「僕僕先生」 仁木 英之

2008.03.30 Sunday

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    日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作。
    …と、いうことはつゆ知らず、可愛い表紙絵に魅かれて
    読んでみたら大当たりグッド
    挿絵は畠中恵さんの「つくもがみ貸します」も担当された三木健次さん。
    貧相な馬を引く青年と、かわいらしい少女が綺麗な色の雲に乗っている絵が描かれています。

    僕僕先生
    僕僕先生
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    物語は唐の時代。都から遠く離れた光州に、王弁という若者がおりました。裕福な父親のおかげで働く事もせず、ただのんびりと日々を送っている。

    ま、いまでいうニート青年です。

    彼の父親は元県令で、引退した今では不老長寿に憧れ、近隣の黄土山に住み着いた仙人と縁を結ぶため
    王弁に供物を届けさせます。

    黄土山にたどり着いた王弁を待っていたのは、仙人のイメージとはかけ離れた美少女。
    彼女は「僕僕」と名乗り、自分が黄土山に住まう仙人だといいます。

    やがて王弁は少女仙人・僕僕に従い、あこがれていた旅に出ることになるのですが、それが僕僕先生のやること、皇帝の宮殿やら、伝説の神・帝江のいる世界やら、いろいろなところへ連れて行かれてしまいます( ̄▽ ̄)

    僕僕先生、仙人なのに温泉ではしゃいだり、王弁をからかったりするおちゃめな部分と、困っている人を助けたいという使命感をあわせもつ、とても人間的な仙人です。
    そんなかわいい僕僕先生に、当然王弁はメロメロ。

    彼女と少しでも彼女と一緒にいたいと思うのですが、生来の怠け者精神がなかなか抜けず、ただ僕僕先生に
    ついて旅を続けてゆきます。


    この物語は怠け者青年の成長物語と同時に、神や仙人に頼らず、人間が自ら問題に対処しようとする時代の
    過渡期を描いています。そのため、仙人たちは人間との距離をとろうとし、人間(官僚)は、人心を惑わす仙人たちを排除しようとします。

    そんな中、僕僕先生と王弁は波に流されるでもなく、逆らうわけでもなく、彼ら自身で進むべき道を決めてゆきます。これからのふたりにはどんな冒険が待っているのでしょう。

    「薄妃の恋」僕僕先生→
    「胡蝶の失くし物」僕僕先生→
    「さびしい女神」僕僕先生→
    「先生の隠し事」感想→
    「鋼の魂」→

    JUGEMテーマ:ファンタジー

    コメント
    私もこの本読みましたよヾ(´∀`*)ノ
    王弁くんの純朴さがなんとも良い味出していました。
    他の仙人さんたちにからかわれたりしてさ。
    最後にお迎えが来るけど2人は何処に行っちゃったんだろうね。
    >Crambomさん
    コメントありがとうございます。

    無邪気でかわいくて、人間の事を思っている僕僕先生が
    すてきです。
    きっとまたふたりで冒険(王弁君にとってだけですが)の
    旅にでたのでしょうね。

    • by 日月
    • 2008/04/15 11:36 PM
    私も表紙に惹かれて読みました。
    本当に可愛いですよね。
    ただ柔らかいだけの物語かと思っていたら、ラスト近くは人間と仙人の距離感が。
    私としては少しさみしい気持ちになりました。
    • by ia.
    • 2008/10/23 10:20 PM
    ia.さん、「しゃばけ」もそうですが、「僕僕先生」も装丁のイラストがこっていますよね。

    もはや仙人を必要としない人間。
    人間を必要としない仙人。
    そんななか、僕僕先生と王弁の縁はどうなっていくんでしょうか。
    続編もおもしろいですよ(^^)
    • by 日月
    • 2008/10/23 11:06 PM
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    著者:仁木 英之 出版社:新潮社 紹介文: 2006年の日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。 働くことも学ぶこともしない青年が、少女の姿をした仙人と旅をするという、中国を舞台としたファンタジー作品。 時は楊貴妃を寵愛したという玄宗 李隆基の頃。 おそ
    • どくしょ。るーむ。
    • 2008/10/23 10:55 PM
    ご訪問ありがとうございます☆ 僕僕先生 (新潮文庫)(2009/03/28)仁木 英之商品詳細を見る  職場の同僚に「何かおススメの本ない?」と訊いて貸してくれたのがこの本。いやいやいや、大変面白かったです...
    • BIBLIO HOLIC
    • 2011/06/30 2:14 PM
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