『若様組まいる』 畠中 恵

2011.05.21 Saturday

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    明治の西洋菓子職人とその仲間たちの活躍を描いた「アイスクリン強し」の続編「若様組まいる
    続編と言っても時間軸は「アイスクリン強し」より少し戻って、菓子職人ミナこと皆川真次郎の友人・長瀬をはじめとした元旗本の若様たちの巡査教習所時代のお話です。

    元旗本の若様たちも明治の世ではなかなか生きづらい。
    元家臣たちの面倒をみなくてはならないし、幸い、長瀬たちの仲間は親が官吏として採用されたため、屋敷を手放さずにすんだものの、生活は苦しく、自由な未来を選べない。

    幕府側の武士が明治政府の官吏となれたのは三割程度。
    それでも「武士の家計簿」の猪山家のように、よほど能力がなければ旧幕側は出世もままならなかったのだとか。
    ひどいところでは娘を吉原へ売っぱらって対面を保とうとする家もあったようです。

    消去法ではあるものの、長瀬たちは、自分たちの進むべき道を選び、努力を重ねていきます。
    しかし、教習所では次から次へトラブルが。仲間のひとり、福田の恋人が結婚させられそうになったり、教習所のNo.2、幹事ににらまれ、商人の息子・姫田が合格するよう指導を頼まれたり、射撃の授業中、姫田が銃で打たれたり…。どうやら教習所の中に流行りのピストル強盗と通じて銃弾の横流しをしているものがいるらしい。

    様々な困難に見舞われた若様組、果たしての彼らは無事に卒業できるのでしょうか…

    時代小説というよりも、青春小説と言った感じでした。禁止されている食べ物や酒を隠して仲間で楽しんだり、最初は薩長・旧幕・平民とにらみ合っていたのだけれど、みんなで協力して困難に向かうことで仲間意識や団結力がでてきたり。若い人達がエネルギーや鬱屈を持て余しながらも前に進んでいく姿は明治でも現代でも感動させられます。


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    コメント
    こんばんは^^
    時代小説というよりは確かに青春小説だと思います。
    青年達が時代に翻弄されながらも自分の道を見つけて努力しているのがかっこよかったです。
    個人的にはミナがあまり登場しなかったのが不満でしたが^^;
    • by 苗坊
    • 2011/05/22 10:11 PM
    TB間違えました^^;消しておいてください。失礼いたしました。
    • by 苗坊
    • 2011/05/22 10:14 PM
    苗坊さんへ
    今ほど自由にいきられない中でも若様たちはなんとか時代と折り合いをつけようとするんですね。これからも困難なことが多いでしょうが、がんばってほしいです。(^^)

    しかし、青春時代って若様たちも、ゾンビーズも時代は違えども同じようなところがありますね。
    • by 日月
    • 2011/05/24 10:31 PM
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