「県庁おもてなし課」 有川 浩

2011.04.12 Tuesday

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    「県庁おもてなし課」は、高知県の観光事業の一環として発足した部署・おもてなし課の奮闘を描いた物語。ちくしょう、読んだら高知に行きたくなっちゃったよ。

    「県庁おもてなし課」あらすじ


    高知県庁に新しく発足した「県庁おもてなし課」。しかし、何をするにも「お役所意識」が抜けず、見切り発車で指導した観光特使に名刺を配ってもらう企画は難航する。そんな折、主人公・掛水は特使の作家・吉門喬介から辛辣な言葉を浴びせられる。

    しかし、彼のアイデアと郷土愛をたよりにアドバイザーを依頼するが、吉門の条件は「民間感覚」をもつ女性スタッフの採用と、20数年前に提案された大胆な観光プラン「パンダ誘致論」の調査だった。

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    お役所仕事から、本当のおもてなしへ


    最初の方はお役所根性まるだしで、読んでいてイライラしましたね。ユーザーに分かりづらくなってしまうのに、各部署を調整を優先させてしまうのが当たり前で、名刺のクーポンに有効期間を後付したことで観光特使からクレームがくるまで気づかないし、それが予算の無駄になることもわかっちゃいるけどやめられない。

    主人公の掛水くんも最初はほんとに頼りなくて、彼の前半の功績は、「民間感覚」を持つ、しっかりものの女性・多紀ちゃんをスタッフとして引きぬいたのと、吉門のキツい意見を受け止めることだけでしたもん。(それだけでも役所にしちゃ上等だけど)結局、その多紀ちゃんに頼りっぱなしだったり、多紀ちゃんの気持ちに気づかずに吉門の義妹・佐和への態度で誤解させてしまったり。なんとも頼りない(^^;)

    後半は吉門が推薦した観光のアイデアマン・清遠の指導もあり、掛水の成長とともに、「おもてなし課」自体も少しずつ意識改革がなされていきます。でもお役所ですので一長一短にはなかなか変われない、壁にぶち当たりながらも進み続けるのは読んでいて気持ちがいいです。「フリーター、家を買う」のお役所版な感じ。

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    大分しっかりしてきた掛水くんに対し、今度は吉門が血の繋がらない義妹・佐和への思いを伝えられずにウダウダしていたり。掛水は吉門に認められたくて、吉門は掛水の成長を喜びながらも素直になれない。こういう友情とも師弟愛ともつかない関係もまた、恋愛以外で面白い関係性でした( ̄ー ̄)

    高知の名産。観光スポットも


    高知県の観光を扱ってる小説ですので、高知県の観光のいいところがたくさん出てきます。美味しそうな郷土料理も。馬路村のゆず、鯖寿司、ツガニ汁、イモ天など、郷土にしかない美味し物って、県外の人間からみるとすごく新鮮。食べてみたいなあ。

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    地方を描いた小説だから、地方を助けたいとの、作者・有川浩さんの思い


    「県庁おもてなし課」は、単行本印税をすべてを東北地方太平洋沖地震の被災地に寄付されます。
    詳しくは有川浩さんのブログ「有川日記:それぞれにできること」を御覧ください。

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    コメント
    こんばんは^^
    よかったですねぇ。恋愛模様も良いのですが、それ以外のおもてなし課の奮闘がとても良かったです。
    はじめは「お役所」的だった掛水君をはじめ、他の方々が自分の足で動いて営業をしている姿は読んでいてかっこよかったです^^
    恋愛も良いですね^^どちらも素敵でした。
    • by 苗坊
    • 2011/04/14 8:19 PM
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    『県庁おもてなし課』有川浩/著(角川書店刊)【送料無料】県庁おもてなし課本ブログ勝手に推奨作家、有川浩さんの新作「県庁おもてなし課」でございます。じっくり読ませてもらい...
    • 怪鳥の【ちょ〜『鈍速』飛行日誌】
    • 2011/04/14 1:06 AM
       県庁おもてなし課/有川 浩 ¥1,680 Amazon.co.jp 「高知県庁にあたらしくできたおもてなし課、そこの若手職員掛水は地元出身の作家吉門に観光特使を依頼したところ、思いがけない電話を本人からもらい・・・」 面白かったです! さすが有川さん♪
    • 日々のつぶやき
    • 2011/04/14 11:39 AM
     有川 浩 2011 角川書店 可愛い人がいっぱいだ。男の人に面と向かって可愛いというのはどうやらエラーらしいけれど、女性が男性を可愛いと思うことは、結構多い。でも、その女性ならではの気持ちをさらっと描いちゃうところが、有川さんらしい。可愛すぎるぞ、あの
    • 香桑の読書室
    • 2011/04/14 11:47 AM
    県庁おもてなし課著者:有川 浩角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-03-29)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。と ...
    • 苗坊の徒然日記
    • 2011/04/14 8:18 PM
    マンガっぽい甘いラブコメが印象的な有川サン。 新刊が出てるの知らなくて、たまたま本屋で見つけてしまいました。 この表紙の雰囲気はちょっと好みじゃないけど、控えめなタイトルの配置はよい。 そして読み始めるとタイトルどおりの内容。 高知県が新しく作った
    • 読書三昧
    • 2011/04/27 12:11 AM
    このところ体調が不安定で、なかなか読書がはかどりませんでした。それでも、ようやく有川浩さんの新作、「県庁おもてなし課」を読み終えることができました。今回の本でタ
    • 日々の記録
    • 2011/06/07 11:35 AM
    有川浩さんの本2冊。
    • ポコアポコヤ
    • 2011/08/13 5:53 PM
    著者:有川浩 県庁おもてなし課(2011/03/29)有川 浩商品詳細を見る 高知県庁に発足した「おもてなし課」。その最初の仕事として、県出身の著名人に観光特使を依頼する。そんな中、若手職員・掛水のもと...
    • 新・たこの感想文
    • 2011/09/17 5:28 PM
    有川浩「県庁おもてなし課」を読みました。 高知県への愛情あふれる1冊でした。有川浩って高知県出身だったんですね! 読みながら、縦割り行政の中での公務員の働きづらさや、高知県のおかれた状況と自然...
    • 心に残る本
    • 2011/09/25 8:42 AM
    小説「県庁おもてなし課」を読みました。 著者は 有川 浩 県庁、公務員たちを主人公に いわいる観光課たちの奮闘劇 まず 題材が面白く 観光を盛り上げるには? というね けっこう実話もあるらしくて・・・ いい意味でクセがなく 読みやすいですね 最初はダメタメか
    • 笑う学生の生活
    • 2012/02/02 5:46 PM
    本好きのひとには、ぜひとも参加してほしい企画を、電子書籍パブーが行っています。 【第3回ブクログ大賞】 http://delivery.paperboy.co.jp/c/afvGaqhv5ygx4tab これは、1年間の間に発売された小説、漫画のなかから、ユーザーの投票により今年一番面白い本を決めよ
    • サイトーブログ
    • 2012/02/04 12:06 AM
    有川浩さんは好きですが、この作品は中でもかなり好きの部類に入ると思います。 個人
    • はらやんの映画徒然草
    • 2012/02/04 10:48 PM
    県庁おもてなし課。大好きな有川浩作品  高知県の本当にあります「県庁おもてなし課」  そして有川さんは高知県出身です。 有川浩(アリカワヒロ)  2004年、第10回 ...
    • ベテランママは小説、エッセイ、ビジネス本大好き。あらすじ、ネタバレ注意
    • 2014/01/18 9:46 AM
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