ミステリーランド 「透明人間の納屋」 島田 荘司

2005.09.03 Saturday

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    ミステリーランドは「かつて子供だったあなたと少年少女のための」と銘打っている、年齢層を低めに設定したミステリやファンタジー小説。子供向けとバカにするなかれ。

    一流作家陣が書き起こす物語は、作家の新たな魅力が発見できるし、未読の作家の導入作品としても良い作品だと思います。

    で、この「透明人間の納屋」ですが、
    なぜ、「透明人間」と「納屋」が結びつくのかは、読み進めるうちにだんだんわかってくるのですが、冒頭部は主人公の少年とその大人の友人、真鍋さんとの会話で、星の運航や未知のウイルスなどの話から、SFを想像していたら、それがだんだんミステリ、あるいは社会派(?)小説とも読めるストーリー展開になっていきます。
    いちおう殺人事件と、そのトリックも出てくるのですが、話の主軸は主人公の少年と真鍋さんとの友情と別れがメインだと思います。

    私の実家も工場をやっていたので、主人公が学校から帰って工場に真鍋さんの姿を探したり、工場の中がとても楽しい場所として過ごしているところは、私の子供時代を思い出させてもらいました。
    私もああやって家の裏の工場にはいって父の姿を探していたっけ。

    そんな懐かしさ、せつなさを思い出させてくれた作品でした。

    透明人間の納屋 (ミステリーランド)
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    コメント
    こんばんわ。
    これ、ストーリーがいいですね。
    真鍋さんのしてくれる、さまざまな不思議な話。
    かつてはこんな風に、子供にいろんなことを教えてくれる大人がいましたよね。
    懐かしくてせつない物語でした。
    • by ia.
    • 2008/08/24 12:16 AM
    ia.さん
    コメントありがとうございます。
    真鍋さんの工場は、わたしにとっても懐かしくて楽しい場所でした。

    事件の謎解きよりも、どうにもならない社会的な背景が印象的でした。
    • by 日月
    • 2008/08/24 8:48 PM
    コメ&TBありがとうございました^^

    私は工場の雰囲気がどういうものなのか分かりませんが、
    テレビで見るような、町の片隅でひっそりと佇んでいる様子を
    思い浮かべながら読みました♪

    事件のトリックにはそれほど驚きませんでしたが…
    あの衝撃の真相に固まってしまいました。。。
    • by 月夜
    • 2008/11/20 10:50 PM
    月夜さん
    ご訪問&コメントありがとうございます。
    ちいさな工場は案外うす暗く、油のにおいと、子供には大きく見える機械などがどこか違う空間のように感じられます。
    子供時代を思い出しながら読んでいました。
    ラスト、切なかったですね。そしてびっくりしました。きゅうに現実に引き戻された感じでした。
    • by 日月
    • 2008/11/21 8:30 PM
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    著者:島田 荘司 出版社:講談社 紹介文: まさかミステリーランドを読んで泣いてしまうなんて。 大御所の作品は一味違います。 聡明で孤独な少年と、何でもできる大人・真鍋さんとの交流。そこに不可能犯罪・人間消失を絡めた本格ミステリなんですけど。 透明
    • どくしょ。るーむ。
    • 2008/08/24 12:06 AM
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