『天国はまだ遠く』瀬尾 まいこ

2009.03.14 Saturday

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    人生をリセットできるのは、美味しいご飯と眠ること。疲れたら休んでいいし、楽しんでもいいんです。そう思わせてくれるやさしい物語。

    「天国はまだ遠く」あらすじ


    仕事も人間関係もいきづまってしまったOL・千鶴は自殺をするために、「誰も私を知っている人がいないところ」と決めた日本海側、北のほうへ旅立つ。偶然見つけた山あいの集落・木屋谷。

    そこに一軒だけある「民宿たむら」に宿をとった千鶴は、その夜睡眠薬で自殺をはかるものの、なぜか爽快に目覚めてしまった。

    失敗したことで急にしぬ気が失せてしまった千鶴は、そのまま民宿たむらに長逗留することになる。木屋谷の何にもない自然と、田村さんがつくるおいしいごはん。

    これからのこと、考えなければならないことは山ほどあるのに、考えが浮かばない。そのかわり、今までなくしていたごはんがおいしいと思える事や、気持のいい睡眠を手に入れることができた。
    居心地のいい生活は、このまま、ここで暮らしてもいいかなと思ってしまうほどに…



    ひょうひょうとした田村さんと、日々の丁寧な生活描写が魅力


    よくある物語ではあるのですが、日々のごはん、季節の移り変わり、田村さんの手仕事など、木屋谷での生活が細かく描かれていて、この本を読んでいると時間がゆっくり流れていくような気になります。

    そして、宿の主人の田村さんがすごくいいんです。どこかひょうひょうとしていて、さりげなく思いやりがあって。

    手負いの小動物のような手のかかる千鶴を、ぶっきらぼうにやさしく見守る田村さんのおかげで、千鶴のこころにも少しずつ変化がでてきます。
    「あんた死んだん知らんと、俺、夕飯とか作って待っとったら空しいやろ。」

    当たり前のことだけれど、おいしいごはんとゆるやかな睡眠、それと自然は、本当に人を癒す力をもっているのだな、と感じました。

    「天国はまだ遠く」は映画化もされていて、田村さんをチュートリアルの徳井さんが演じています。予告編を見たけれど、いい雰囲気でした。普段のエロっぽさが全然ないし(^^;)

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    ●瀬尾まいこさんの作品感想


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    「強運の持ち主」→
    「幸福な食卓」→

    JUGEMテーマ:読書感想文
    コメント
    こんばんは。
    死にたい人なのに、どこか滑稽な人。捉えどころがないな〜と思っていたら、死ぬのを諦めた途端、可愛くて面白い人になりました。そんな主人公と田村さんの距離感が良かったです。安易に恋に発展しなかったところも好印象でした。ここは住むところではなくて、癒される場所だったのでしょうね。
    しんちゃんさん
    コメントありがとうございます。
    千鶴は死ぬまで思いつめちゃった分、反動も大きかったのかもしれませんね。
    田村さんとの距離感は私も好きなのですが、千鶴が行ってしまったあとの田村さんを思うとちょっと切ないです。
    でも、私が心配するより田村さん自身は淡々としているのかもしれませんね。(^^;)
    • by 日月
    • 2009/03/15 11:04 PM
    さりげなく思いやっている様子の田村さんの温かさがとても心地よかったです。ほんと癒しの物語でしたね〜
    しんちゃんも書いていますが、ラストで2人が恋愛関係にならなかったのも個人的にはよかったなぁと思いました。(^^ゞ
    板栗香さん
    わたしならば残って田村さんの嫁になりたいところですが(^^)、あのふたりはあれでいいのかもしれませんね。

    木屋谷での生活は読んでいるこちらまで癒されました。
    • by 日月
    • 2009/03/20 3:51 PM
    こんばんわ。
    武骨な田村さんが温かくて素敵でしたね。
    瀬尾さんの作品は食べることで幸せを感じるシーンが多いですよね。
    私も癒されました。

    • by ia.
    • 2009/03/30 2:21 AM
    ia.さんへ
    瀬尾さん自身が食べることをだいじにされているんでしょうね、きっと。
    こんなとことでおいしいご飯をたべていたらきっと夜もぐっすりねむれるんだろうな。少しゆっくり時間を過ごしてみたいです。
    • by 日月
    • 2009/03/30 11:26 PM
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    • りゅうちゃん別館
    • 2011/09/11 6:22 PM
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