「武装島田倉庫」 椎名 誠

2008.09.04 Thursday

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    武装島田倉庫」は、私の人生の中で1、2を争うほど大好きなSF小説です。

    「倉庫」が「武装」するなんて「図書館」が「戦争」するくらい、普通ではありえない取り合わせですよね。
    でもその言葉同士がつながると、その先には奇想天外なシーナワールドが待ち受けているのです。

    最終戦争から20年。
    海は油にまみれ、遺伝子操作で獰猛化した生物たちがうごめく世界。あちこちに出没する武装窃盗団に襲われるため、物資の運送も滞りがちで運送業は命がけの(でも実入りのよい)仕事と化している。
    可児才蔵が就職した島田倉庫には、さまざまな荷物が運ばれてくる。通常の鋼材のほか、遺伝子操作され鶏の味に似た味の三足踊豆、獰猛な人食い魚、時には人間さえも。
    また、荷物の中には許可をうけていない闇の物資も入ってくる。そういうときはこっそり中身をかすめとって裏の稼ぎとするなど、ヤバイ仕事も行っている。
    可児が倉庫の作業に慣れてきたころ、武装窃盗団「白拍子」が島田倉庫にまで襲撃の手を伸ばしてきた。
    可児たち作業員は倉庫を守るため、銃を取り「白拍子」との戦いに挑むのだった。

    シーナワールドの魅力はなんといってもあのネーミングセンスだと思います。「泥濘湾」、「尻拭湖」、「フーゼル油」、「ドクタラシ」など、こういったあやしげな「ことば」がキーワードとなって読むものを荒廃した世界へずぶずぶとひきずりこんでゆくのです。


    椎名さんは若い頃、倉庫でアルバイトをしていたことがあるそうで、その体験をほかの小説にも書いており、映画化もされています。こちらはSFではなく、純愛小説です。


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    JUGEMテーマ:読書
    コメント
    今ごろ『武装島田倉庫』にトラックバックがあるなんて思いもよらず、びっくりいたしました。
    椎名誠さんのこの手の小説はほかにもいくつかありますが、大好きなんです。
    「地下生活者・遠灘鮫腹海岸」とか、「鉄塔の人」とか、「超常小説」とか呼ばれているらしいですが、SFと似たような味わいがあります。
    『武装島田倉庫』はずいぶん前に読んだのですが未だに時々読み返しています。あの荒廃した独特の世界観が大好きした。
    「アド・バード」がSFの賞をもらっていたので、これらの作品はSFとして読んでいたのですが「超常小説」とも呼ばれているんですね。

    椎名さんは冒険やアウトドア関連もいいですが、SFの他、家族をテーマにした小説も好きです。
    • by 日月
    • 2011/01/15 2:13 AM
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