『星へ行く船』 新井 素子

2008.08.21 Thursday

0
    有川浩先生も胸キュンしたという、新井素子さんの名作SF「星へ行く船」。

    【星へ行く船】あらすじ


    森村あゆみは、地球でのレールに沿った平凡な人生に疑問をもち、幼い頃からあこがれていた宇宙へ「家出」を決行する。

    しかし旅行社のミスで部屋はダブルブッキングに。「同室」の山崎太一郎と名乗る人物は「やっかいごとよろず引受け業」を仕事とし、ある人物を自室にかくまっていたのだが、なんとそれはある星の王位継承者だった。王子の替え玉。ドジで弱気な刺客。やがて真実は意外な方向に…

    表紙はなんと竹宮恵子巨匠です。
    星へ行く船 (集英社文庫 75B)
    新井 素子 集英社 売り上げランキング: 131051


    数十年ぶりに読み返してみました。宇宙開発時代の世界観もきちんと描かれているし、ストーリーも謎解きも面白い。なんだか、「昔はすこし苦手で距離をおいていた友人に、久しぶりに再会してみたんだけど、あら?すごく楽しいわ。」といった感じ。

    思春期の「通過儀礼」でもあった「星へ行く船」


    当時はまだ中学生くらいが気軽に読める小説自体が少なく、SF小説は星新一のショートショートか、難解な翻訳ものばかり。

    そんな中、新井素子さんの小説が唯一、等身大のキャラクターで描かれた「距離の近い、少女のための」SF小説でした。ただ、思春期の葛藤といいますか、だんだんと私は新井素子小説を敬遠するようになりました。

    甘ったるいセリフが気恥ずかしくなったのと、背伸びをして「大人が読むような小説を読んでいるのよ。」ってところを自分自身に見せたかったんですね。

    もしかすると「星へ行く船」は私にとって「通過儀礼」的な役割を持っていたのかもしれません。たくさんの影響を受けていたけれど、それを否定することで大人になろうとするような。

    ただ、そうはいっても、相変わらず気恥ずかしい部分もありまして。(^^;)
    主人公あゆみの視点で描かれるため、セリフに「はふ、」「うふ」「んと」など、当時の女の子のことばづかい(あるいは作者の使用していたことば)がそのままちりばめられているんです。

    それがちょっと読んでいて気恥ずかしいのですが…きわめつけは文中、普通に主人公が「お宅」って言ってる!( ̄口 ̄)

    ファーストマクロスでも、リン・ミンメイのセリフに「お宅」と出てきていたので、80年代ではポピュラーな言い回しだったのでしょう…

    超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [Blu-ray]
    バンダイビジュアル (2016-01-29)売り上げランキング: 809


    こちらは新装版。
    星へ行く船シリーズ1星へ行く船
    新井素子 出版芸術社 (2016-09-16)売り上げランキング: 25,350

    レビューポータル「MONO-PORTAL」

    JUGEMテーマ:SF小説



    さて、ここからは推察というか、むりやりな妄想です。有川浩先生の「クジラの彼」のあとがきにも出てきた「星へ行く船」ですが、有川作品・図書館戦争シリーズとの共通点を(無理やり)探してみました。
    あくまで私の妄想なので真実は違うと思いますが。(^^;)
    不快感を感じられる方はスルーしてくださいね。

    半人前でまっすぐな主人公を見守る年上上司」という点では同じですが、それ以外はあまり共通点はありません。
    堂上教官は太一郎さんのようにひょうひょうとはしていないし、あゆみちゃんも郁ちゃんより頭をつかうタイプだし。(失礼!)
    ただ、気持は通じ合ってゆくのになかなかくっつかないという「焦れったさ」は共通しているかも。

    主人公の相方の背の低さ。太一郎さんは160兌紊箸い辰燭箸海蹇
    身長に男の価値を見出すウエイトが高かった80年代に背の低い(けど強い)キャラクターって結構斬新ですね。
    ただ現代では身長差は気にならなくなりました(逆に萌)から、単純に太一郎さんの身長が直接影響したとは考えづらいかな。

    ちなみに「星へ行く船」にも「麻子」という名前の女性が出てきます。性格は違いますが。図書館戦争の柴崎の名前も「麻子」ですよね。あまり現代的ではない名前だな、と思っていたけれどもしかしたら…
    コメント
    こんにちは♪
    懐かしい作品を読むと自分も気分が若返りますね(笑)
    星新一さんのショートショートはブラックジョークもあって怖さもあったのですが、『星へ行く船』シリーズは女子の心を奪っていきましたよ。
    私は『グリーンレクイエム』あたりで読むのをやめてしまいましたが理由は日月さんと同じかもしれません。

    『クジラの彼』は文庫本で読んでいて、あとがきのそのくだりはありませんでした…きっと単行本だけのあとがきだったんですね。
    『図書館戦争』シリーズは未読なのですが、ちょっと気にして読んでみたいです。
    • by みかん
    • 2010/10/27 11:01 AM
    みかんさんへ
    みかんさんも読むのをやめた理由が同じなんですね。「星へ行く船」は当時の少女たちの通過儀礼的な役割もあったのかもしれません。だからこそ、大人になってから懐かしく感じるのかも。
    有川先生は「私も素ちゃんのようになる!」といって小説家を志したそうです。新井素子がいなければ今の有川浩もいなかったかもしれません。
    • by 日月
    • 2010/10/27 8:46 PM
    コメントする
    トラックバック
     あたし森村あゆみ、19歳。現在進行形で家出のまっ最中。家を捨てるついでに、地球まで捨てるでっかい覚悟で乗り込んだ宇宙船で、あたしはさんざんな目に! いったい、家出はどうなるの!?「星へ行く船」シリーズの第一作目。 時代設定があるのかな
    • みかんのReading Diary♪
    • 2010/10/27 6:27 PM
    その昔、コバルト文庫を漁り、貪るように読んでいた時期がありました。 といっても手当たり次第というわけではなく、切っ掛けというのは若桜木虔が書いた『さらば宇宙戦艦ヤマト』のノベライズ本。以後コバルト文庫では他の作家の手になるものも含めて、次々とアニメの
    • 【徒然なるままに・・・】
    • 2010/12/12 8:19 PM
    この記事のトラックバックURL