2006.08.08 Tuesday

「霧越邸殺人事件」 綾辻行人

読んだのは真夏だというのに、この本を開くたび、たちまち凍てつく寒さと雪に閉ざされた霧越邸にわたしの意識は飛んでゆく。

吹雪に会い偶然にも霧越邸を訪れた劇団・暗色天幕のメンバーたち。彼らの名前を暗示する屋敷の調度品。
どうやらこの家には不思議な現象があるらしい。

やがて北原白秋の詩に見立てた殺人事件がおこる。
邸内に潜む謎の人物。
やがて怒る第2、第3の殺人。
犯人は誰なのか、そして、屋敷の不可思議な力は何を暗示しているのだろうか…?

この小説は「家の持つ不思議な力」を受け入れることで初めて推理が成り立つというちょっと異質な推理小説。
読み始めは「そんなことありえないよ」と思うのだが、
雪に閉ざされた、非現実的は洋館で、偶然に訪れたメンバーの名前を暗示するものが次々に現れたとしたら…
読んでいくうちにどんどん、館の持つ「力」に引き込まれて行く。

私のつたない文章などでは、霧越邸の不可思議な魅力をとうてい伝える事はできない。できれは読んで、その世界観を体験して欲しい。

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Comment
こんばんは。お久しぶりです。
これって館シリーズ1期が終わったくらいの作品でしたよね。(人形館の次でしたっけ?)
初読のとき「ちょっと今までとは作風が変わってきたかな?」と感じたものでした。
でも、この独特の世界観は綾辻さんならではという感じで好きです。
新作の『Another』も面白かったですよ。
  • ia.
  • 2010/08/27 01:01
ia.さんへ
だんだんトリックやロジックだけではなく、世界観に重きが置かれるようになってきましたね。時計館のような痛快なトリックも好きですが、不可思議な世界と論理的なミステリの融合が魅力的ですね。「暗黒館」などはまさにそんな感じでした。

『Another』も読みたいのですが、ホラーときいてちょっと尻込みしています(^^;)でも読みたいなあ。
  • 日月
  • 2010/08/27 20:29





   
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著者:綾辻 行人 出版:新潮文庫 感想: またまた懐かしい作品を。 『霧越邸殺人事件』は90年代に出版された綾辻行人さんの館モノの一冊で(建築家・中村青司のものとは違います)、当時は「綾辻行人の最高傑作」とミステリファンに絶賛された作品です。 でも私はコア
  • どくしょ。るーむ。
  • 2010/08/26 8:52 AM

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