アジアではない、亜細亜。『グ印亜細亜商会』 グレゴリ青山

2010.10.25 Monday

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    グ印亜細亜商会」は元バックパッカー・グレゴリ青山さんが、大好きな古き良きノスタルジックな亜細亜(アジア)について文章とイラストと漫画でつづるエッセイ集です。

    「亜細亜」と漢字で書かれたことばには、今の「アジア」では無い、なんともノスタルジックで謎めいた土地のような雰囲気が含まれています。

    上海をテーマにした音楽を集めた「上海に歌えば」では、かつて「魔都」と呼ばれた時代、異国情緒豊かな上海ソングを取り上げています。有名なところでは「上海帰りのリル」でしょうか。聴くとどこか懐かしく甘酸っぱい気分になる上海ソングの他、変わったところではインドの上海ソングを紹介しています。当たり前だけれど、インドの人も上海を異国情緒あふれる街として見ているんですね。。なんだか不思議。

    そして後半は台湾の国民的画家・陳登波さんの絵と、グレゴリさんが彼の足跡を追った台湾へ旅の様子が書かれています。映画「海角七号 君想う、国境の南」を見てから、台湾の歴史に興味を持ち、少し調べてみたのですが、戦後日本が去ったあと大陸からの外省人と台湾人との間で大規模な暴動が起こったため、「日本人のほうがまだちょっとはマシ」という気風があったのだそうです。(今はどうかわかりませんが)


    本ではモノクロの写真でしか見れないのですが、陳登波さんの絵には電信柱と坂道、そこに生きる人々が温かいタッチで描かれています。けれどグレゴリさんはそこで台湾のつらい歴史に巻き込まれた画家の運命を知ることになるのです。

    幻の亜細亜、懐かしい亜細亜を知る旅は、その歴史も知ることになり、楽しいことばかりではないんですね。でもだからこそ余計に懐かしい幻の亜細亜に惹かれるのかもしれません。

    グ印亜細亜商会
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