「カフーを待ちわびて」 原田マハ
2006.08.04 Friday
沖縄の小島を舞台とした、あたたかく、奇跡のようなものがたり。
ガジュマルを渡る風が風吹き抜ける美しい島に飼い犬・カフーとともに暮らす明青。
そんな明青のもとに見知らぬ女性・幸から「お嫁さんにしてください」と手紙が届く。
最初、なにかの冗談かと思っていた明青だが、そのうちに会ったことも無い幸の訪れを待ちわびるようになる。
やがて訪れた幸との奇妙であたたかな同居生活が始まるが、島のリゾート開発に伴う立ち退き問題や、周りの人間の無邪気な悪意によって、幸は明青の元を去っていってしまう。やがて幸が明青の元にきた「ほんとうの理由」を知るのだが…
沖縄の美しい自然に抱かれた、かわいらしいラブストーリーかと思いきや、中身は結構人間の愛憎がドロドロしているのには驚いた。
島のリゾート開発に絡む立ち退き問題が起こり、主人公も巻き込まれたり、立ち退き反対派の子供に執拗ないじめがあったりと、「沖縄の人間はみんな明るくていい人」という内地の人間の勝手な憧れを見事に打ち砕いてくれている。
そんな中、明青だけは以前と変わらない生活を続ける望んでいる。
そして「カフー」を待って、待ちわびる生活を続けている。
そこには決して純粋なだけではない理由があるのだが、
「待ちわびる」しかなかった明青の思いが、切ない。
「カフー」とはウチナーで「幸せ」「果報」「良い知らせ」のこと。明青と幸の二人に「カフー」が訪れるよう祈ってやまない。
[追記]映画化が決定しましたね。主演は玉山鉄二さん。
私の明青のイメージは10年前の時任三郎さんですが、玉山さんの明青も楽しみです。あの端正な顔でせつない表情をされるとたまりません。(^^)
『カフーを待ちわびて』の続編もある南の島々を舞台にした短編集『花々』
山田マハ作品
・『花々』
・『たゆたえども沈まず』
ガジュマルを渡る風が風吹き抜ける美しい島に飼い犬・カフーとともに暮らす明青。
そんな明青のもとに見知らぬ女性・幸から「お嫁さんにしてください」と手紙が届く。
最初、なにかの冗談かと思っていた明青だが、そのうちに会ったことも無い幸の訪れを待ちわびるようになる。
やがて訪れた幸との奇妙であたたかな同居生活が始まるが、島のリゾート開発に伴う立ち退き問題や、周りの人間の無邪気な悪意によって、幸は明青の元を去っていってしまう。やがて幸が明青の元にきた「ほんとうの理由」を知るのだが…
沖縄の美しい自然に抱かれた、かわいらしいラブストーリーかと思いきや、中身は結構人間の愛憎がドロドロしているのには驚いた。
島のリゾート開発に絡む立ち退き問題が起こり、主人公も巻き込まれたり、立ち退き反対派の子供に執拗ないじめがあったりと、「沖縄の人間はみんな明るくていい人」という内地の人間の勝手な憧れを見事に打ち砕いてくれている。
そんな中、明青だけは以前と変わらない生活を続ける望んでいる。
そして「カフー」を待って、待ちわびる生活を続けている。
そこには決して純粋なだけではない理由があるのだが、
「待ちわびる」しかなかった明青の思いが、切ない。
「カフー」とはウチナーで「幸せ」「果報」「良い知らせ」のこと。明青と幸の二人に「カフー」が訪れるよう祈ってやまない。
[追記]映画化が決定しましたね。主演は玉山鉄二さん。
私の明青のイメージは10年前の時任三郎さんですが、玉山さんの明青も楽しみです。あの端正な顔でせつない表情をされるとたまりません。(^^)
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『カフーを待ちわびて』の続編もある南の島々を舞台にした短編集『花々』
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山田マハ作品
・『花々』
・『たゆたえども沈まず』