「エロス」 広瀬 正

2009.03.08 Sunday

0
    早世した天才SF作家・広瀬正氏の小説「エロス」。
    副題に「もう一つの過去」とあるように、「もしあのとき、この人生を歩んでいなかったらどうなっていたか」というテーマで1組の男女の出会いとその後の人生を「現在」と「もう一つの過去」が交錯して描かれています。

    まったく違った人生なのに、事件や人物は少しずつ形をかえて主人公たちとリンクしている。どんな人生を歩むにしても、同じ人間のことなので、周囲の出来事や人は大幅に変わることはないのかもしれません。

    マイナス・ゼロ」や「ツィス」のようなSF的は要素はほとんどでてきません。そのかわり、昭和初期の日常風景や科学の進歩、音楽の流行など、まるで自分がその世界にいるかのような詳細な描写が魅力的です。昭和初期から戦争中などはまるきり昔と思っていたのですが、庶民に浸透していないだけでエレクトロニクスなどの発達はめざましいかったの時代のようです。

    エロス―もう一つの過去 広瀬正・小説全集〈3〉 (集英社文庫)
    エロス―もう一つの過去 広瀬正・小説全集〈3〉 (集英社文庫)


    もしもあの時…」で一番に思い出されるのが
    岩井俊二の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 」です。これもいくつかの選択肢が選ばれてゆくストーリーと小学生たちの切ない初恋と夏の風景がノスタルジックな映像で描かれています。
    打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]
    打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]


    マイナス・ゼロ→
    ツィス→
    鏡の国のアリス→
    T型フォード殺人事件→
    タイムマシンのつくり方→
    コメント
    日月さん☆こんばんは
    昭和初期の風景が目に浮かぶようでした。
    「もしも」と考えたらキリがないけれど、どちらへ進んだとしても、一生懸命に生きていけばきっと幸せになれると信じたいですね。
    • by Roko
    • 2009/03/09 12:28 AM
    Rokoさんへ
    >どちらへ進んだとしても、一生懸命に生きていけばきっと幸せになれると信じたいですね。

    ほんとそうですね。( ̄▽ ̄)
    「現在」の百合子さんと片桐さんも幸せになってほしいですね。
    • by 日月
    • 2009/03/09 10:42 PM
    コメントする
    トラックバック
    エロス 改訂新版 ― もう一つの過去 (集英社文庫 ひ 2-3 広瀬正・小説全集
    • Roko's Favorite Things
    • 2009/03/09 12:04 AM
    この記事のトラックバックURL