2009.01.17 Saturday

「鴨川ホルモー」 万城目 学

鹿男あをによし」を読んでからずっと読みたかった「鴨川ホルモー」。
いったいこの「ホルモー」とはなんなのだろう?
いよいよこの疑問が解き明かされる時がきました。

二浪した後、念願の京都大学に入学した安倍は、一目ぼれした早良京子(の鼻)の存在が決め手となり「京大青竜会」というサークルに入部する。安倍はここをレジャーサークルか何かだと思っていた。しかし、実態は京都に千年伝わる競技、“ホルモー”のサークルだった。

ホルモーとは対戦型競技の名前。
私が一番近いと思ったのはピクミンでしょうか。
自分たちが戦闘を行うのではなく、実際に戦うのは
「オニ」と呼ばれる小さな異界の生き物。
目や鼻はなく、顔には茶きん絞り↓のような絞りがついている。

ホルモーは、「オニ」たちに命令を下し、10人×オニ100匹で対戦を行う。相手のオニが全滅するか、相手が降参するまで戦いは続き、力尽きたとき「ホルモォォォー!!」と叫ばなければならない。

おそらく、京都でしか通用しないであろう競技。
最初は疑心暗鬼のカタマリだった一回生たちも、徐々にホルモーに慣れてくるのだが、早良京子が原因で安倍と芦屋、青龍会が二つに分裂することに。分裂を提案した安倍と仲間たちには恐ろしいペナルティが課せられる。そのペナルティを消すにはこれから行われるホルモーに優勝しなければならない。安倍が率いる分裂した弱小「青龍会ブルース」は勝ち残れることができるのか…。

最初、安倍君の鼻フェチとグチグチした片思いにちょっとイラっとしましたが、読み進めていくうちにどんな奇怪な競技でも、力を合わせて真剣に戦う姿と、戦いの合間には友情や諍いや恋がいい具合にアクセントになっており、最後にはなんだか爽快感さえ感じる物語でした。

でも、若いってバカだねえ。( ̄▽ ̄)

孔明のような軍師ぶりを発揮する楠木ふみちゃんがいい。外見は大木凡人ヘア&メガネのツンデレだけど、知略に優れてやさしい女子。表情がわかりにくいけれど、うちに秘めたものがアツい女の子です。
個人的に思うのですが、早良京子のように完成された美人より、ときおり見せる潜在的なかわいい要素をもつ女子の方がいいと思うんですよね( ̄▽ ̄)。後半恋をしてどんどんかわいくなる「凡ちゃん」にも注目。

「鴨川ホルモー」も「鹿男あをによし」でも、人間の住む世界とは別の世界に住む生き物たちとの交流が描かれています。科学万能の現代社会で、神々や異形のモノたちとの「絆」は切れているように思われるけれど、万城目作品を読むと実はまだわれわれと「かの世界」との縁は続いているのかもしれません。

鴨川ホルモー
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ホルモー六景
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映画予告編↓


「偉大なる、しゅららぼん」→
鹿男あをによし→
ホルモー六景→
ザ・万歩計→
プリンセス・トヨトミ→
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」→
ザ・万遊記→
JUGEMテーマ:読書感想文


Comment
『鴨川モルホー』、読んでみたいです。
モルホーの謎が判らなくて(^_^;)気になっていたんですが。そんな内容なんですね〜!
ますます読んでみたいです!
小夜さんへ
異界と人とのつながりを物語に埋め込んでいるのですが、主人公たちの青春がメインです。
主人公も最初のうちは逃げ道をずっと探しているんですが、なんとかちゃんと立ち向かうんですよ。私は森見作品の登場人物よりも、好感が持てました。
  • 日月
  • 2009/01/18 22:51
日月さん、こんにちは。コメントとTBをありがとうございました。
『ホルモー六景』はもう読まれましたか? スピンオフですが本編より好きなくらいでした。
私も森見さんはちょっと・・・、なので、今後も万城目さんに注目です。
ではでは、また来ます〜。
真紅さん、コメントありがとうございます。『ホルモー六景』まだなんです。いま図書館にリクエストしています。

森見さんは賛否両論分かれますよね〜。
私は主人公が成長していく話が好きなので、進んでいるようでいてぐるっと元に戻ってきてしまう森見文学はちょっと…。
  • 日月
  • 2009/01/19 22:25
日月さん☆こんばんは
「イエイエ」は見事にツボにハマってしまいました。
昔々、淀長さんの日曜洋画劇場の時にこのCMが流れてました。懐かしい〜!(*^^)v
  • Roko
  • 2009/01/28 23:34
Rokoさん
「レナウン娘」以前はどんな曲をつかっていたのか、ちょっと気になります。
日曜洋画劇場、懐かしいですね。
淀川さんはずっとこのまんま生きているんだと子供のころ思ってました。
  • 日月
  • 2009/01/31 01:19
やっと読むことができました『鴨川ホルモー』!!
途中から、あっという間に読んでしまいました(意味がわかる途中まではしんどかったですが)。
四神相応の地の京都っぽいお話で、京都だからこそ成り立つお話だった気がします。
小夜さんへ
ある書店には「前半は我慢して読んでください。後半面白くなります」というのポップがあるそうです。
後半いっきに面白くなりますね。
  • 日月
  • 2009/03/13 00:15





   
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 二浪の末京都大学に入学した安倍は、葵祭の夜、「京大青竜会」という謎のサークル に勧誘される。新歓コンパで同じく新入生の早良京子に...
  • 真紅のthinkingdays
  • 2009/01/19 9:15 AM
  『鴨川ホルモー』著者:万城目学出版:産業編集センター初版:2006年4月20日万城目ワールドにハマってしまい、読まずにはいられないデビュー作!こちらも作風は、先の『鹿男・・・』で読み取れるところはあるけれど、これもまた! 愉快なお話!! 京都大学に入学
  • ANNE'SHOUSE-since1990-
  • 2009/01/19 9:57 AM
鴨川ホルモーposted with amazlet on 07.03.12 万城
  • Roko's Favorite Things
  • 2009/01/28 11:30 PM
『鹿男あをによし』を読んでから、ずっと読みたいと思っていた『鴨川ホルモー』。
  • 月の舟
  • 2009/03/11 1:18 PM
式神。というのをご存じだろうか。 式神を使役するのは、陰陽師であったり、魔女であったり、特定の力を持った者に限られている。 しかし、『鴨川ホルモー』の主人公達は、京大青龍会という野太い名前のサークルに関わったことで、普通の大学生でありながら、多くの式神
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