2011.09.04 Sunday

「史記の風景」 宮城谷 昌光

宮城谷昌光さんが描く史記解説本「史記の風景
史記とは、司馬遷が書いた古代中国の歴史書。宮城谷昌光さんのわかりやすい解説とやさしい文章で、難解なイメージのあった「史記」を面白く読み解くことができました。

「史記の風景」を読んでみると古代中国の文化や慣習が、意外にも現代の私たちが使う言葉や習慣の中に残っていたりします。また戦国武将や江戸時代の俳人なども、史記を読んでいて、史記から引用している手紙や作品も残っているそうで、数千年前の歴史からの影響が、現代まで脈々と続いているというのは興味深かったです。


・竜のイメージ
古代は空をとぶ鳥を神聖視しており、王のシンボルも殷や周の時代は鳳凰だった。周朝が五行でいうところの「火」であるため、秦の始皇帝は「火」に勝る「水」のシンボル竜を国(皇帝)のシンボルに採用したらしい。
春秋戦国時代の風習を世界観に取り入れた「十二国記」でも、王のことを鳳凰にたとえた記述がありました。(「図南の翼」)

・喪服が黒いわけ
現代に置いては喪服は黒と決まっていますが、喪服がが黒くなったのは春秋時代、喪に服していた晋国に秦の王が不埒な振る舞いをしたため、晋の王は白い喪服を黒く染めて秦と戦ったのが始まりなのだとか。白い服は敗戦の時に着る→でも喪服なので脱げない→だったら喪服自体を黒しちゃえ!…ということらしい。

・劉備玄徳の祖先
三国志で有名な劉備玄徳は漢王朝の王族・中山靖王の末孫を名乗っていました。
その中山靖王とはいかなる人物かというと、清廉潔白な劉備の印象とは程遠い、酒食に溺れて政務を顧みない人だったのだとか。

・現代と違う意味の漢字
古代中国では現代とは意味が違う言葉も多々あるそうで。

・「旅」は軍隊を、「館」は軍の霊を祀るところ意味。
・「小説家」は、学説を説く学者「大説家」に対し、世間の話や情報を道で伝え説くもののこと意味する。
まあ、「小説家」は当たらずしも遠からずかなあ。どっちかといえばジャーナリストに近いのかも。

史記の風景 (新潮文庫)
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古代中国の冒険譚「沈黙の王」→
古代中国の恋愛模様「玉人」→
古代中国の名宰相「華栄の丘」→
誕生!中国文明展→

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