「上海セピアモダン―メガロポリスの原画」 森田 靖郎

2010.10.17 Sunday

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    横浜中華街で上海租界時代の復刻ポストカードを買ってから、もっと老上海のことが知りたくなり、本を探していたところ、ぴったりの本に巡り会えました。

    上海セピアモダン―メガロポリスの原画」は、上海という都市の誕生から、「魔都」と呼ばれた怪しくも蠱惑的な都市へ変貌してゆく様子や、戦争中や文革中の上海の状況など、現代史と照らし合わせながら、レトロでノスタルジックな上海の魅力に迫る一冊です。

    表紙の写真がすてきです。

    上海セピアモダン―メガロポリスの原画


    阿片戦争後、上海では外国の租界がつくられ、冒険家たちが上海での成功を夢見て渡ってきた時代から、1930年代、上海に住む中国人たちは西洋風の都市に反して、快楽や犯罪が支配するアンダーグラウンドな「魔都」を創りだしてゆきます。


    上海では、海外の資本家はもちろん、地方からの労働者や革命家、文化人、秘密結社(!)に軍部など、上海は種々雑多な人々がうごめく混沌とした時代でした。映画「ラスト、コーション」のように恋愛も革命も暗殺すらも日常茶飯事だったのです。
    大世界(ダスカ)」という娯楽施設では、賭博や射的、売春窟などありとあらゆる悦楽がそろっていました。大世界の顔役は一方でか秘密結社のメンバーでもあったのだとか。


    「魔都」と呼ばれる一方で、上海は流行の発信基地としての役割もになっていました。西洋からはジャズがもたらされ、断髪のモダンガールたちがチャイナドレスでデパートで買い物を楽しみ、映画館で明星(女優)たちの演技や歌に酔いしれた時代。


    この頃の上海は街のどこを切り取っても、映画になりそうな時代でした。やがて日本軍の支配が始まると上海は輝きを失い、文化大革命中は退廃的な雰囲気を払拭されてしまいます。しかし、上海は破壊のたびに不死鳥のように甦り、今また発展を続けています。
    センチメンタルでノスタルジック、セピア色をしていてなおかつモダンな都市。懐かしくも妖しい都市の記憶を受け継ぎながら発展してゆく上海。これからもその魅力で人々を惹きつけていくのでしょう。


    上海セピアモダン―メガロポリスの原画
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