2012.12.12 Wednesday

『闇の皇太子 未完の後継者』 金沢 有倖

舞台化された人気ライトノベル「闇の皇太子」の第二弾「闇の皇太子 未完の後継者 (ビーズログ文庫)」。前回の舞台ではこの1巻と2巻分のストーリーをお芝居用に脚本化されたので、舞台の場面との違いを楽しみながら読みました。(*´∀`*)

この世と対をなす闇の世界、主人公・天神后(こう)は、自分が闇世界の王の後継者であることを知らされ、異母兄弟の主神言(ことい)から命を狙われるものの、孤独な言は后の優しさに触れて后を慕うようになる。しかし「后を自分のものにするため」に再度命をねらわれるハメに。一方闇王の命令で后を守るためにやってきたのは安倍晴明と式神たち。后は言の孤独と事情を知り、自分が闇王になることで言を救おうとするのですが…。

2巻からが盛り上がりますね。后は闇王になるべく、潜在能力のコントロールするため晴明から訓練(と言う名のシゴキ)をうけることに。その間にも言は后を殺そうとします。これは皇位継承ではなく「ずっとそばに居て欲しいから、殺して蘇生させる」というぶっ飛んだ兄への愛なんですが…。そうでもしないと言は安心できないんですね。

壮絶なバトルの末、闇世界に飛ばされ、そこからまた別の場所へ。今度は言の母・葵の上に命を狙われるハメに。一方、晴明は言に、強い恨みを持っているらしく、それが新たな悲劇につながっていくのですが…。

后は無条件に相手の気持ちに寄り添って、自分にできる限りのことをしてあげようとする。だから言もなついたし、晴明のかたくなな心も溶かすことができたんですね。実はそれを見越して闇王は后を後継者に選んだのでしょう。
ラストの一連の悲劇とそれを打ち破る后の姿は、ほんとかっこいい。いいラストだったなあ。

しかし、ほんとは闇王がもっと自分のヨメ(葵の上)と子ども(言)をちゃんと教育できてれば后はこんな苦労しなくていいのでは…。


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『闇の皇太子 宿命の兄弟』→
舞台 『闇の皇太子』感想→



2012.11.08 Thursday

天然姫とツンデレ公爵の結婚生活 「死神姫の再婚」 小野上 明夜

闇の皇太子」舞台化の影響で、最近またライトノベルを読むようになりました。「死神姫の再婚 (ビーズログ文庫)」は、舞台化も決定した人気のライトノベルで、落ちぶれた名家の変わり者の娘・アリシアが結婚式の当日に夫を暗殺されるところから始まります。それ以降「死神姫」と噂され、貧乏生活を送るアリシアにカシュヴァーン・ライセン強公爵という新興貴族から再婚話がもちあがります。しかし相手は「アズベルグの暴君」と呼ばれる噂される人物。けれども、お金とホラー小説が大好きで、ド天然アリシアは、自称愛人のメイド・ノーラの嫌がらせにもまったく気がつかず、暴君と呼ばれる夫にも自然体(天然)で接していきます。

そんなアリシアの一風変わった性格をカシュヴァーンは気に入り、徐々に心をひらいていきます。しかし、敵の多いカシュヴァーンは様々な敵に狙われ…。

「死神姫の再婚」を読んでいて、面白かったなあとおもったのがこの2点です。
・文章にセリフが少なく、文章での状況描写がわかりやすい。
・振り切ったキャラ設定と、世界観にオリジナリティがある。

すごく上から目線の感想ですが、ライトノベルの中には、美形キャラと設定だけで強引に話を進めたり、文章や伏線のが下手くそで、どんな状況が書かれているか本当にわからない、って本がたまにあるんですよ。設定も現実の地名をちょっと字を変えただけだったり。作家本人は意図があるかもしれませんが、読んでる方には(文章下手)で伝わってこないんですよ…。

そんなライトノベルを体験しているので、どうしても評価が慎重になりがちですが、「死神姫の再婚」はキャラクターは、よくある感じではありますが、主人公のアリシアはある意味ぶっ飛んでいて魅力的だし、舞台のシルディーン王国の現状や貴族の生活、風習、それと宗教「翼の祈り」(これが今後の物語の鍵になりそう)などの設定が独特で、今後読むのが楽しみなシリーズです。


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2012.09.20 Thursday

「闇の皇太子 宿命の兄弟」 金沢 有倖

舞台化される「闇の皇太子」、その予習も兼ねて久々のライトノベル「闇の皇太子 宿命の兄弟 (ビーズログ文庫)」を読みました。

ライトノベルは、以前、文章が下手なものに出会ってしまったため、しばらく敬遠していたのですが、久々に読んだ「闇の皇太子」は、単純に面白かったです。美形キャラが多すぎたり、セリフが多すぎる傾向はありますが、作者がきちんと取材をおこなって情景を描写しているのが伝わるし、設定も漫画っぽくて面白い。
(設定は「崑崙の珠」と「BUD BOY」を合わせた感じ)

「闇の皇太子 宿命の兄弟」は、いわば導入編で、普通の高校生だった天神后(こう)が実はこの世(オモテ)と対をなす「闇の世界」の皇位継承者であることが発覚し、異母弟である主神言(ことい)から命を狙われるものの、愛情を与えられずに育った言は、后のまっすぐな優しさに屈折した愛情をいだくように…。

后を守るため、闇世界から安倍晴明(この安倍晴明は「鬼灯の冷徹」の鬼灯さんを思い起こさせるドSっぷりを発揮)とその式神たちが召喚され、皇位争いに発展するが、言(ことい)の事情を知った后は言(ことい)を守るために「闇皇」の後継者になる決心をする。かくして、闇の皇太子の皇位争いと、后の能力開発への道が始まった…。


いろいろと謎が残る展開ですし、話自体も面白いので、シリーズを読み進めたくなりました。


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2011.10.08 Saturday

「藍玉の花嫁」 森崎 朝香

久々にライトノベル、中華花嫁シリーズ「藍玉の花嫁」を読みました。
森崎朝香さんの中華花嫁シリーズは「雄飛の花嫁」から始まり、登場人物や国は変わるものの、世界観は同じく中国系の架空の国々の設定で、キャラたちは他の作品に登場することもあります。

中でも人気の高いのが第一作「雄飛の花嫁」に登場する閃国の国王・巴飛鷹と珠枝夫妻です。
「藍玉の花嫁」は、閃王夫妻が登場するというので、久しぶりにこのシリーズを読んでみたのですが、なかなか面白かったです。

藍玉の花嫁 あらすじ


済の公主・紅鈴は父王の愛情を注がれ、贅沢三昧の暮らしをしていたが、その一方で国は疲弊し、閃国に攻めこまれ、父王は命を落とす。「戦利品」として閃国へ移された紅鈴は、閃国の攻撃は国の将来を危ぶんだ宰相たちが、閃国と内通していたせいだと知り、復讐を誓う。紅鈴はまず、自分の美貌を武器に後宮いりを図り、仇を打とうとしたが、巴飛鷹からは「色仕掛けは無理だ」と言われる…。

紅鈴の色仕掛け攻勢に辟易した巴飛鷹は、紅鈴に乗馬をすすめ、息子・祥麟と護衛の藍をつける。
紅鈴は藍に淡い思いを抱くものの、藍からはてひどい言葉で言い込められてしまう。


わがまま姫の挫折と成長


「藍玉の花嫁」とありますが、結局紅鈴は嫁がずに終わり、恋愛要素というよりは、わがまま姫の挫折と成長といった感じの物語です。ま、基本ずっとわがままなんですが、最後に少し成長したかな。

閃王の正妃・珠枝は「雄飛の花嫁」のヒロインで、彼女もまた、若い頃は世間知らずで無鉄砲でした。(紅鈴よりも数段、頭がよく冷静でしたが…)父王への思いと、父の暗君という評価に苛まれる紅鈴をやさしく見守り、道を示してくれます。

「雄飛の花嫁」では、なかなか巴飛鷹との思いが通じ合わず、読んでる方をやきもきさせたものですが、苦難を乗り越え、結ばれた夫婦の絆は固く、子供たちに囲まれて幸せそうな閃王夫妻をみることができたのは、
読者としてもうれしかったです(^^)。「藍玉の花嫁」は、今回でシリーズを締めくくる森崎さんが贈ってくれた「雄飛の花嫁」のアンサーストーリーかもしれません。

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「中華花嫁シリーズ」第一弾「雄飛の花嫁」。
愛する兄のために閃国へ嫁いだ珠枝と、彼女を愛し、見守る閃王・巴飛鷹。様々な試練を乗り越えてふたりの気持ちが通い合う場面は読んでいてうれしくなります。
雄飛の花嫁 涙珠流転 (講談社X文庫 ホワイトハート)
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「雄飛の花嫁」→
「鳳挙の花嫁」→
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2007.04.09 Monday

彩雲国物語 「青嵐にゆれる月草」 雪乃 紗衣

【物語雑感】
・藍家から劉輝の嫁にと十三姫が送られることになり、あせる劉輝。
・十三姫暗殺の情報をつかんだ御史台は、秀麗に十三姫の替え玉を命じる。だか十三姫はふつうのお嬢さんではなく、かなり破天荒で武道の達人。
・その他、宮廷ではいろいろ陰謀がうずまき、どうやら秀麗も暗殺の対象になっているらしい…
・藍家ともゆかりの人物が暗殺に関わっているらしい。

御史台も秀麗ペースになりそうな…
前回、見事なまでの策略っぷりを魅せつけてくれた清雅君ですが、今回は秀麗が成長した事もあり、経験の差こそあれ、口げんかはふたりともほぼ互角という感じ。
私としてはもう少し清雅君のいじめっ子レベルを高くしてほしかった。口げんかする時点でもう同じ土俵に立っているということだからね。


・今回は劉輝のだめっぷりが…
前回は秀麗の「甘さ」やだめっぷりが目立ったけれど、今回は劉輝。「一夫一婦制」なんて言い出すから、結局藍家から十三姫を贈られる事になってしまう。
もっといい案考えているかと思ったのに、秀麗が絡むと、このひとはちょっと間抜けというか…でもそこがいいんですが♪


・十三姫暗殺にまつわるいくつかの謎
茶州から帰ってきてから謎だらけの展開がずっと続いていて
かなりもやっと感が続く。
この段階でもうちょっと謎をといてくれないと、最後に全て説明されてもわかるかどうか…

・・珠翠は何故凶手に加わったのか(洗脳されたのはわかったけど、暗殺集団にどうして加入したかが謎)
・・迅は何故黒狼の正体を知らなかったのか
・・迅の雇い主と瑠花は別人物?
・・何故秀麗は暗殺の対象なのか
・・すりむいただけで大量の出血、秀麗の体は一体…?


4044499136彩雲国物語―青嵐にゆれる月草雪乃 紗衣 角川書店 2007-03by G-Tools

2006.05.11 Thursday

「鳳挙の花嫁」 森崎 朝香

雄飛の花嫁」、「翔佯の花嫁」の続編。閃国王・巴飛鷹の孫、飛鳳と綏の舞姫の物語。
三作目ともなると「中華花嫁シリーズ」の世界観もキャラクター馴染みがでてきて、年月が経つとともに「あの人物がこんなに歳をとって…」とか「あの人物とこの人物がつながっているのか〜」ななど感慨深い。

【ストーリー】
綏の後宮に仕える舞姫・朱桃は国王から閃国の公子・巴翔鳳の器を女の目から見極めて欲しいと命令を受ける。
正妃・仙華に甘やかされて育った綏の公子はわがままに育ち、とても各国の侵略を防げるだけの器を持たない。
それならばいっそ、同盟国であり、国王の妹が嫁いだ閃国に国を託そうと思う…
国王の苦渋の選択を聞き、戸惑いながらも閃国への旅に出る朱桃。
閃国へ同行する隊商の中に、「鷲のような目」をもつ青年がいた。
彼こそが閃国の公子・飛翔だった…

ストーリー的にも、時代的にもちょうど前の2作の中間に位置する話。公子という身分をもてあます翔鳳と、舞を舞う事だけが自分の全てだった朱桃。翔鳳に勝つ事だけが全てだった従兄弟・稜加。
この3人の行動の結果が後の「翔佯の花嫁」悲しい結末につながっていくと思うとなんだか切ない。
もっと他に選択肢はなかったのか…
どうもこの3人、極端な行動に走りがち。
1作目では巴飛鷹が大人だったので珠枝の暴走(?)をある程度抑えられたけれど、この作品では(「翔佯の花嫁」もそうか…)みんな暴走してしまったからねえ。
せめて、次の作品ではハッピーエンドにしてもらいたいものです。

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今回、特別出演として 「雄飛の花嫁」の主役、珠枝と巴飛鷹の幸せなシーンがちょこっとでてくるのはうれしかった。




↓「中華花嫁シリーズ」次回作だそうですよ。
私の好きな初代閃王夫妻も出てくるらしいので読まねば。

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「雄飛の花嫁」→
「藍玉の花嫁」→
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2005.09.10 Saturday

「雄飛の花嫁 涙珠流転」 森崎朝香

架空の国を舞台にした中華ファンタジー。
「国のために異国へ嫁ぐ姫」という、よくある話ですが、キャラクターが魅力的だし(特に閃王・巴飛鷹)、珠枝と閃王が様々な問題をクリアしながら徐々に心を通わせていくところが、読んでいて微笑ましく、トキメキます。(←いい年して乙女なコメント。。)

うまく「よくある話」を再構成し、新たな魅力を与えた作品かも。森崎さんの今後に期待。

雄飛の花嫁 あらすじ


公主珠枝は母親の身分が低く、前王である父が亡くなると王太后から疎んじられ、寂しい日々を送っていた。そんな彼女の心の支えは、現国王の異母兄、燿桂。

彼だけは珠枝に同情を寄せてくれていた。そんな異母兄に密かに思いをよせるのだが、戦の和睦の証として珠枝は新興国・閃国に嫁がされることになる。燿桂は珠枝に約束する。
「3年経ったらそなたを必ず取り戻す」とー。
珠枝はその約束を支えに閃国に嫁いでゆく。

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雄飛の花嫁 みどころ


閃王・飛鷹がですね、かっこいいのですよ。
イラストも絵もかっこいいんですが。(彩雲国物語でおなじみ、由羅カイリさん)
異国から嫁いだ珠枝にやさしく、兄のように接し、彼女の緊張を解いてやったり、異母兄への思いがかなわず(もう一人のかわいい異母妹と結婚してしまったので。)泣き崩れる珠枝に対しやさしく労わってくれるのです。
飛鷹はとにかく彼女を腕の中に抱え込んでその背をなでてやった

そんな彼のやさしさに珠枝も飛鷹を頼りにするようになる。最後、戦の最中に飛鷹の元へ馬を飛ばして駆け寄る珠枝、
−貴方のもとへ帰りたかった。それだけをどうしても伝えたかったんです−。

この台詞にはグッときます。

閃国の物語はその後、続編が描かれ、飛鷹と珠枝夫妻のその後や、子孫たちのお話も。別時代のストーリー「天の階」でも閃王夫婦のその後の幸せな暮しぶりを伝える記述があったのもうれしかった。

↓由羅カイリさんのイラストに一目ぼれ。

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