[ドラマ]TAROの塔 第三回 「戦友」
2011.03.29 Tuesday
第三回のテーマ「戦友」は戦後、画壇デヴューを果たし、時代の寵児となった太郎さんと、太郎さんに惹かれて秘書となった永遠のパートナー敏子さんとの出会い、愛と葛藤。
敏子さんは最初、岡本かの子に憧れ、男としての岡本太郎に惹かれ、秘書になるんですね。
けれど、父・岡本一平さんから、かの子ゆずりの芸術の火をもつ岡本太郎のそばにいるには覚悟が必要だ。と諭されます。最初は男性として、生身の人間としての愛を太郎さんに求めていた敏子さんですが、芸術家岡本太郎と添い遂げるにはそれらを捨て去らなければならない、悩み、苦しみ、もがき続ける敏子さん。
(敏子さんの著書を読むと、実際に太郎さんは花街や遊郭にも敏子さんを伴って行ったそうです。)
太郎さんも外側からみたら、完璧な芸術家なのだけれど、世間の評価を気にし、一流の芸術家と、「岡本太郎」という個の狭間で葛藤している。そんなふたりが激しくぶつかりあい、新たな岡本太郎像をふたりで創り上げていく。
岡本敏子さんが生前テレビに出演された印象は、瀬戸内寂聴さんのような世俗の醜い感情から超越しているような(なにせ壮絶な空襲体験を満面の笑顔で話されていた)、聖教者のような雰囲気を感じました。けれど、そこにいたるまでには岡本太郎とのすさまじい愛憎があったからこそ、晩年にあれほどの境地に至れたのかもしれません。
このドラマ「TAROの塔」はすごいです。観た側の人間の中にも小さいながらなにか燃えるものが宿るようなパワーをもらえました。今の日本には岡本太郎のような壮絶なパワーを、それを生み出す精神を必要としているのかもしれません。
・TAROの塔 第1回 「太陽の子」→
・TAROの塔 第2回 「青春のパリ」→
敏子さんは最初、岡本かの子に憧れ、男としての岡本太郎に惹かれ、秘書になるんですね。
けれど、父・岡本一平さんから、かの子ゆずりの芸術の火をもつ岡本太郎のそばにいるには覚悟が必要だ。と諭されます。最初は男性として、生身の人間としての愛を太郎さんに求めていた敏子さんですが、芸術家岡本太郎と添い遂げるにはそれらを捨て去らなければならない、悩み、苦しみ、もがき続ける敏子さん。
(敏子さんの著書を読むと、実際に太郎さんは花街や遊郭にも敏子さんを伴って行ったそうです。)
太郎さんも外側からみたら、完璧な芸術家なのだけれど、世間の評価を気にし、一流の芸術家と、「岡本太郎」という個の狭間で葛藤している。そんなふたりが激しくぶつかりあい、新たな岡本太郎像をふたりで創り上げていく。
岡本敏子さんが生前テレビに出演された印象は、瀬戸内寂聴さんのような世俗の醜い感情から超越しているような(なにせ壮絶な空襲体験を満面の笑顔で話されていた)、聖教者のような雰囲気を感じました。けれど、そこにいたるまでには岡本太郎とのすさまじい愛憎があったからこそ、晩年にあれほどの境地に至れたのかもしれません。
このドラマ「TAROの塔」はすごいです。観た側の人間の中にも小さいながらなにか燃えるものが宿るようなパワーをもらえました。今の日本には岡本太郎のような壮絶なパワーを、それを生み出す精神を必要としているのかもしれません。
・TAROの塔 第1回 「太陽の子」→
・TAROの塔 第2回 「青春のパリ」→
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ