中国の不条理で怖い昔ばなし 「李白の月」 南 伸坊

2011.08.08 Monday

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    シンプルでユーモラスなイラストが特徴の南伸坊さんですが、実は酒見賢一の小説「墨攻」の挿絵を担当していたり、奇異小説を漫画化た作品も多いのだそうです。そんな南伸坊さんが、中国の奇怪な物語をあつめて描いたのが「李白の月」不条理でユーモラスな中国の奇譚を独特のタッチで描いています。

    どれくらい不条理かというと、「ある男が盗賊だと思い近づいてくるものを切ると、それは蝶々に変化し、その蝶々が脇にふれたために死んでしまった。」だの、「主人公が大きなハマグリの中にあった剣をとりだし、家に持ち帰ると、突然父母の首が落ちた」といった「なぜそんな展開に?」と首を傾げたくなる話ばかり。

    奇怪で不思議な体験をすると必ずといっていいほど当事者や周りの人間に被害が及びます。
    化物などに襲われるのではなく、ただちょっとした奇異に遭遇するだけで簡単に人が死んでしまうのです。
    それだけ、昔の中国では不可解な出来事を「死」に値するくらいの出来事だと思っていたのでしょうか…

    また、その他にも夜に首が胴体から離れて飛んでいく女や、人の顔のような花が咲く木の話など、人間離れした生き物の話もでてきます。これは、古い中国の奇書「山海経」で紹介されるものに近い。
    どこか遠くには、きっと自分たちとは変わった生き物がいるに違いないと想像され、不思議なものたちがつくられたのでしょう。

    李白の月
    李白の月
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    山海経」で紹介された生物は、「十二国記」にも登場します。


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