「フライ,ダディ,フライ」 金城 一紀

2009.03.07 Saturday

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    落ちこぼれ高校生、ザ・ゾンビーズはいつもトラブルに首をつっこみたがる集団だ。彼らをパートナーにすれば、とてつもなく楽しく、危険な冒険が待っている。
    それがたとえ、平凡な中年サラリーマンだったとしても。

    平凡なサラリーマン、鈴木一(はじめ)は、判で押したような平凡な日常を営むサラリーマン。
    そんな鈴木さんにも大切なものがある。
    家族、妻と美しい娘・遥が唯一、自慢できる存在だ。

    7月9日、そんな日常に大きな亀裂が入る。
    大事な娘・遥が大けがを負い、病院に運ばれる。
    遥にけがを負わせた石原という男子学生は、有力者の息子でボクシングの国体選手。国体試合を控えた石原側は事件を表ざたにしないよう、圧力をかけてくる。遥の無残な姿に、日常の壊れる恐ろしさを感じてしまった鈴木に、遥はケガのショックと父親への不信を感じ心を閉ざしてしまう。

    追い詰められた鈴木は石原に復讐するため、石原の学校に向かうが、たどり着いた先は100m手前の落ちこぼれ高校。
    ここでゾンビーズの面々と知り合った鈴木は、ゾンビーズの武闘派・朴舜臣をコーチにつけ、きたるべき石原との対決にそなえてトレーニングを始めるのだか…

    舜臣と鈴木さんの奇妙な師弟関係がほほえましく、面白い。
    親子ほども年の離れたコーチについてへっぽこながらもトレーニングにはげむ鈴木さん。
    鈴木さんがどんどん鍛え上げられてゆくのを読んでいると、
    なんだかこっちも体を鍛えたくなります。

    途中恐怖で戦う気力を無くしそうになる鈴木さんに
    「俺が恐怖の向こう側に連れてってやる」と諭す舜臣。
    かっこいい。

    トレーニングの帰り、いつも通勤に使っているバスと競争をする鈴木さん。どんどんと脚力をつけてゆき、最後にバスを追い抜くと、いつもの通勤メンバーと運転手が割れんばかりの拍手。
    きっと彼らも日常は大切だけれどもどこかで「飛びたい」って気持ちが残っているのでしょうね。

    やがて迎えた決戦の日。はたして鈴木さんは石原に勝ち、娘を取り戻すことができるのか。
    がんばれ、鈴木さん!

    フライ,ダディ,フライ
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    ●ザ・ゾンビーズシリーズ
    ザ・ゾンビーズ最初の冒険譚
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    ゾンビーズと一緒に冒険する女の子が主人公の物語。
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    ●その他の金城作品
    GO→
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    コメント
    こんにちは。TBさせていただきました。
    金城作品読まれていますね〜^^
    この作品、1番好きです。
    おっさんとゾンビーズの友情がとっても素敵でした。
    闘いは感動でした^^
    • by 苗坊
    • 2009/03/07 10:39 AM
    「フライ,ダディ,フライ」私も好きです!
    バスとの競争のシーン、いいですよね!
    「レボリューションNo3」を読んでゾンビーズのファンになった娘にも、これから読ませます。

    ようやく娘の受験が終わったので、「フライ,ダディ,フライ」のDVDを借りてきました。明日、娘と一緒に観ます。
    苗坊さま
    最近、金城作品に夢中です。
    ゾンビーズを読んでいるとこっちまで高校生に戻ったようにドキドキするし、「映画篇」など大人の作品には切なくさせられるし、なんでもっと早く読まなかったのかと後悔しています。

    勝利の向こう側に行けた人間だけが飛ぶことができるんですね。鈴木さんも最後はとべたのでしょうね、きっと。
    • by 日月
    • 2009/03/08 10:36 PM
    牛くんの母さんへ
    バスとの競争シーン、読んでいるとき思わず頭の中で「ロッキー」のテーマがかかっていました。

    娘さん、受験お疲れ様でした!
    わたしも「フライ,ダディ,フライ」を借りてこようと思います。韓国版の映画もみてみたいです。( ̄▽ ̄)
    • by 日月
    • 2009/03/08 10:42 PM
    日月さん☆おはようございます
    頑張るお父さんも、彼を支える舜臣もカッコいいですね。
    男らしいって、こういうことを言うんですよね!
    • by Roko
    • 2009/03/19 8:05 AM
    Rokoさんへ
    鈴木さんと舜臣が少しずつ距離が縮まっていくのがほほえましいかったです。
    私は、舜臣やゾンビーズのふところにはいるというのは実は素質が必要なんじゃないかと思うんです。
    飛ぼうとする素質が。
    鈴木さんは娘の事件で飛ぼうとするという素質が芽生えたのでしょうね。
    • by 日月
    • 2009/03/20 3:57 PM
    心憎いばかりのセリフまわしとぐいぐい引き込むストーリー展開。
    さすがの面白さでした。
    もっと続きが読みたかったです。
    • by 藍色
    • 2009/07/31 11:53 AM
    藍色さんへ
    たしかに、セリフの一つ一つがかっこいいんですよね。
    舜臣の「俺が恐怖の向こう側に連れてってやる」ってセリフが好きです。
    • by 日月
    • 2009/08/01 2:06 AM
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