『神去なあなあ日常』 三浦しをん

2010.06.01 Tuesday

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    三浦しをんの描く山の仕事と山の暮らし。穏やか暮らしなんてとんでもない、楽しく素っ頓狂な林業ライフ『神去なあなあ日常』を読みました。

    『神去なあなあ日常』あらすじ


    高校を出たらフリーター希望のイマドキの若者・平野勇気は、親と担任の策略によって携帯も通じないど田舎で、林業に携わることになった。最初は何度か脱走を試みるものの、今まで体験したことのない山でのできごとに驚きながら、徐々に神去村の生活に魅力を感じるようになる。

    神去村では勇気の指導役で破天荒な天才木こり・ヨキ、奥さんのみきさん、繁ばあちゃん、おやかたさんの精一さんと佑子さん夫婦、三郎じいさん、巌さんなど村の個性的なメンバーに囲まれ、ヨキとみきさんの夫婦喧嘩に巻き込まれたりします。(^^;)

    そんな中、勇気は佑子さんの妹で小学校の先生をしている直紀さんに恋心をいだくが、直紀さんはずっと精一さんのことが好きだった。何もないような村でも、けっこういろいろなことがあるようで…。

    神去なあなあ日常
    神去なあなあ日常
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    四季を通じて描かれる山の風景と、村の行事、山仕事



    「林業」という一般的になじみのない職業を、ここまで詳細に、かつ面白く書けるってすばらしいです。
    私は田舎育ちなのでよく家族で山に行ってました。雨上がりの雲が渡る様や、木や草の独特のにおいなど、読んでいて小さいころに感じた山の「感触」みたいなものが伝わってきました。確かに、静かなイメージの山ですが、実は動物の声やはずれの音、風の音など、案外に騒々しいんです。

    神隠しや神去村のお祭りのシーンは、実際にこんなことあるのかな?と思うのですが、それは実際に山へ入って体験したものにしかわからないのでしょうね。




    三浦しをん作品感想


    「むかしのはなし」→
    「舟を編む」→

    「風が強く吹いている」→

    「きみはポラリス」→

    「木暮荘物語」→

    「星間商事株式会社社史編纂室」→
    「三四郎はそれから門を出た」→
    「まほろ駅前番外地」→
    「まほろ駅前狂騒曲」→
    「まほろ駅前多田便利軒」→


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    コメント
    TB、ありがとうですヾ(´∀`*)ノ
    こちらからも流しておきました。

    この話は面白かったです。
    突発的に林業させられることになった以外は普通の日常。
    都会と田舎の違いってかギャップってか、その辺がいいです。
    ワンコのノコがしょげちゃうのなんて可愛いし(人´∀`*)
    神去村ならケータイ使えなくても住んでみたいな。
    って、ケータイまともに使ってないんですけど(^▽^;)>゛
    Crambom、さんTBありがとうございます。山のくらしって虫とか花粉とか、しんどいことも多いけれど、山ならではの楽しみもあるんですよね。
    私自身も田舎の子なので、山の描写がすごくなつかしく感じました。

    • by 日月
    • 2010/09/16 12:26 AM
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    三浦しをんさんの「神去なあなあ日常」を読みました。 「仏果を得ず」では文楽の世界、「風が強く吹いている」では駅伝、と自分にとって知...
    • 心に残る本
    • 2010/06/07 7:46 PM
    卒業しフリーターの予定が、突然斜陽産業の林業をするハメに・・・ これは凄っい面白いね 流石、2010本屋大賞で4位になるだけのことはあります(゚∀゚*)b 平野勇気と言う高校卒業仕立ての男の子が突然三重県の神去村へ行くことになったのさ。 神去村の舞台は、三重県
    • クラムボンの蹄
    • 2010/09/14 9:25 PM
    高校卒業後、何故か林業修行することになった主人公。のどかで「なあなあ」な神去村の山の生活。ときにおおらかで、ときに厳しく、ときにこのうえなくワイルドな林業の仕事。最 ...
    • アン・バランス・ダイアリー
    • 2013/05/30 5:51 PM
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