『ヴァン・ショーをあなたに』 近藤 史絵

2008.11.07 Friday

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    下町の小さなビストロ、「パ・マル」を舞台にした料理ミステリ「タルト・タタンの夢」に続く第2段「ヴァン・ショーをあなたに」。

    今回は「パ・マル」のギャルソン、高築くんの視点を離れ、フランス修行の三舟シェフと出会った人々や、店のお客の視点から語られる謎を解く形になっていたのが新鮮でした。
    タルト・タタンの夢」に比べて少し切ない内容が多かった気がします。

    【掲載タイトル】
    ・錆びないスキレット
    ・憂さばらしのピストゥ
    ・ブーランジュリーのメロンパン
    ・マドモアゼル・ブイヤベースにご用心
    ・氷姫
    ・天空の泉
    ・ヴァン・ショーをあなたに

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    憂さばらしのピストゥ


    気に食わない客にもちゃんと要望にこたえる三舟シェフに対して、後輩料理人は客に気づかれない「憂さばらし」を料理にこめてしまいます。
    その時の三舟シェフのセリフがかっこいい。
    「料理人はなんでもできる。前の客の残り物を使うことも、古い材料を使うことも、(中略)だが、だからこそ、それはしてはいけないことなんじゃないか。」
    偽造した肉工場のジジィや某料亭のオバサンに聞かせてあげたい言葉です。


    マドモアゼル・ブイヤベースにご用心


    今回の話では今まで謎だった三舟シェフの修業時代や、ちょっとしたロマンス話もありました。
    三舟シェフに気になる客が。来るとブイヤベースばかり注文するので「マドモアゼル・ブイヤベース」と呼ばれていたが実は彼女は他店の女性シェフだった。

    三舟シェフのブイヤベースにあこがれて店に通っていたが、婚約中のオーナーと三舟シェフとの間で気持ちが揺れ動き、とうとう三舟シェフに告白を!w( ̄Д ̄;)

    告白された後、動揺して料理ができなくなっちゃう三舟シェフがかわいかったです( ̄▽ ̄)。それにしてもマドモアゼル・ブイヤベースはその後オーナーと結婚するんですかね?

    私だったらローストチキンに指輪を入れてプロポーズするような男は願い下げですけれど 。
    マドモアゼルも客のふりをしてブイヤベースを持ち帰ろうとするし、自分がたのんでおいて約束に遅れるし、挙句の果ては自分のマリッジブルーで三舟シェフを巻き込むし、ある意味チキンに指輪を入れるような人とはお似合いかもしれません。(´Д`)=3

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    ヴァン・ショーをあなたに」では「パ・マル」人気裏メニュー、ヴァン・ショーのレシピにまつわる話です。これから寒くなる時期、ヴァン・ショーはつくれないにしてもホットワインを飲みながら読書というのもいいですね。(^^)

     



    ビストロ パ・マルシリーズ


    「タルト・タタンの夢」感想→
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    コメント
    こんばんは♪コメありがとうございました^^

    偽装問題が多い中、三舟シェフのあのセリフはかっこよかったですね♪
    三舟シェフの人柄が伺える作品が多くて、切ないんですけど、
    個人的には好きなお話ばかりでした^^

    ブイヤーベースの女性シェフだけは好きになれませんでしたが^^;
    • by 月夜
    • 2008/11/07 9:11 PM
    月夜さん
    コメントありがとうございます。
    おかげですっかり三舟シェフファンになってしまいました。

    ちょっと辛辣ですが、ブイヤベースの新城さんは仕事と三舟シェフをなめていますよね。こういう人がいると、がんばっている女性料理人に失礼だと思います。ある意味チキンに指輪を仕込む人とはお似合いかもしれません。
    • by 日月
    • 2008/11/07 11:42 PM
    日月さん☆こんばんは
    三舟シェフの修業時代の話が好きでした。
    「包丁一本♪」って所で笑っちゃうと歳がバレルかな?
    • by Roko
    • 2008/11/08 12:39 AM
    Rokoさんへ
    「さらしに巻いて♪」ですよね。
    知っていますとも(^^)
    トリュフのオムレツがおいしそうでおいしそうで…
    • by 日月
    • 2008/11/08 1:01 AM
    こんばんは。
    三舟シェフの料理と推理、今回も素敵でしたね。
    りんごのタルトレットもおいしそうでした。

    横レスですが、歌の続きは「旅に出るのも♪」ですね。
    • by 藍色
    • 2008/11/08 3:03 AM
    藍色さん
    謎だった三舟シェフの経歴がすこしわかってきましたね。もっとシリーズ化してほしいです。

    「旅に出るのも♪」続きが気になってしらべてしまいました。「板場の修業 待ってて こいさん♪」と続くのだそうです。タイトルは雨の法善寺横丁。
    そういえばきいたことがあるような…
    おもいきり脱線ですみません(^^;)
    • by 日月
    • 2008/11/08 11:09 PM
    日月さんのこの記事のおかげで、続編があることを知って、早速読ませていただきました。
    本当にありがとうございますm(__)m

    三舟シェフの過去が少しわかってきたので、もう少し続編化してほしいなぁ…なんて思っています。

    ヴァン・ショー、とてもおいしそうです…。お酒がちょっとしか飲めない私ですが、いつか飲んでみたいです♪
    小夜さんへ
    私も続編希望です。そもそも三舟シェフがどうしてフレンチシェフを目指したのかとか、そのあたりも気になりますね。
    ヴァン・ショーではないですが、ホットワインなら飲んだことがあります。
    専用のワインを温めるだけですがすごくあったまります。
    • by 日月
    • 2008/11/14 11:14 PM
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    ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)posted with ama
    • Roko's Favorite Things
    • 2008/11/08 12:30 AM
    ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)(2008/06)近藤 史恵商品詳細を見る ブックデザインは緒方修一。カバーイラスト・デザインは谷...
    • 粋な提案
    • 2008/11/08 3:03 AM
    「ビストロ・パ・マル」で三舟シェフが謎を解くお話、『タルト・タタンの夢』に続いての第二弾です。 前回は、すべて語り手が従業員の高築さんでしたが、この小説は「氷姫」以降は、お客さんだったり、別の人から見た三舟シェフが語られます。
    • 月の舟
    • 2008/11/13 8:11 AM
    下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは四人。二人の料理人はシェフの三舟さんと志村さん、ソムリエの金子さん、そしてギャルソンの僕。気取らない料理で客の舌と心をつかむ変わり者のシェフは、客たちの持ち込む不可解な謎をあざやかに解く名探偵。
    • マロンカフェ 〜のんびり読書〜
    • 2010/03/22 11:36 PM
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