「迷路館の殺人」 綾辻行人

2005.05.29 Sunday

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    年老いたミステリー作家の奇妙な家を舞台に繰り広げられる惨劇。
    迷路館の通路はその名の通り、細い迷路になっている。
    その館に招かれた編集者夫婦、ミステリ評論家、弟子である作家数名、そしてミステリー好きが高じて老作家と親しくなったという人物・島田潔。
    やがて老作家が死体となって発見される。そこから次々に起こる殺人事件。何重にも複雑に重なったトリック。その結末はというと…

    結末を読んだときの感想は、これです。「参りました!」orz

    いわゆる「作中作」の形式だけど、そこは普通の作中作と違って、小説の中にちゃんと「作中作」のタイトルや奥付が作られていて、凝ったつくりになっている。わくわくするのよね。こういうの。
    小説の登場人物と作中作の登場人物とに複雑なリンクがはられていて、まるで、クモの巣を手繰っているような感じ。2重3重の仕掛けに翻弄され、まさに迷路館の客人になったよう。

    あえて難を探すなら、探偵役の島田潔さんとは、お友達になりたくないと思ったことかな。
    だって、彼、好奇心の赴くままに事件を解決するのはいいのだけど、人の触れて欲しくないプライベート(不倫とか)をストレートに聞いちゃうし(十角館)、元医者とはいえ妊婦さんに検死はさせるわ(迷路館)、半ば強引に人のうちに泊めてもらって、無断で館内を散策するし(水車館)、この人と友達になった暁には、わたしが殺された場合、その瞬間から彼の感情は「友情」ではなく「好奇心を満たす対象(死体)」に変わりそうだな。

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    島田さんの趣味というか特技の「折り紙」
    作中ででてきた「悪魔」はかなり難易度が高い。

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    「十角館の殺人」→
    「水車館の殺人」→
    「時計館の殺人」→
    「奇面館の殺人」→
    「月館の殺人 上巻」→
    「月館の殺人 下巻」→

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    コメント
    こんばんは♪
    館シリーズ、相変わらず黙れ続きの月夜です。
    私もすっかりしてやられました!!
    まさか、ああいった叙述トリックにはめられているとは、
    思いもよりませんでした♪

    妊婦さんに検死は私も驚きました。。。
    大変なことになったらどうするの!?って思いましたね。
    ただ気になるのは、最後の最後でどうして血縁者としたのかが…
    頭を悩ませました。
    • by 月夜
    • 2008/08/14 9:39 PM
    月夜さんへ
    すごいなあと思ったのは、作中作の文体が作家ごとに特徴があるんですよね。これを書き分けられる綾辻行人さんて、すごく文章力のある方だと思います。最後の最後までびっくりさせられどうしでした。
    • by 日月
    • 2008/08/14 11:22 PM
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