2009.05.11 Monday

『花々』 原田 マハ

沖縄の島を舞台にした恋愛小説、「カフーを待ちわびて」のアナザーストーリー「花々」。
純粋な続編ではなく、明青や幸と交流のあった女性たちを主人公にした物語です。独立した物語になっているので「カフーを待ちわびて」を読んでいなくても問題なく読めます。


花々

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「花々」の人々


ダイビングショップでアルバイトをしている純子は故郷・岡山と家族を捨てて与那喜島にやってきた。島のリゾート開発にともなう立ち退きで仲のよかった幸や、バイト仲間の奈津子など、つぎつぎと島を離れてゆく。

いろんなものを捨てて、沖縄の島へやってくるものの完全な島人になりきれない「旅人」たちはさみしさを感じます。確かに、リゾートは利益を生みだすのだから、外部の人間が理想論を唱えても実際にすんでいる人々にしてみれば死活問題なのですしね。

与那喜島に住みつく純子とは逆に、島を捨てて都会で仕事をこなす成子。「カフーを待ちわびて」の主人公、明青の初恋の人です。

リゾート開発にともない、両親の家の立ち退きで久しぶりに島をおとずれた成子は、幼なじみ・照屋のリゾート開発計画を聞き、自分なりの島おこしを企画します。友人となった純子に他の島のリサーチをたのんだり、自らも島めぐりをしますが、加計呂麻島で出会った知花子に諭され、自分にしかできないことを探すことに。

成子さんは、自分のことを好きな男に対して薄情なところがある人で、夫に対してもひどいことを平気で言ってしまいます。(・_・;)。明青に対しても罪つくりだったしな、この人。
そんな成子さんも、離婚を経たりいろいろな人との出会いで少し変化がでてきているようです。

成子に頼まれたリサーチを兼ねて奄美諸島を旅する純子は、漁師の開大と、ノロの母親の営む民宿に泊まるが、「大切な人が死にかけている。」と聞かされる。母の死をきっかけに「旅人」を廃業した純子に、島人や旅人たちから時折便りが届くようになった。

やがて、その中には純子も、読者たちも待ちわびていた「カフー」が届きます。

ぶっきらぼうの開大と純子の交流は、「天国はまだ遠く」の千鶴と田村さんをおも出だします。その後、純子に届く開大の手紙には、自分の釣った魚の写真が送られてくるのですが、それがなんとも愛らしくて冒頓ですてきなんです。この二人、どうにかなってほしいような、この交流のまま続いてほしいような…。

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カフーを待ちわびて
「たゆたえども沈まず」
「リーチ先生」

Comment
こんばんは。
開大と純子はいい感じでしたけど、自分の場所を見つけちゃったからねぇ。
また次の旅人が沖縄を訪れたなら、彼らのその後の詳細がわかるのかも^^)
こんばんは。
二人の女性のそれぞれ、興味深く読みました。
「カフー」に関係しているとは知らずに読んだので、明青と幸のその後がさらりと描いてあって嬉しかったです。
>しんちゃんさんへ
そうなんですよね、見つけちゃったんですよね。でもふたりの交流はずっとどんな形でも続いてほしいような気がします。

>ななさんへ
二人の女性以外にも彼女たちの周りの人々も二人にいい影響を与えていましたね。最後に明青と幸のその後を「さらり」と伝えたところは読んでいるこちらもうれしくなっちゃいました( ̄▽ ̄)

  • 日月
  • 2009/06/16 12:31
「カフー」の内容を覚えてなくても十分楽しめる内容になっていたところがいい按配だなぁと思いました。読んでいるうちに少しずつ思い出せたし。
自分の居場所をみつけようとする主人公らの姿がとても良かったです。
  • エビノート
  • 2009/06/25 21:04
エビノートさん、コメントありがとうございます。「カフー」を知らなくても十分楽しめる構成でしたね。
はたからみたら気楽そうでうらやましい島の生活ですが、ここにたどり着くまでみんないろんなものを背負っているんですね。
  • 日月
  • 2009/06/26 00:18





   
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  • 2009/06/15 7:01 PM
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花々原田 マハ宝島社 2009-03-04売り上げランキング : 34432おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ≪内容≫ 明青と幸が出会ったとき、島では何が起こっていたのか。 ダイバーズショップの純子、明青の初恋の女性、成子。 さまよえる花々の、美しくも儚い島
  • まったり読書日記
  • 2009/06/25 8:37 PM

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