「かの子繚乱」 瀬戸内 晴美

2009.12.15 Tuesday

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    初めて岡本かの子さんのことを知ったのは、「文學ト云フ事」という深夜番組でした。そこでは毎回、ひとつの文学作品を取り上げてドラマ仕立ての予告編として見せてくれるもので、そこでみたのが岡本かの子さんの「老妓抄」だったのです。老妓と若い男と老妓の養女、3人の微妙な関係性を描いた作品がとても印象的でした。

    その後、かの子さんという人はあの岡本太郎の母親で、激烈で破天荒な生涯を送った人だということを知りました。

    裕福な家庭のお嬢様で、わがまま放題に育ったかの子さん。夏の秘書に訪れた土地で後の夫、岡本一平さんと出会い、結婚。

    やがて太郎さんが生まれますが、夫の家との不和や一平さんの放蕩などで精神を病み、仏教に救いを求め、仏教研究家として名を成す反面、恋人を夫と共住みさせるなど、ちょっと常人とは異なる感覚の持ち主なんですが、夫の一平さんや息子の太郎さんは、そんなかの子さんを童女のように慈しんでおられたそうです。


    作者の寂聴(執筆当時は晴美)さんが、かの子さんの恋人の一人に取材に行ったところ、その方も「自分の人生の中でも楽しい時間だった」と語ったとか。小説家の吉屋信子さんも電車で偶然かの子さんに話しかけられた時、その目がらんらんと輝いていたのが印象的だったとかたっています。


    かの子さんのまばゆいばかりの個性は、人を惹きつけて離さなかったのでしょうね。そしてそれは息子の太郎さんにも受け継がれていったのでしょう。

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