2008.06.28 Saturday

「海の底」 有川 浩

有川浩先生の「海の底」を読みました。
海自の話と聞いていたけれど、ホラーな出だしにびっくりw( ̄Д ̄;)。
突然の凶行に立ち向かう陸側と、に取り残された子供たちと自衛官との潜水艦の中。2つの場面が交錯しながら描かれていきます。

海の底から現れた巨大エビ・レガリス。


桜祭りの横須賀港で次々と人を食らう巨大エビ・レガリス。
巨大化した甲殻類、人間は格好の生き餌と化してゆく。
一見、荒唐無稽のホラーに見えますが、巨大甲殻類の正体や
その発生などは科学的な説明がなされています。
深海生物はまだまだ謎の多い分野なので、こんなことが
実際に起こりえる可能性も0ではないのかも…

潜水艦に取り残された子供達。


そのとき、偶然停泊中の潜水艦・「きりしお」の乗組員・夏木と冬原は艦長とともに子供たちを救出するが、艦長はエビたちの犠牲になってしまう。
なんとか子供たちを助け出したものの、周りはレガリスだらけの状態。早急な救助の見込めない中、自衛官2人と子供たちが潜水艦の中で奇妙な同居生活が始まる。

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警察の葛藤、動かせない自衛隊。


自国の基地を守るため横須賀の空爆も辞さない米軍。
武器を持たない機動隊が次々と犠牲になってゆくのに
武器を持つ自衛隊の出動は遅々として進まない。
神奈川県警警備課・明石と烏丸参事官。
立場は違うが「有能なはみ出し者」同士がタッグを組み
自衛隊の出動を画策するために、奔走する。

・読んでいてニヤリとした場面
防衛手段として、明石は「ゴジラ」から大真面目にヒントを得て実行します。そんなユーモア感覚(?)も有事の時には必要なのかも。

それぞれの思い。


子供たちの紅一点。最年長の望は、口は悪いが情に厚い夏木にひかれてゆきます。ちょぉっとずつ距離が縮まる2人。ほほえましい。(^^)物語中唯一ほっこりする場面です。
しかし、ボスの圭介はそれを快く思わない。望に好意を抱いているが、自分がそんな感情を持つこと自体にまた苛立ち、自衛官や仲間たちとも悶着を起こしてゆく。
とうとう、望の弟・翔を閉じ込め、独断で脱出を試みるが…


もうもう、見所が多すぎて、私の文章力ではまとめてなんて伝えられません。(^^;)
ぜひ読んでみてください。


夏木と望の「その後」が知りたい方は「クジラの彼」もぜひ。冬原くんと彼女の話や、空の中のスピンアウト、自衛官の恋愛事情が書かれた「クジラの彼」。「海の底」とは打って変ってベタ甘です。(^^)
クジラの彼感想→

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海の底文庫版では、主人公・夏木と冬原がやらかした「事件」を描いた「前夜祭」が掲載されています。

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ややネタばれ感想
●「海の底」の夏木と冬原の恋愛事情が書かれた「クジラの彼」。
私は最初に「クジラの彼」を読んでしまいましたので、改めて読み直してます。
随時冷静だった冬原が彼女の前では泣いてしまうところとか。
よけいに切なく感じたなぁ。きっと冬原、彼女に会うまでずっと感情をがまんしていたのかも。

●終盤、烏丸参事官は機動隊の隊長たちに「死んで来い」と言い放ち、その後頭を下げる。
頭を下げるのは、自分が相手より立場が高い場合にこそ有効ー。
ただ、この人は口は悪いし、情より実をとるけれど実はかなり熱い人。

個人的には「プラネテス」のロックスミス博士を当てはめながら読んでいました。

●確かに、人を食らう巨大エビ・レガリスは恐ろしかった。
生きながら肉を食われるのも恐ろしいけれど、
「私たちが住む場所にふさわしくない(人)」ってだけで、
生きながら自尊心を削りとろうとしたり、精神的に追い詰める遠藤圭介の母親も相当に恐ろしかった。
でも、圭介は最後まで腐ってない子でしたね。
それが救いだったかな。

Comment
後になって印象に残っているのって艦長だっけ?
あの亡くなり方は壮絶です。
冷蔵庫に入れるってのも知らない人ならば怖いけど残されたものにとっては大事だもんね。
最後の、圭介もよかったと思うな。
本当に性根まで腐っていなくて良かったヾ(´∀`*)ノ
TBありがとうございました。
ほんと見所沢山でしたね♪
「クジラの彼」も読んでみたくなっちゃいました★
Crambom、さん

艦長の腕は唯一の形見ですもんね。
冷蔵庫の前で夏木が声を殺して泣くところは切なかったです。

郁ちゃんもそうだったけど、「母親との対決」というのは
非常にしんどいんですよね。
ようやく立ち向かえた圭介はえらい。
月夜さん
こちらこそ、コメントありがとうございます。
「クジラの彼」絶対オススメです。
望ちゃんが綺麗でしっかりものになり、夏木さんがおされ気味です。
冬原と彼女・聡子さんの話もいいですし、よかったら
読んでみてくださいね。( ̄▽ ̄)
TBありがとうございました。
こちらからもお返しいたします。

人を喰らう巨大甲殻類=怪獣ですが、実際は自衛隊の攻撃であっさりやられてしまいました。
怪獣よりも、政府の動きや法律の解釈に振り回されて傷つく前線の警備隊の姿が、現代日本の怖ろしさを示していると感じさせられた「海の底」でした。
コメントありがとうございます。

自衛隊を出動させるために傷だらけになりながらも恥を被ろうとも、それを誇りとして任務全うする機動隊、かっこいいです。

上の人たちも災害の名前を付けるだけじゃなく、もう少しリーダーシップを発揮してほしい。。
  • 日月
  • 2008/06/30 19:42
こんにちは
はじめまして

海の底は私の読んだ有川本のなかではダントツで好きな本です。
なにより感情描写がリアルというか、細かいというか、本の中の空気がまんま伝わってくる表現が大好きです

望ちゃんと夏木さんがちょっとずつ近づいて行く様子は、微笑ましくもあり、「ああっ行かないで夏木さーん!」って感じで(笑)

圭介の「好きな子いじめ」過激版は、わからんでもないです。
自分が好きな子が違うヤツに、しかもついさっき出会ったばっかりのヤツに惚れていく姿は確かに苛立ちのもとかも。
中学生と言う年齢なら尚更


では
自分の感想ばからつらつら述べてしまいましたが

機会があればまた
  • まい
  • 2008/10/21 20:16
まいさん
コメントありがとうございます。

最初のレガリスの出現、ものすごくインパクトがありました。
艦の中の空気や生活の様子がとてもリアルでしたね。
「海の底」じゃレガリスVS人間の話なのですが、人間VS人間の描写の方が読んでいて怖かったです。

よろしければまたいらしてくださいね( ̄▽ ̄)
  • 日月
  • 2008/10/21 22:02
こんにちは

じつは、私も細々とではありますがブログを開設しています。

ぜひお越しください。

あと、リンク登録させていただけると幸いです
まいさん
ブログ拝見しました。好きな本がかぶっているので、今度コメントさせていただきますね。リンク登録もしておきました。これからもよろしくおねがいします。
  • 日月
  • 2008/10/22 12:36





   
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