「シアター!2」 有川 浩
2011.05.28 Saturday
小劇団を舞台にした「シアター!」第二弾。どんぶり経営がたたって、借金300万を背負ったシアターフラッグ。主宰の巧は兄・司に泣きついて借金を工面してもらうものの、司が出した条件は劇団経営の黒字化、2年以内に借金が返せなければ劇団を解散する、というものだった。
前作「シアター!」では司のスパルタ指導により、借金返済に向けて劇団員たちの士気もあがってきて、いいところで幕引きだったので続きが楽しみでした。
司さんの指導のもと、劇団員に回り持ちで制作を担当させ、借金返済後の運営をも視野に入れた展開を行います。
司さんは「もしドラ」のマネージャーさながらに劇団にイノベーションや人の強みを活かす配置を行ったおかげで、今まで役者としてのプライドが邪魔してそれらの作業をを軽視していた劇団員たちも、ようやく経済活動としての認識が(少しずつですが)伴ってきたようです。
それにしても最初は劇団員たちの営業活動に対する考え方の甘さに、イラッとさせられました。そんなんでよく売上が上がると考えられるなあ。(^^;)
あれ?この感覚どこかで…と思ったら「県庁おもてなし課」や「フリーター、家を買う」の前半を読んで感じたのと同じだ!でも最初がダメダメなほど、後半の成長が面白くなってくるのですが。
いい人すぎるよ。仕事をこなしながら劇団経営に携わり、なんだかんだで劇団員の悩み相談のってるし。
それも時には中学生レベルのケンカの仲裁だし。(^^;)
有限実行でやるときめたらとことんバックアップするのだけれど、父も巧も演劇人で、自分だけが家族の共通項を持っていないと考え、コンプレックスを抱えているんだよねえ。千歳によってちょっと救われたようでよかった。
もう、今回イラッとすることが多かったのが巧。
確かに脚本・演出は優れているけれど、いじめられっ子のトラウマ抱え過ぎだし、いい大人なのに打たれ弱いし、いや、打たれ弱いのはいいんですよ。別に。けど身内や劇団員に頼りすぎ。挙句の果ては劇場支配人とケンカして、変な責任感じて逃亡するも、行き先は再婚した母親の住んでいる神戸…。どんだけヘタレなんだ、巧よ…(;´д`)ノ
ようやく、恋愛らしき要素もでてきました。
牧子は家出した巧を神戸まで迎えに行ったついでに、押し倒さんばかりの愛の告白。まあ、それぐらいしなきゃのほほん巧にはわかんないだろうな。リアリストゆかりと万事が80点小宮山の恋愛。役者としての成功を目指すゆかりを支えようとする小宮山。よくよく考えると、小宮山すごいよ。だってゆかりが言って欲しい言葉をちゃんと言えるんだから。
茅原→スズのドジっ子萌えは愛情なのか、愛玩なのかも気になるところ。
前回から気になっていた司と千歳。お互いちょっとずつ歩み寄っていっているようで。このままうまくいって欲しいなあ。
今回は劇団員それぞれの事情が掘り下げられていました。スズはドジっ子だけどもそれが嫌なのに空回り。けど千歳との壮絶なケンカをきっかけに、「自分のできること」を考えるようになる。これは大きい成長だと思う。今回、スズが一番成長の振り幅が大きいな。
さて、「シアター!」はあと1冊で完結だそうです。
果たしてシアターフラッグは借金を完済できるのか、劇団員たちの恋の行方も気になります。
有川作品感想
・旅猫リポート
・ほっと文庫 「ゆず、香る」
・クジラの彼
・ラブコメ今昔
・阪急電車
・海の底
・空の中
・レインツリーの国
・三匹のおっさんふたたび
・三匹のおっさん
・キケン
・ヒア・カムズ・ザ・サン
・シアター!
・フリーター、家を買う。
・植物図鑑
・県庁おもてなし課
前作「シアター!」では司のスパルタ指導により、借金返済に向けて劇団員たちの士気もあがってきて、いいところで幕引きだったので続きが楽しみでした。
・もしドラ風意識改革
司さんの指導のもと、劇団員に回り持ちで制作を担当させ、借金返済後の運営をも視野に入れた展開を行います。
司さんは「もしドラ」のマネージャーさながらに劇団にイノベーションや人の強みを活かす配置を行ったおかげで、今まで役者としてのプライドが邪魔してそれらの作業をを軽視していた劇団員たちも、ようやく経済活動としての認識が(少しずつですが)伴ってきたようです。
それにしても最初は劇団員たちの営業活動に対する考え方の甘さに、イラッとさせられました。そんなんでよく売上が上がると考えられるなあ。(^^;)
あれ?この感覚どこかで…と思ったら「県庁おもてなし課」や「フリーター、家を買う」の前半を読んで感じたのと同じだ!でも最初がダメダメなほど、後半の成長が面白くなってくるのですが。
・司にいさん!。・゚・(*ノД`*)・゚・。
いい人すぎるよ。仕事をこなしながら劇団経営に携わり、なんだかんだで劇団員の悩み相談のってるし。
それも時には中学生レベルのケンカの仲裁だし。(^^;)
有限実行でやるときめたらとことんバックアップするのだけれど、父も巧も演劇人で、自分だけが家族の共通項を持っていないと考え、コンプレックスを抱えているんだよねえ。千歳によってちょっと救われたようでよかった。
ヘタリア巧
もう、今回イラッとすることが多かったのが巧。
確かに脚本・演出は優れているけれど、いじめられっ子のトラウマ抱え過ぎだし、いい大人なのに打たれ弱いし、いや、打たれ弱いのはいいんですよ。別に。けど身内や劇団員に頼りすぎ。挙句の果ては劇場支配人とケンカして、変な責任感じて逃亡するも、行き先は再婚した母親の住んでいる神戸…。どんだけヘタレなんだ、巧よ…(;´д`)ノ
・恋愛要素
ようやく、恋愛らしき要素もでてきました。
牧子は家出した巧を神戸まで迎えに行ったついでに、押し倒さんばかりの愛の告白。まあ、それぐらいしなきゃのほほん巧にはわかんないだろうな。リアリストゆかりと万事が80点小宮山の恋愛。役者としての成功を目指すゆかりを支えようとする小宮山。よくよく考えると、小宮山すごいよ。だってゆかりが言って欲しい言葉をちゃんと言えるんだから。
茅原→スズのドジっ子萌えは愛情なのか、愛玩なのかも気になるところ。
前回から気になっていた司と千歳。お互いちょっとずつ歩み寄っていっているようで。このままうまくいって欲しいなあ。
今回は劇団員それぞれの事情が掘り下げられていました。スズはドジっ子だけどもそれが嫌なのに空回り。けど千歳との壮絶なケンカをきっかけに、「自分のできること」を考えるようになる。これは大きい成長だと思う。今回、スズが一番成長の振り幅が大きいな。
さて、「シアター!」はあと1冊で完結だそうです。
果たしてシアターフラッグは借金を完済できるのか、劇団員たちの恋の行方も気になります。
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有川作品感想
・旅猫リポート
・ほっと文庫 「ゆず、香る」
・クジラの彼
・ラブコメ今昔
・阪急電車
・海の底
・空の中
・レインツリーの国
・三匹のおっさんふたたび
・三匹のおっさん
・キケン
・ヒア・カムズ・ザ・サン
・シアター!
・フリーター、家を買う。
・植物図鑑
・県庁おもてなし課
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今回は司の出番少なめだったのがちょっと残念でした。司と千歳、このまま言い方向にいってくれたらいいですね。次作が楽しみです。