「アメリカ映画がわかる。 」アエラムック

2010.07.31 Saturday

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    映画はその国の思想・風俗・宗教・時代背景を映し出す鏡。
    アエラムックの「アメリカ映画がわかる。」は、社会問題・家庭・宗教・ジェンダー・マイノリティーなど、アメリカという国と映画との関係がそれぞれの専門家によってわかりやすく説明されています。

    ・キリスト教
    あまり宗教を意識しない日本で過ごしていると見過ごしてしまいがちですが、アメリカは敬虔なキリスト教徒が多い国です。(他民族国家なので、他にも多くの宗教が存在しますが)「ショーシャンクの空に 」では、無実の罪で投獄されたアンディが長い苦労の末に脱獄に成功したのは嵐の夜でした。これは、キリスト教の洗礼を意味していて、雨のシーンは人間の再生を象徴しているのだとか。そのほか一見キリスト教と関係のないようなSF「マトリックス」でもキリスト教の影響が各所にみられます。
    主人公ネオが一度死んで生き返るのはキリストを暗喩しているし、恋人の名前の「トリニティ」はキリスト教の三位一体を表しています。

    ・ディズニー映画のヒロイン
    ディズニー映画こそアメリカを象徴する代表的な映画だそうです。ヒロインは女性の社会進出や歴史によってその姿を変えてきました。「白雪姫」や「シンデレラ」はかわいいお嫁さんタイプ。
    ムーラン」や「ポカホンタス」はキャリアウーマンタイプなのだとか。しかし、女性の自立や自由を象徴するヒロインは、社会的地位を得るには大変な努力が必要で、最近(2003年当時)はディズニー映画にヒロインは登場せず、こども路線に走っているというのが著者の見解でした。ちょっと極端すぎる論ではありますが、ヒロインの変遷はアメリカの歴史を表しているのは確かなのでしょう。

    そのほか、マイノリティーである黒人俳優に長く悪役をやらせなかった理由や、アメリカ=ヒーローなご都合主義的戦争映画についても取り上げられています。確かに地球に隕石が落ちてくる地球的危機でもアメリカ人だけでなんとかしてくれますしね…(^^;)

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