ダーク・ファンタジーの傑作 [映画] パンズ・ラビリンス

2014.08.17 Sunday

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    「パンズ・ラビリンス」は、スペイン内戦時代、薄幸な少女が森の番人パンに導かれ、異世界へ行くための試練をうけるダーク・ファンタジー。

    パンズ・ラビリンスの世界観


    パンズ・ラビリンスは、通常のファンタジーと違うのは、悲劇性が高く、描写が残酷なところです。主人公のオフェリアは、母親の再婚相手のヴィダル大尉のもとへ引き取られる。あるとき森で迷宮の番人パンに出会い、自分が地底の国の王女の魂を宿したものだと告げられます。王国へ戻るにはパンの与える3つの試練を乗り越えねばならない。

    ヴィダル大尉はオフェリアや母親より、自分の分身としての息子にしか興味がなく、母親は大尉の顔色ばかりを伺い、屋敷はレジスタンスとの抗争で血なまぐさい。親切なのは使用人のメルセデスだけだが、彼女はレジスタンスの弟のため、スパイとして動いている。

    そんな現実から逃れるため、オフェリアは幻想の世界へ旅立っていきます。

    戦争の現実と幻想世界


    戦争の血生臭さと、幻想の世界が交互に描かれるのですが、オフェリアが行く異世界もまた、とても美しいとは言えません。地底では大きな虫が蠢く中で巨大なカエルを退治して鍵を手に入れ、人喰いの怪物の住む屋敷から剣を手に入れる試練があたえられます。

    けれど、そんなグロテスクな世界でも、現実世界よりオフェリアにはましだったのかもしれません。だって試練さえ乗り越えればこの世界から逃れることができるのですから。

    レジスタンスと軍隊の戦闘シーンや、拷問など、かなりグロテスクなシーンもあり、たしかにこりゃ、小さいお子さんにはみせられませんわ。(PG12)


    追い詰められていくヒロイン


    ここからネタバレになりますが、母親の具合が悪くなり、オフェリアはパンからおまじないを教わり、なんとかもちなおしたものの、大尉にみつかり、おまじないは焼かれ、母親は弟を残して死んでしまいます。おそらくヴィダルの指示でしょうね。彼は自分の分身たる息子だけが大事だから。

    試練の最中もオフェリアは「絶対に物を食べてはいけない」と言われているのに化け物屋敷のブドウを食べてしまい、パンからも見捨てられてしまいます。

    けれど、どうしてブドウ2粒だったらいいって勝手に解釈しちゃうんだろ?(;´・ω・)まあ、おとぎ話は禁忌をおかしてなんぼってとこがありますから、しかたないのだけど。

    そして後半、オフェリアはどんどん追い詰められていきます。パンから罪をゆるされ、最後の試練として弟を連れてくるように言われます。ここからんとなく、結末が想像できたのですが、悲劇ではあっても、まだなんか救いもあるような気がします。それだけ、ヴィダル大尉のいる現実が悲惨なものでしたから…


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    コメント
    日月さん、こんにちは!
    これ、スペイン映画っていうのが、妙に納得が行く感じでした。
    アメリカものとは違った、なにか独特のムードがありましたよね。

    パンズ・ラビリンス以後、この監督さんの映画は注目してみようって思って、監督じゃないけれど、製作に携わっている「永遠のこどもたち」とか「ルドandクルシ」なんかは楽しく見ましたが、「ビューティフル」以後は、なんとなく離れてしまっていました。

    監督+製作で、パシフィック・リムを作っていたのね?未見だけど・・。

    今監督さんのwiki見て気がつきました。
    • by latifa
    • 2014/08/21 2:28 PM
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    不思議の国のアリスのダーク版というか、大人向けのファンタジーと、1944年のスペイン内戦時代とを、2つ上手い具合に並行させながら、描いているという、ひとひねりある映画。
    • ポコアポコヤ 映画倉庫
    • 2014/08/21 1:45 PM
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