2011.09.13 Tuesday

「FUTON」 中島 京子

中島京子さんのデビュー作「FUTON」田山花袋の「蒲団」をベースに、まったく新しい世界観の小説として「打ち直されて」います。


「FUTON」あらすじ


田山花袋の「蒲団」を研究する日本文学教授・デイブは、美しい日系の学生・エミに恋をする。2人の中は順調だったが、奔放なエミは他にも日本人のボーイフレンドを作っており、やがてエミは日本人のボーイフレンドを追って音信不通に。デイブは日本で開催される学会にかこつけて、エミを探しに、彼女の祖父がすむ「鶉町(うずらまち)」を訪れる。

一方、90歳になるエミの曽祖父・ウメキチは、画家だという若い女性、イズミから昔の話を聞かせてほしいといわれ、戦時中に愛した女・ツタ子のとの思い出を語り始める…。


妻の視点から観た小説、「蒲団の打ち直し」


いくつもの話が独立しながら、時に交錯していき、不可思議で心地良い、中島さん独特の世界観を紡ぎだしていきます。この不思議で切ない物語の構成は、デビュー作からつくられていたんですね。

アメリカ人の日本文学研究家デイブとエミ、ウメキチとイズミ、そして「蒲団の打ち直し」の主人公と妻。
一見、なんのつながりもない出来事が、悲しみや愚かさを纏いながらも、最後にはすとん、とあるべきところへおさまっていくのが心地良かったです。

この、「FUTON」の世界観の軸をささえるのが、デイブが妻側からの視点で描いた小説「蒲団の打ち直し」。
作中作として登場するのですが、これが面白いんです!( ̄▽ ̄)

私は田山花袋の小説「蒲団」を読んだことは無いのですが、この妻視点の「蒲団」は、奔放な女弟子に翻弄される夫を、あきれつつも支える妻の姿が描かれています。夫や女弟子から旧式だと、やや見下されている女性ですが、ヘタレな夫をささえながら彼女なりに精一杯、生活を送っている姿は、明治女性の強さや、しなやかさを感じました。本家の「蒲団」と比較してよんでみたくなります。

今まで読んだ中島作品の中でも、かなり面白い作品でした。

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しかし、田山花袋の「蒲団」て、結局のところ女弟子が彼氏とヤッたかどうかについて、みんなで思い悩む話なんだよね。現代じゃ考えられん貞操感だよなあ。

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「のろのろ歩け」→
「小さいおうち」→
「エルニーニョ」→
「女中譚」→
「冠・婚・葬・祭」→
「花桃実桃」→

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中島京子氏の作品です。実質的なデビュー作であるらしいです。 題名は「FUTON...
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