[映画]ZIPANG ジパング 林海象
2021.08.29 Sunday
林監督には珍しく時代劇を題材にしてますが、かなりぶっ飛んでる世界観なので時代劇のジャンルには入らないでしょう。DVD以前の作品のためこれまで見ることができませんでしたが、アマゾンプライムビデオで配信されていて久しぶりに鑑賞できました。
ZIPANG ジパング あらすじ
主人公・地獄極楽丸は数本の剣を自在に使い分ける豪快でドハデな大泥棒。地獄極楽丸をつけねらう鉄砲お百合は、鉄砲片手に啖呵を切る様が粋な女賞金稼ぎ。自分の首を狙う鉄砲お百合に惚れてしまう地獄極楽丸。
ある時お宝を探しに洞窟に押し入り、見事黄金の宝剣を手にするが、時の権力者・徳川家康との剣の争奪戦に巻き込まれ、鉄砲お百合が異世界へ連れ去られてしまう。剣に封印されていた古代人・「刺青の男」の話によれば、その剣は幻の黄金の国・ジパングへの鍵だったらしいのだが…
地獄極楽丸はお百合を取り戻すため、刺青の男はジパング国女王との数千年にわたる愛を貫くために、共にジパングへと向かう。
古き良きチャンバラ
前半、地獄極楽丸がいろいろな刀を使い分け、大勢の敵と大立ち回りを繰り広げます。地獄で丸が持つ刀の種類がおもしろくて、小刀の二刀流、槍が仕込んである刀は飛び出し式、柔らかな刀ではフェンシングの外国人とやり合います。
敵も鞍馬天狗に座頭市、丹下左膳に三銃士?(時代劇なのに外国人!)まで、時代劇のヒーロー(もどき)をバッタバッタと切り倒し、最後はチャンバラの聖地・流れ橋で橋の上でバッサバッサと切り込んでゆくシーンは圧巻。ケレン味たっぷりで、昔のチャンバラ映画への愛を感じます。
「どいつもこいつも、動くんじゃないよ!」など鉄砲お百合の啖呵も昔の侠客映画の女博徒のようで、それを若き日のかわいらしい安田成美さんが演じているのがとてもキュートです。
林海象監督は『夢みるように眠りたい』などでも、戦前の役者を起用して古い映画へのリスペクトを感じる作品をつくっていますが、この映画がつくられた30年前は昭和のチャンバラ映画黄金期を支えた「切られ役」の役者さんや撮影スタッフさんたちがまだご存命で参加されているため、より「古き良き映画」の香りがするのでしょう。
見た後スカッとするストーリー
全体としてはアクションとラブがうまくかみ合っていて、見た後スカッとするストーリーでした。
敵方の服部半蔵が、体中に次から次へとありえない秘密兵器を隠し持っているのは、後の「探偵事務所5」の七つ道具に通じるところがあるかも。
特に半蔵が体の中に刃物付きの骨を潜ませて、それを取り出すシーンはちょっとグロかった。
しかし、90年代初頭の作品ゆえ、特撮関係がややチープ感が否めないのが残念。ところどころ「B級」な部分もありました。だが今見ると逆にそれがいい。それでもアクションはかっこよく、忍者たちが枯れ葉の中から猛スピードで近づくシーンは圧巻でした。
今のCG技術で作り直したら、もっと面白くなると思うのでぜひリメイクしてほしい…。
主題歌はなんとX JAPAN(当時はX)の名バラード『ENDLESS RAIN』
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