へ働きにでることになり…

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                      むせかえるような、濃厚な風景。


                      まず、ベトナムの植物と風景に酔わされます。濃い緑の葉、吹き抜けで独特な作りのベトナムの家、そして庭のパパイヤの木からしたたる白く、濃厚な樹液…。

                      そのどれもがじわじわと、画面を通じて染みこんでくる。まるで、その暑さや臭いまで、伝わってくるようで、目が離せない。

                      映像と音楽だけで伝わる


                      「青いパパイヤの香り」では、登場人物が会話をするシーンはもちろんあるのですが、それ以上に、映像と音楽が登場人物たちの心情を際立たせます。前半、悲しみに満ちた音楽による女主人の悲哀、放浪癖のある旦那の奏でる月琴(に似た楽器)の、どこか空虚な音色、そして、映画全体に広がる虫の声。

                      後半、大人になったムイが働きにでる若い作曲家クェンの家には、西洋のピアノ曲が流れている。やがてムイの美しさに引かれたクェンと、婚約者の破局を大降りの雨とピアノの旋律だけで表現したのは素晴らしかった。




                      その中で、ムイにいじわるばかりする三男坊の登場シーンでドンドコドンドコ太鼓の音が聞こえてくるのがおかしかったwww

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                      香りと湿度さえも


                      12歳のムイが窓から顔をのぞかせた時の、少女ならではの美しさと可愛らしさにハッとさせられ、布地屋の次男ムイが、家庭の事情で鬱屈した感情をぶつけるためアリを押しつぶして殺すシーンに、絶対的な力の差の恐ろしさを感じました。

                      後半では、おとなになったムイが沐浴をするシーン、水を体にすべらせるように体を清めるムイの美しさはまさにむせかえるような芳香が香ってくるようでした。




                      おまけ


                      やっぱりベトナムの男性はヘタレだなあと。布地屋の放浪癖の旦那は、奥様が一生懸命稼いだ金えお持ちだして出奔するし、その息子も新しい女房の尻に敷かれているっぽい。クェンにしても、ムイに「手を付けた」ように関係が始まるし。そんな男たちを支えつつ働くベトナム女性は美しくて強い。

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