「マイナス・ゼロ」 広瀬 正

2009.01.06 Tuesday

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    Rokoさんのブログで紹介されていた広瀬正さんの「マイナス・ゼロ」を読みました。圧巻でした。

    「マイナス・ゼロ」あらすじ


    昭和20年5月25日、空襲警報が鳴る中で浜田少年は隣の「先生」から18年後の5月25日、ここへきてほしいとたのまれる。はたして18年後、31歳になった浜田俊夫は、約束通り先生の研究室を訪ねるが、そこに現れたのは18年前の姿のままの先生の娘、啓子さんだった…


    解説はなんと、ショートショートの巨匠・星新一。

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    タイムマシンと昭和レトロ


    タイムマシンを扱ったストーリーで、タイムマシンも重要な役割を果たすのですが、主人公が訪れることになる昭和初期〜30年代の時代描写こそがこの物語の主軸かもしれません。

    また、通常のタイムマシンものと違った解釈で過去と未来をつないでゆくストーリー展開にはおどろきました。そしてラストはミステリのようなどんでん返し。

    また、作者の広瀬正さんはジャズ奏者でもあったので、戦前の銀座の騒音から、家の雨漏りの音の文章表現がすばらしかったです。

    太平洋戦争末期、昭和7年、昭和38年と昭和の時代を舞台にしており、その描写が実に緻密で、読んでいる方も実際に空襲が日常となっている戦争中や、戦前の銀座をのぞいているような感覚になります。

    また、タイムマシンで過去に取り残された人間がどうやって暮らしを立ててゆくかが事細かに記されています。私も、自分がタイムマシンで過去に行くことになれば、古いお札を用意しておくことにします。

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    コメント
    日月さん☆こんばんは
    わたしのお薦めを読んで頂いてカンゲキです!
    広瀬さんの作品を読んでいると時を超えてしまいます、この物語自体がタイムマシンですね。
    • by Roko
    • 2009/01/06 12:53 AM
    Rokoさん
    こちらこそ素晴らしい作家さんを紹介いただきありがとうございます。
    SFは好きでよく読んでいたのに、広瀬さんのことはまったく知りませんでした。(>_<)
    ほかの作品も是非読みたいとおもってます。
    • by 日月
    • 2009/01/06 9:19 PM
    こんばんは。
    戦前の景色などの描写が素晴らしかったですよね。
    そういえば、さまざまな音の文章表現にも光るものがありました。

    今年もよろしくお願いします。
    • by 藍色
    • 2009/01/08 1:38 AM
    まるで自分がその場所に立っているかのような描写でしたね。
    もっと広瀬さんの作品を読んでいきたいと思ってます。
    • by 日月
    • 2009/01/09 12:23 AM
    中2の時にNHKラジオ劇で知ったのが最初。その1年後の夏休み、書店で原作本を見つけたのだが買う金がなく、親戚の伯母からもらったお小遣いで手に入れることが出来ました。帰宅後早速読み始め、翌日にはもう読み終えるほどでした。50を過ぎた今ですが、当時買った本は実家のどこかへやってしまたので、再び文庫本を買って読みました。浜田の人生を大きく変えたのは昭和7年から38年に帰ろうとした時に職務質問した巡査さんではないでしょうか?
    • by クモマン
    • 2012/06/05 11:54 PM
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    マイナス・ゼロ 改訂新版 (集英社文庫 ひ 2-1 広瀬正・小説全集 1)pos
    • Roko's Favorite Things
    • 2009/01/06 12:35 AM
    表紙イラストは和田誠。再読。ネタバレありです。 1945年、中二の浜田俊夫は空襲で死寸前の隣家の先生から奇妙な事を頼まれます。 18...
    • 粋な提案
    • 2009/01/08 1:29 AM
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