「図書館の神様」 瀬尾 まいこ

2009.03.26 Thursday

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    瀬尾まいこさんの「図書館の神様」は「天国はまだ遠く」と同じく、傷ついた女性の癒しの物語なのですが、こちらの主人公・清はちょっと複雑です。

    高校時代に打ち込んでいたバレーボールのミーティングできつく当った同級生が自殺してしまい、それまで清く正しく生きてきた清はその時をさかいに、いいかげんで投げやりな生活をはじめる。なりゆきで田舎の学校の教師になってみたり、奥さんのあるひとと不倫してみたり。

    そんなとき、顧問を任された文芸部でたったひとりの部員・垣内君と出会う。垣内君のペースに乗せられた清は、バレー一筋の人生でまったく接点のなかった図書館や文学に触れていくうちに、いい加減だった授業のやりかたや教師としての仕事にも少しずつやりがいを見出していく。

    しかし、この主人公・物語の半分くらいまでずっとうだうだとすごしています。そのうだうだ感がなんともじれったい(´Д`)=3 。「天国はまだ遠く」の千鶴に比べて共感できない部分が多かった。
    でも瀬尾さんの作品にでてくる人たちはみんなやさしい。
    マイペースでひょうひょうとした文芸部員の垣内君。
    おおざっぱでおおらかで姉思いの弟・拓実。
    不倫相手の浅見さんでさえ、途中まではとてもやさしい。
    そして瀬尾さんの描く不倫話はやっぱりドロドロしていない

    そんなやさしい人たちに触れ合うこと、垣内君を通して読んでみた文学の世界。そんな交流の中から、清は自分の進むべき道をようやく見つけだします。物語の終盤、少しふっきれて行き先を決めた清にはどんな生活がまっているんでしょうか。
    あまり共感がもてなかったけれど、でもやっぱり幸福に過ごしてほしいと思います。


    図書館の神様
    図書館の神様

    ●その他の瀬尾作品
    「おしまいのデート」「ありがとう、さようなら」「見えない誰かと」「天国はまだ遠く」「優しい音楽」「強運の持ち主」「幸福な食卓」
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