2010.11.12 Friday

「上海モダンの伝説」 森田 靖郎

古き良き「老上海」の本をまた見つけてしまいました。「上海セピアモダン」は、魔都・上海の成り立ちと文化・歴史などを紹介していましたが、「上海 モダンの伝説」は上海という「魔都」に魅せられた日本人を取り上げています。革命家、諜報機関、宗教家、反戦活動家、根無し草の詩人など、種々雑多な日本人が上海を訪れていますが、特徴的なのは大連など中国北部へ向う人は立身出世を目指してくるのに対し、上海に集まる人は、日本を追われたり、落ちぶれて上海に逃げてくるといった退廃的な人が多かったのだそうです。

上海と内山書店


「内山書店」と聞いてピンと来る人は、相当の読書マニアでしょう。内山書店の店主、内山完造は若くして中国に渡り内山書店を開く一方で、魯迅や孫文とも親しく、中国と日本との有効に務めた人物です。上海を訪れる食い詰め日本人は彼の元を頼ったそうです。

人を惹きつける街・「魔都」上海


築地本願寺をつくった大谷光瑞という人は、ものすごく変わった思想の持ち主で、チベット探検にいったり、美少年だけの新人類新民族を誕生させようとしていたのだとか。(^^;)その大谷光瑞は上海にも本願寺を作り、布教活動の傍ら日本軍の諜報活動をしていたそうで、かなり過激な戦争論をぶちまけています。この人、もう僧侶の枠を超えてますね。

デラシネの詩人・金子光晴。パリに向かうつもりが上海に腰を落ち着け、エ○小説を書いたり、強請まがいで絵を販売したりと、あまりほめられた生活をしていませんでした。(^^;)その後、パリ、東南アジアを旅し、その時のことを「どくろ杯」や「マレー蘭印紀行
」に書き残しています。この風変わりな詩人のことは今後もう少し調べてみようと思います。

その他、映画「ラスト、コーション」にも出てきた特殊工作部隊、ジェスフィールド76号に関わった日本軍人や、ミステリアスな経歴を与えられて活躍した日本人ダンサー、「上海バンスキング」のモデルとなったジャズマンなど、戦前の上海に魅せられて集った人々の記録が載せられています。


上海 モダンの伝説
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レトロモダン関連
「上海セピアモダン―メガロポリスの原画」→
「上海航路の時代―大正・昭和初期の長崎と上海」
上海租界時代の復刻ポストカード→
『香港セピア物語』→
「グ印亜細亜商会」→
「そんへえ・おおへえ―上海生活三十五年」→
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