2010.08.16 Monday

少女と戦争と。「COCOON」 今日マチ子

美しい沖縄の風景の中、ユリを手に持つ少女の足もとには鮮やかな血があふれてる。そんな表紙の絵がひきつけられる「COCOON

沖縄戦。島いちばんの女学校に通うサンは、親友のマユや学校の仲間と共に看護隊として働くことになる。
ウジのわく野戦病院、血の匂い。腐った死体。
爆撃で内蔵や首が吹き飛ばされ、死んでゆく仲間たち。


凄惨な戦場という現実の中で、サンは空想という繭でを己の少女性を守ろうとします。

はっきりいいます。読むのつらいです。
でも、読み始めたらもう、目をそらすことはできません。
そして、よかったら読んでみてください。
悲惨な現実と、かわいらしい空想が共存するこの世界を。


COCOON
COCOON
posted with amazlet at 10.08.05
今日マチ子 秋田書店



女学校でかわいいものや、美しいものに囲まれていたのに、いきなり武骨で悲惨な戦場の様子に怖がるサンに、マユはおまじないをかけてあげます。
「男の人はみんな白い影法師、自分たちは雪空のような繭に守られているー」

やがて戦況の悪化により病院は閉鎖に。学校へ戻ろうとするサンたちですが、彼女たちの進む道には、同胞の遺体が…さらに悲惨な出来事に遭遇するサン。空想の繭は外側から破られてしまうのでしょうか…物語の中で兵士たちは白い、顔のない姿で描かれています。

作者今日マチ子さんはあとがきで「少女時代の潔癖さで男性の存在がないようなものとしてふるまっていた思い出から」と書かれていましたが、私も少女時代、戦争で女性が傷つく話を見聞きするうちに男性が嫌いで、存在しなければいいのに、と思ったことがあります。

空想の繭で守られた少女の世界には、きれいなもの、美しいものしか存在してはならないのです。


今日マチ子作品感想


いちご戦争
みかこさん
センネン画報
センネン画報 その2
「COCOON」もうひとつの感想 サンとマユについて。
100番めの羊

センネン画報 その2
センネン画報 その2
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今日マチ子 太田出版


JUGEMテーマ:おすすめの漫画


レビューポータル「MONO-PORTAL」
読んでいて一番つらかったのは、サンが日本兵に○○○されそうになる場面です。(嫌いな言葉ですし、ワードめあてでスパムコメントがくるので)怒りと憤りと、あまりの凄惨さに吐きそうになりました。実際、こういうことも戦場ではあったのかもしれません。
こういう場面を読むと、どうしても冷静になれません。


男たちが戦争をするのは勝手ですが、いつも犠牲になるのは女性なんですよ…

Comment
つまり、
「本人が望まない戦争に駆り出される兵隊(=男性)は犠牲者じゃない」
と。

あと、日本の有名なテロリストのボスは女性でしたね。
テロは女性が男性を被害者としてもかまわないのかな?
  • すまり
  • 2011/03/08 18:16
特攻隊の手記でも読んでこいよ
本当女って馬鹿でガキだな
自分のことしか考えられない
  • 2011/03/08 19:19
男と女は表裏一体。

男の攻撃性は女を守るためでもあると思うんですよね。

太平洋戦争に国民の大部分は当初賛成していたようです。
女も含めて。

表面だけ見て野蛮!汚い!って言うのは簡単だと思います。
  • ケイ
  • 2011/03/08 23:49
正しいかどうかは分からない。
ただ、自分の愛する家族を守るために、生きて帰れる保証のない戦場に行く。

しかし、その悲惨な死は、誰にも見られない。見た人がいたとしてもその人も戦地で同じように悲惨な死を遂げていることがほとんど。
だから、その悲惨な死が広くみんなに知られることは少ない。

しかし
「生き残った、戦地に行かない残された家族のその後の悲しみや悲劇」

これは(戦場と比較して)安全地帯にいて生き残った人たちに語り継がれることができる。

手足がもげて、脳みそがはみ出した仲間の横で自分も死んでいく悲惨さ。
それでも、自分の愛する人たちを守るため戦うしかない。

そうやって守った「愛する人たちの子孫」が、

「男たちが戦争をするのは勝手ですが、いつも犠牲になるのは女性なんですよ…」

なんて言っているとしたら。

死んだ人は浮かばれませんよね。


  • すまり
  • 2011/03/09 06:33
今回の大震災での原発事故に置き替えると良くわかります。

「原発みたいな男が作ったもので、女性や子供が苦しめられている」
「原発処理をしている夫や恋人や息子を心配する「女性や子供」の気持ちを考えろ」

ほんと、いい加減にしてほしいですね。
  • すまり
  • 2011/03/21 17:16
同じ人が批判のコメントばかり書いているのが目立ちますね。

女性がいつも被害者というのは確かに言い過ぎかもしれません、でもそういいたくなるようなことは確かにありました。

COCOONは、完全に少女の視点で描かれています。だからこそ、少女たちは無神経のようでもあり、また誰かの無神経の被害者でもある。

「戦争中にはよくあること」は、誰かにとっての一生を壊したことかもしれない。

加害者がうんぬんと言う話をするのであれば、同じように被害を受ければいいのか。それもたぶん違う。

二度とこんなことが起こってほしくない、とひたすら思いました。
  • きょう
  • 2012/02/18 22:47
きょうさん
コメントありがとうございます。

個人のブログですので、私自身が感じたことを書いています。それについて批判ももちろんああると思います。ひどい言葉には傷つきますが、よっぽどひどい中傷以外は書くのも自由なことなので。

きょうさんのかかれたように、大事なのは「二度とこんなことが起こってほしくない」ということなのかもしれません。
  • 日月
  • 2012/02/18 22:54





   
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