大人の夏休み「風待ちのひと」 伊吹 有喜

2011.01.24 Monday

0
    「四十九日のレシピ」の伊吹有喜さんのデビュー作「風待ちのひと」読了。読み終わると疲れた心がちょっと癒やされます。

    「風待ちのひと」あらすじ


    妻の不倫や母の死で精神的にダメージを受けた須賀は、海沿いの町・美鷲に母親の遺した家の整理をかねて、夏の間だけ滞在することになった。生きる気力を失いかけた須賀の前に現れたのは、トラック運転手たちから「福の神のペコちゃん」と呼ばれる喜美子。

    須賀は喜美子にの母親の家の整理を手伝うかわりに、クラッシクのコレクションを聞かせて欲しいと頼まれます。初めは喜美子を、ずうずうしいおせっかいなオバチャンだと思っていた須賀でしたが、彼女の献身的な世話で須賀は徐々に生きる力を取り戻していきます。




    大人になった男女が同級生のように過ごす、ひと夏だけの夏休み


    手づくりのポテトフライ、ラムネ、イカ焼き、ほろ甘い瓜など、出てくる食べ物も、夏休みを感じさせるおいしそうなものばかりでした。

    最初は、人生を達観した「福の神のペコちゃん」である喜美子が、須賀を助けていく話なのかと思っていたのですが、話の途中から明るくて働き者の喜美子にも、夫と子どもを早くに亡くした悲しみや、エリートの須賀に対してのコンプレックスなどの弱い部分もみえてきます。

    そんな弱い部分をもつ須賀と喜美子はいつのまにかお互いを支えあっていくようになっていきます。

    喜美子が働くバー兼定食屋のマダム、マダムの孫の舜と舞も二人を見守っています。この周りの人々も温かくでやさしかった。

    反対に須賀の奥さんはダメダメでしたねー(^^;)自分で不倫しといて弱った亭主をほっぽり出して子どもも他人任せのくせに、そういう人ほど自分の飽きた所有物を取られると怒り狂うのよね。

    ([い]4-2)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

    中古価格
    ¥1から
    (2018/6/2 22:10時点)




    伊吹有喜作品 感想


    『彼方の友へ』
    『今はちょっと、ついてないだけ』
    『BAR追分』
    BAR追分シリーズ2『オムライス日和』
    BAR追分シリーズ3『情熱のナポリタン』
    『ミッドナイト・バス』
    『なでし子物語』
    『風待ちのひと』


    JUGEMテーマ:本の紹介

    レビューポータル「MONO-PORTAL」
    コメント
    コメントする
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL