歌は、時代も国境も超えてゆく。[映画] 海角七号 君想う、国境の南

2010.08.17 Tuesday

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    歌が昔と現代、日本と台湾をつないでいく映画「海角七号 君想う、国境の南

    海角七号 あらすじ


    台北でバンド成功の夢敗れ、台湾最南端の町・恒春に帰ってきた阿嘉(アガ)は郵便配達を始めたが、仕事にも身が入らない。そんなある日、宛先不明の手紙を預かることに。それは60数年前に日本人教師が台湾人の恋人・友子に宛てた恋文だった…

    一方、恒春では日本の歌手(中孝介)がライブイベントを行うことになった。町の実力者・洪は主催者に圧力をかけ、地元で前座のバンドメンバーを募る。しかし急場しのぎのメンバーは、みんなワケアリな人たちばかり。

    アガの他にドラマーのカエル、生意気な小学生・キーボードのダーダー、元特殊部隊の警官ローマー、自称・月琴の人間国宝の茂(ボー)爺さん。そして、中国語が話せるためにバンドの世話役になったモデルの友子。

    アガは成功できなかったため、始終投げやりな態度をとるし、カエルは雇い主の奥さんに片思い、ローマーは家をでてしまった奥さんをいまだに思っている。

    アガと友子は衝突を繰り返していくものの、次第にお互いを意識し始める。気持ちを確かめあったあと、友子はアガの部屋で例の手紙を見つけ(日本語で書かれていたため、アガには読めなかった)60年前にこの手紙を受け取るはずだったもう一人の「友子」に届けて欲しいと頼む。

    やがてコンサート当日、「友子」の現住所がわかり、アガは手紙を届けにいくが…

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    歌は、時代も国境も超えてゆく。


    挿入歌の「野ばら」は日本統治下でよく歌われていた曲だそうで、80代の茂(ボー)爺さんも口づさんでいます。映画のラスト、台湾語と日本語で歌われた「野バラ」がすてきでした。

    この映画では当時の日本と台湾の関係も映されています。日本名「友子」と呼ばれた台湾人の少女。日本は当時、統治下の国の人々に日本名を強いていたそうです。

    また、日本人教師は何度も手紙に「捨てるのではない、泣く泣く手放すのだ」に書きつづります。これは、日本と台湾の当時の立場を表していると書いていた記事がありました。

    全ての台湾人が親日だったわけではないでしょうが、今でも日本語を使ってくれる台湾のお年寄りがいるのは、当時の日本と台湾の間には断ち難い絆があったのかもしれませんね。

    もし、この映画を日本側でつくったとしたらこうはいかなかったでしょう。終戦直後のシーンをやたらリアルに描いただろうし「友子」が手紙を受け取る箇所では劇的な演出を用意したでしょう。「戦争」やたら描きたがる日本と違い、悲しみも喜びもうけとめて時代の悲劇と人の絆を描いた「海角七号」はとてもすてきでした。


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    台湾映画感想


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    すごくいい映画だったんですが、ただ、60年前の引き上げ船のシーンで日本人女性の着物の着付けがなんか変な感じに…(^^;)
    明らかに帯の形がおかしかったり、光沢のある着物を着ていたり。(終戦直後にそんな着物を着れる人がいたかどうか…)
    ドラゴン怒りの鉄拳」でもおかしな着物がでてきましたが、どうも外国映画にとって「着物」は鬼門のようですね…
    コメント
    日月さん☆最後のシーンの「野ばら」がとっても印象的でしたね!
    台湾出身の友達いわく、この映画は台湾で観ていない人はいないんじゃないか位の大ヒットだったんだそうです。
    一口に台湾人といっても、色んな民族の人がいるんだよって言ってました。
    着物の着付けがヘンっていうのは、本当に多いですねぇ!
    ラスト・エンペラーでもヘンだったもんなぁ〜(-_-;)
    それはさておき、町の風情がとっても懐かしい感じで、いい映画でしたねぇ。
    • by Roko
    • 2010/08/17 11:41 PM
    Rokoさんへ
    すてきな映画を紹介していただいてありがとうございます。何度も見直したくなる映画ですね。町並みも昔の日本の路地みたいな懐かしさがあります。

    台湾は戦後、大陸からの移住者による弾圧や虐殺の歴史があるせいか、日本統治時代を懐かしむ方が多いようですね。この映画をきっかけにして、台湾の歴史をちょっと勉強してみたいとおもいます。

    着付けは日本人でも難しいものなので
    知識がないときは洋服でもOKな気がするのですが…(^^;)
    • by 日月
    • 2010/08/18 10:32 PM
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    勝手に私が想像、期待していた内容とは、かなり違っていました。
    • ポコアポコヤ 映画倉庫
    • 2010/08/18 10:38 AM
    素直にステキだと思える映画でした。今は無き日本統治時代の住所「海角七号」への想いと阿嘉が友子への想いを込めた「海角七号」という曲に涙が止まりませんでした。 60年前の純粋な想いが時代も国境も民族の壁も年齢も越えて現代に生きる人々に伝わるこのステキさと7
    • めでぃあみっくす
    • 2010/08/21 8:04 PM
    2008年の9月に台湾で公開され、大ヒットを記録した映画『海角七号/君想う、国境の南』。 台湾の歴代映画興行成績ランキングで、2位という記録を打ち立てた映画です。 第二次世界大戦終戦時と現代の、台湾人と日本人のふたつの恋物語を、台湾の南端・恒春ののどかな
    • Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>
    • 2010/11/19 10:59 PM
     『海角七号/君想う、国境の南』を銀座のシネスイッチに行って見てきました。  この映画については、タイトルの意味が分からず余り関心もなかったところ、前田有一氏の映画評に「台湾で爆発的にヒットした(同国映画としては史上一位)」とあったことから、ベルギー
    • 映画的・絵画的・音楽的
    • 2010/11/20 11:21 AM
    1940年代と現代の台湾を舞台に、約60年間届かなかったラブレターが2つの時代の恋物語をつなぐ切ないラブストーリー。名匠エドワード・ヤンのもとでキャリアを重ねたウェイ・ダーション監督が、約60年前の小さな恋物...
    • サーカスな日々
    • 2010/11/20 3:20 PM
    淡々とした日常の出来事を積み重ねてラストのクライマックスで盛り上げるという演出手法が非常に効果的である。ドラマティックな演出でで観る者を煽るのではなく、感じさせるという...
    • 映画と出会う・世界が変わる
    • 2010/11/20 5:56 PM
    「第9地区」と「海角七号」、タイトルの語感は非常によく似ているが、内容としては両極端にあるようだ。一方はグロなティストのSF、もう一方は歴史を超えたラブロマンス。しかし...
    • 映画と出会う・世界が変わる
    • 2010/11/20 5:56 PM
     「半次郎」で、そういえば去年も東京で映画を見て失敗したなあ、と思い出しました。    
    • 郎女迷々日録 幕末東西
    • 2010/11/23 1:51 PM
    海角七号/君想う、国境の南 郵便配達夫が宛先不明の郵便物を開封 中には60年前の7通の恋文があった... 【個人評価:★★★ (3.0P)】 (自宅鑑賞) 英題:Cape No.7
    • 『映画な日々』 cinema-days
    • 2011/08/19 9:46 PM
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