2008.12.20 Saturday

「真珠郎」 横溝 正史

真珠郎はどこにいる。」そんな書き出しから始まる横溝正史の「真珠郎」は、世間を憎んだ人物により、人里離れた山間の蔵の中で世間から隔離され、悪の心を育てられた。美しい風貌に狂気を身の内に秘めた美少年で、彼が現れるところには、必ず血なまぐさい惨劇が起こるのだった。

大学の教師・椎名は、親しくなった乙骨三四郎とともに信州へ避暑に訪れる。寄宿先には美しい娘・由美と、その伯父・鵜藤が暮らしていたが、ある夜、椎名は湖で不思議な人物とであう。
それこそが真珠郎であった。やがて、鵜藤は真珠郎に殺され、首を切られた遺体となって湖の洞窟で発見される。
やがて続く第2、第3の惨劇には、実は恐ろしい真実が隠されていた。
その真実のカギとなるのが冒頭の「真珠郎はどこにいる。」の一文に凝縮されているように思います。

横溝正史といえば市川昆監督の映画でしか話を知らず、これまで一度も原作を読んだことがありませんでした。
横溝ファンであるグレゴリ青山さんの漫画によると、戦前の横溝作品は、戦後の本格推理小説とは異なり、猟奇的で退廃的な雰囲気のするものが多かったのだそうです。

もう1編の短編「孔雀屏風」は、江戸時代の屏風がとりもつ不思議な縁を描いた作品で、登場人物の戦場からの手紙が物語の発端となっており、江戸時代から伝わる屏風の中にある恋文が結ぶ恋愛と、屏風に隠された財宝のゆくえを探る冒険譚ですが、文章中には当時の世相を反映して戦意高揚を目的としたシーンが差し込まれています。

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Comment
こちらにも☆
昨日「ブンブン堂のグレちゃん」も読みました!
すっごかったです。グレちゃんを見直したというか、すごい・・・と、感服しましたよ。これほどマニアックだったとは・・・。
古本屋さんの裏事情とかも面白かったし!後日記事にしたら、また改めてお邪魔します。

で、この「真珠郎」出て来ましたね〜!実は私が中一の時(中一からおこづかいもらうようになった)初めて買ったであろう文庫本が、横溝さんの真珠郎だったと思うんですよ。私が小学生の頃って、犬神家とかが流行していて、おじさんちに角川文庫の横溝シリーズが色々あって借りて読んでいたんです。で、自分も何か買ってみたい・・って思って、本屋に行って、未読で、面白そうで、しかも安いの(爆)というので選んだのが、真珠郎だったんです。引っ越し重ねて、今はもう手元に無いし、内容も忘れてしまってるんですが、妙に懐かしくて、どうでもいいことダラダラ書いちゃいました♪
latifaさんへ
「ブンブン堂のグレちゃん」を読んだあと、実際に古本屋さんめぐりをしてしまい、「アルバイト募集」の張り紙がないか思わず探してしまいました。

私はロジックのきっちりした横溝小説よりも、冒険的でおどろおどろした江戸川乱歩の探偵小説のほうが好きだったので、これまで横溝作品は読んだことがありませんでした。でも、戦前の作品は、蟲惑的な作品も多いと聞いたので、他のシリーズも読んでみたいと思います。
  • 日月
  • 2008/12/23 02:10





   
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