「日本人の叡智」 磯田 道史

2011.06.21 Tuesday

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    今こそ、過去の人々が残してくれた言葉、「日本人の叡智 (新潮新書)」が必要だと思います。
    「日本人の叡智」は、「武士の家計簿」の磯田道史先生が、古文書の中に埋もれた有名無名の人々の言葉を丹念に拾い集めた名言集。人物のひととなりや、その言葉が言われた背景を、磯田先生が簡潔にわかりやすく解説してくださっています。

    ちょうど震災後ひと月くらい後に「日本人の叡智」は刊行されました。読んでみると不思議と今の時勢にぴったりはまるような言葉が多くて驚きました。過去の人々は、様々な困難に遭いながらも這い上がり、困難から学び、生き方のヒントを後世に伝えようと文字に残してくれました。私たちはまた、その遺産をきちんと受け継いで、そこから学び取らなければならないでしょう。

    すばらしい言葉ばかりですが、その中でも今のご時世、ちょっと元気がでそうな言葉を紹介します。

    本気で辛抱してりゃ、自分の目には見えなくても、畳の目のように物事はすすんでるんですよ(古今亭志ん生)

    古今亭志ん生は言わずと知れた落語の大名人。破天荒な貧乏暮らしをしながらも、誰にも負けない愛嬌と、懸命な落語の稽古で名人に登りつめた人。磯田先生はこの名人の言葉に「本気の辛抱とともに楽天的なずぶとさも要る」と結んでいます。

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    あと、わたしが個人的にツボだったのは、昭和の名経営者・土光敏夫さんの言葉。
    会議は二時間以上してはならない
    今の経営者連中に聞かせてやりたいです。本当に会社ってところは無駄な会議が多いんだから!ヽ(`Д´)ノ

    今まで知らなかった、歴史に埋もれた人々の名言と生き様にふれられて、短い文章ながらも感動の連続でした。
    特に戦時中、なり手のいない沖縄県知事を引き受けた島田叡さんの生き様に感動しました。

    磯田道史先生著作
    『無私の日本人』→
    『歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)』→
    『武士の家計簿」―「加賀藩御算用者」の幕末維新』→
    『殿様の通信簿』→
    『江戸の備忘録』→

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    コメント
    日月さん

     こんにちは。本当に、磯田先生は歴史の中から素晴らしい宝物を見つけ出す天才ですね。

    志ん生の「びんぼう自慢」、私も読みました♪ あそこまで破天荒というか、吹っ切れてしまっているのって凄いなぁと思います。
    昔の名人は、スケールが違うのでしょうか。

     為政者も、芸人も、小粒になっているのかもしれませんね。

     
     
    • by おりおん。
    • 2011/07/01 5:52 PM
    おりおんさんへ
    志ん生の本はまだ読んでいないのですが、地震の時みんなが逃げる中で酒屋にいってただ酒をくらったというエピソードは聞いたことがあります。(^^)
    志ん生に限らず昔の人達は厳しい環境の中で自らを律し、困難に立ち向かっていってますね。

    おそらく今の政治家で後世まで残せる言葉を生み出すことはないのでしょうね…(´Д`)=3
    • by 日月
    • 2011/07/02 1:17 PM
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    「日本人の叡智」 磯田道史著 新潮新書 11/06/26読了   磯田先生の本を読むたびに、小学校6年の時の担任の松崎均先生を思い出す。歴史を学ぶことの意味を教えてくれた人。  当時、社会科はあまり好きじゃなかった。特に、歴史は苦手。「美しさはなんと(710
    • おりおん日記
    • 2011/07/01 5:55 PM
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