2009.05.08 Friday

「ちょいな人々」 荻原 浩

人ってバカだなぁ。でも面白いなぁ。
日常におこるささいな、でも本人たちにとっては重大な事件に翻弄される人々を描いた短編集「ちょいな人々」。

登場人物たちは自分に降りかかる事件に、一生懸命対処するんですが、時に裏目にでたり、予想もつかない方向に物事が進んで行ったりします。こういっては失礼だけども、読んでいる側からすればそれが滑稽でおもしろい(^^)。

一番印象に残ったのは「いじめ電話相談室」。いじめ体験をもつ相談員の聡子さんが、自殺志願の女の子にいじめ対策をさずけたり、自らもいじめ相手をかく乱したりするのがかっこよかった。
ただ、職場の元校長の相談員のいじめにはほんと腹が立ちました。
聡子さんの仕事をうばったり、持ち物をかってに持っていったり。
大人の方がやり方がえげつないなんですね。
飼っている水槽の魚のなかにもいじめが出てくるのも印象的でした。


・女子社員に私服をほめられ、その気になって会社のカジュアルフライデーに着る服を買いあさるサラリーマン。(ちょいな人々)

・ガーデニング好きの主婦と、隣の老人。お互いの庭をめぐる壮絶バトル(ガーデン・ウォーズ)

・不運続きの占い師に、ある日突然変化がおとづれる(占い師の悪運)

・いじめ電話相談室にかかってきた自殺電話がきっかけで相談員の聡子は大胆ないじめ対策を授けるが、それをねたんだ他の職員から今度は聡子がいじめにあうことに…(いじめ電話相談室)

・あるおもちゃ会社開発したペットの気持ちがわかるスーツ、犬猫完全翻訳機、そこには飼い主の希望とは逆に、ペットたちの意外な「本音」が…(犬猫完全翻訳機)

・犬猫完全翻訳機で失敗した会社がしょうこりもなく作り出した音声メール機能付き携帯電話。音声でメールが打てるのは便利なものの、送信者の本音がメールに反映されるようになり…(本音メール)

・タイガースマニアの彼と巨人ファンの父。結婚の申し込みがいつの間にか野球観戦に…(くたばれタイガース)

作者の荻原浩さんは、映画「明日の記憶」の原作も書かれているそうですね。いままで深刻な話は敬遠していたのですが、この人の書いたものならなんだか希望がありそうなので「明日の記憶」も読んでみようと思います。


すーちゃん」の益田ミリさんが描く人々のイラストがどこかぬけていて愛らしい。
ちょいな人々
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「ママの狙撃銃」→

Comment
ユーモラスで軽く読めましたね。
いじめ電話相談室は途中でハラハラ。
正義の味方に変身する場面は気分がスカッとしました。
  • 藍色
  • 2009/05/19 03:02
藍色さん、ありがとうございます。
いじめ電話相談室は読んでいて痛快でした。「正直メール」もよかったです。
本音をとりつくろう大人と、本音をさらけ出そうとする子供たちが対照的でした。
  • 日月
  • 2009/05/19 23:21
犬猫翻訳機を進化させた音声メール機能付き携帯電話。
これが実際にあったらと考えたら面白いような、怖いような…
ななさんへ
音声メール機能付き携帯電話、
確かに怖いですね。テレビ電話も技術的に可能なのに普及しないのは、本音が見れてしまうと都合の悪いことが多いからだと思います。
この携帯も普及しないと思いますが、
なんで企画の段階で気がつかないのか…不思議です(^^;)
  • 日月
  • 2009/09/18 23:22





   
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全7話。 どれも本当に笑えちゃうって言うかお馬鹿だね┐('~`;)┌っていうか。 面白かったのは・・・占い師の悪運・いじめ電話相談室・犬猫語完全翻訳機・正直メール 占い師の悪運 ふむ、京極堂の言うとおりの占い師だな。 言葉尻でどちらとも取れること言ったり、予
  • クラムボンの蹄
  • 2009/05/09 9:02 AM
イラストは益田ミリ。装幀は野中深雪。初出「オール讀物」。短編集。 いずれも不器用な人たちが織り成す、勘違いや争いなどを軽妙に描きます...
  • 粋な提案
  • 2009/05/19 2:58 AM
ちょいな人々クチコミを見る # 出版社: 文藝春秋 (2008/10) # ISBN-10: 4163275509 評価:83点 短編が7作品。巧くて面白くてスカッとできて、そして少しホロリ。 どれもこれも完璧な味付けのおかずが詰まっている、高級幕の内弁当を食べているようだった。
  • デコ親父はいつも減量中
  • 2009/09/13 10:28 PM
ちょいな人々 荻原 浩 JUGEMテーマ:読書 隣の庭木を憎む主婦、脱サラした占い師、いじめられっ子と一緒に復讐する相談員など、ちょっと変でちょっと可哀そうな人達のお話。 図書館の返却期限ギリギリで慌てて読んだのも原因かもしれないけど、荻原さんのこの
  • ナナメモ
  • 2009/09/17 8:57 AM
ちょいな人々荻原 浩文藝春秋このアイテムの詳細を見る 今回は、荻原浩『ちょいな人々』を紹介します。7編の短編小説で、登場人物は全員憎めないなあという印象でした。真骨頂のユーモア小説集という印象ですね。いじめ電話相談室がいちばん好きな話ですね。 ○各短
  • itchy1976の日記
  • 2010/08/12 12:05 AM

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