「鼓笛隊の襲来」 三崎 亜紀

2009.06.08 Monday

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    最近の異常気象で、大型台風が被害をもたらしているため、台風より「鼓笛隊」ならちょっとは被害が少ないかな…なんて思ってしまいます。

    廃墟建築士」を読んでから三崎ワールドの不可思議な魅力にとりつかれてしまいました。幻想と現実が奇妙に入り混じった世界。

    もし、パラレルワールドがあるとしたら、どこかにこんな世界が存在するのではないでしょうか。

    ・戦後最大規模の鼓笛隊に遭遇する家族「鼓笛隊の襲来」
    ・記憶の不確かさを描いた「彼女の痕跡展」
    ・労働者の覆面着用の権利について「覆面社員」
    ・本物の「象さんすべり台のある街」
    ・背中に「突起型選択装置(ボタン)」を持つ女。
    それを押したら…
    ・姿が見えても、会うことがない家族が暮らす「欠陥」住宅
    ・近くいのに「高く」て会えない「遠距離・恋愛」
    ・いるけれどもいないもの。それを見つけてしまった「校庭」
    ・いなくなってしまった人を思う「同じ夜空を見上げて」

    私が好きなのは「鼓笛隊の襲来」です。大型で勢力の強い鼓笛隊に遭遇することになった、ある家族の物語。この世界では、鼓笛隊が台風のような自然災害として、時折人々に被害をもたらすものとして描かれています。


    「戦後最大の鼓笛隊」「勢力を弱めながらマーチングバンドへと転じる」といったフレーズにやられました。( ̄▽ ̄)

    私たち側から見たら、これらの世界は奇妙にみえるかもしれません。けれど三崎ワールドの人々も私たちと同じく悩んだり、切ない思いをしたり、奇妙な世界で普通に懸命に生きています。
    「世界」が違っても人間がやっていることなんてそう変わらないんですよね。

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    廃墟建築士→
    失われた町→
    JUGEMテーマ:SF小説


    コメント
    奇妙な設定なのに、どこかにありそうな世界の物語。
    それぞれのドラマが魅力的でした。
    違う世界で生きている人たちもリアルで、生活感が伝わってきました。
    • by 藍色
    • 2009/06/09 3:00 AM
    日月さん☆こんばんは
    こんな鼓笛隊がやってきたら、わたしはきっとついて行ってしまうと思います。(#^.^#)
    どの物語も「もしかして?」と思ってしまう所があって、こういうパラレルワールドへ行ってみたい気がします。
    • by Roko
    • 2009/06/09 11:31 PM
    藍色さんへ
    奇想天外な設定と人々の生活のリアルさが三崎ワールドの魅力ですね。
    今回は切ない恋愛話もあって廃墟建築士とはまた違った感じでした。
    • by 日月
    • 2009/06/10 8:45 AM
    Rokoさんへ
    >どの物語も「もしかして?」と思ってしまう所

    そうなんですよね、ちょっと日常をはみ出したら、どこかにあるんじゃないかと思える世界ですね。いったい、どんな発想をしたらこんな世界がつくれるんでしょう?
    • by 日月
    • 2009/06/10 8:47 AM
    こんにちは、日月さん☆
    わ〜!!日月さんも、三崎ワールドがお好きだったんですね。最近知ったばっかりだったので、日月さんちに記事があることに気がつかなかったです。嬉しいな〜!!
    廃墟建築士もお読みになられているのですね。

    PS 今回はハモネプの記事アップされなかったんですね。TVを見ながら、日月さんも見てるかな〜って思ったんですよ。
    今回は兄弟グループが凄かったですね。あの男の子が、あんなに歌が上手いなんて。カッコイイってわけじゃないのに、素朴なかんじで、妙に印象に残る男の子でした。
    やっぱり兄弟で声質が似てると凄く音が綺麗に聞こえますね。なんかスカウトされてデビューとかしたりして・・・。
    • by latifa
    • 2010/01/25 4:19 PM
    latifaさんへ
    もともと日常とちょっとだけ離れたお話が大好きだったのです。三崎作品を詠んだ時「これが私の読みたかった世界だ!」とうれしくなりました。
    非日常なのに実にリアルで、そこで生きる人は泣いたり笑ったりと、私たちとなんら変わりはないんですよね。

    ハモネプは、忙しかったりお気に入りのA-Zが前回優勝してしまったこともあり、録画はしたんですがまだ見てません。兄弟グループがよかったらしいとは聞いているので、時間をとってゆっくりじっくり観ようとおもってます。
    • by 日月
    • 2010/01/25 11:33 PM
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    ブックデザインは松昭教。イラストはまつあきのり。「小説宝石」掲載+書き下ろし。 植え付けられた奇妙な設定で確かなはずの日常が一変。 ...
    • 粋な提案
    • 2009/06/09 2:55 AM
    鼓笛隊の襲来posted with amazlet at 08.08.04 三崎
    • Roko's Favorite Things
    • 2009/06/09 11:26 PM
    小説「鼓笛隊の襲来」を読みました。 著者は 三崎 亜記 9つの話からなる短編 今作でも三崎ワールド健在 ちょっと普通とは違う世界でおこる物語 9作品 どれも面白い 設定の奇妙さが効いてますね 全体として どこか悲しさがあり 何か失った者たちを描いているよう
    • 笑う学生の生活
    • 2011/09/05 11:19 PM
     三崎亜記の小説は何冊か読んだ。デビュー作の「となり町戦争」には戦争のアイロニーみたいなものが含まれていたし、小さな町同士が戦争をしているというナンセンスさも嫌いじゃ ...
    • 日々のんぽり
    • 2015/11/13 8:35 AM
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