明治女の冒険活劇!「義侠娼婦風船お玉」 横田 順弥

2009.04.24 Friday

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    現代の女性は強い。でも明治の女性はもっと強い。
    明治女性の波乱万丈な生きざまを描いた「義侠娼婦 風船お玉」。テンポが良くて面白いお話。驚くべきは、このお玉さん、実在の人物なんです。

    「義侠娼婦風船お玉」あらすじ


    貿易商の妻としてサンフランシスコで生活していた青山静子は、夫の友人・富井にだまされ、三千ドルの「かた」として中国人ギャング・明珍の情夫とされ、娼婦に身を落とすことに。

    ここまで転落してしまうと、わが身を儚んで自殺するか、自堕落に落ちてゆくというのが普通の女性ですが、お玉さんは違いました。自分をだまし、金を奪った富井と、自分を辱めた明珍に復讐するため、「風船お玉」と名のりながら復讐の機会を狙います。

    サクラメント、ロサンゼルス、シカゴなど、富井の消息を探しながらアメリカを旅するお玉さん。旅の途中で同胞である日本人が困っていると自腹をきって助けてやる義侠心で、裏の社会の人間からも一目置かれる存在になっていきます。

    この本を読むと明治時代に案外たくさんの日本人がアメリカで生活していることに驚きました。日本人向けの新聞などもあったようです。

    「義侠娼婦」の誕生


    しかしお玉さんはだまされたとはいえ、身の潔白を証明することができず、日本人コミュニティから「国辱」とののしられますが、それでも故郷と同胞を思う気持ちは捨てず、困った日本人を、無償で助けてゆきます。そのさまがキップがよくてかっこいい。

    白人であろうと、ギャングであろうと間違ったことには頑として立ち向かう一方で、運を天にまかせてふわふわと流れてゆくお玉さん。流されるんじゃなく、その生きざまは自ら風に乗って流れてゆく風船のようです。

    以前に助けたギャング、キャプテン・ジャックの協力で、とうとうシカゴで富井を探し出すお玉さんでしたが、そこには嫉妬に狂った明珍が、ピストルをもって現れる。はたしてお玉さんの運命は…
    それは、続きをご覧じろ。

    実はこの「お玉さん」実在の人物。
    作者の横田順弥さんは明治時代のSF研究の第一人者で、明治の人物を調べてゆくうち「お玉さん」を見つけて小説にしたのだそうです。

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    こちらには本物のお玉さんのことがちょっと載っています。
    事実は小説より奇なりを実感するような人でした。

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