「偉大なる、しゅららぼん」 万城目 学

2011.12.10 Saturday

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    京都でホルモー奈良で鹿大阪ではトヨトミと、万城目文学の近畿シリーズ(と、勝手に呼んでいる)最新作の「偉大なる、しゅららぼん」の舞台は滋賀。琵琶湖から不思議な力を授かる日出涼介は、力の抑制を学ぶため、高校入学を期に湖西にある日出本家に居候することに。日出本家には、涼介と同じ年の総領息子・淡十郎がいるが、城に住むほどの資産家の長男だけにやることが殿様気質。
    おまけに、日出家の積年の宿敵・棗家の息子・広海までも同じクラスで、入学早々、お互いの力をぶつけ合ってしまい、波乱含みの高校生活がはじまる。マイペースな淡十郎に振り回されながらも、徐々に湖西での生活に慣れていく涼介だったが、ある時、元領主の末裔である涼介の高校の校長から「琵琶湖周辺から一族全員、出ていくように」と勧告される。両家の力をあわせもつ校長は、淡十郎の父親と、棗の家族の時を止め、意識を奪う。

    涼介、淡十郎、清子、そして仇敵である棗とも協力し、校長と戦う決意をする。
    果たして校長の目的とは?しゅららぼんとはなんなのか?

    登場人物の中では淡十郎と清子の姉弟コンビが好きです。特に清子。小説のキャラにありがちな際立った美しさが微塵もなく、ぽっちゃり体型、サンダル履き、ヘビースモーカー。とてつもなく傲慢で周囲(特に涼介)を振り回していくんだけれど、傲慢さだけじゃなくて、自分に課せられた責任を果たそうとする強い意志をもっていて、魅力的な人物です。実際にお近づきにはなりたくないけれど…。

    万城目さんの作品は、現実と虚構のはざまがわかりにくくて、読んでいくうちに、いつの間にかそっち側に引きこまれていきます。しまいには、どこまでが現実で、どこまでが空想かわからなくなります。
    たぶんそれは、現実や実際の歴史部分の描写がしっかりしているからこそ、成り立つんでしょうね。
    それが万城目学作品の魅力なのだと思います。

    物語の中で涼介たちがやっていたボードゲーム・カロムも、てっきり空想かとおもいきや、調べたら本当にあるゲームでした。


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    「鴨川ホルモー」→
    「鹿男あをによし」→
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    コメント
    近畿地方を網羅してきましたね。
    あとはどの辺へ出没するのかも楽しみになってきました。

    今回のも楽しく読みました。
    なんつっても表紙にもある赤い学ランってのが笑えます。
    普通そんなのないだろう(T∀T)
    清子、いい味出してますよね。
    パタ子さんがもう少し使えるかとも思ったのだけど。
    今までの万城目小説では、最後に不思議の謎が解明されますが、今回は最初から不思議な力が提示されていて、そこからさらに大きな謎や事件を起こしていくのが新鮮でした。

    やっぱり、清子が印象的ですね。
    万城目さんの小説は映画化されることが多いですが、もし、映画化されても、清子の風貌はあのままにしてほしいです。
    • by 日月
    • 2011/12/14 11:25 AM
    こんばんは^^
    相変わらずのマキメワールドを堪能しました。
    私も清子がとても印象深いです。
    すっごく傍若無人でかかわると大変そうですけど、きっと心の中ではいろんな葛藤があって必死に生きているんじゃないかなと勝手に思ったり。
    今回の不思議な世界も面白かったです。
    私もとてもリアルに感じてどこまでが空想で現実かあいまいになりました。
    • by 苗坊
    • 2011/12/18 11:41 PM
    苗坊さんへ

    関東に住んでいる者にとって、関西は不思議ワールドです。琵琶湖だったら何が起こっても不思議じゃない気がしますね。

    他の本読みさんたちの間でも清子は好評みたいです。もしも映画化されるとこがあったら、あのぽっちゃり体型はちゃんと維持した女優さんにやってほしいですね。
    • by 日月h
    • 2011/12/20 12:42 PM
    日月さん☆こんばんは
    白馬に乗って登場した清子さんは、ホントにグレートでしたね!
    これからは外に出られるようになったのかなぁ?なんて、彼女のファンになっちゃいました。
    • by Roko
    • 2012/05/13 10:57 PM
    Rokoさんへ
    私も清子ファンです。わがままで女王様なんだけど、やるときゃやる、みたいなところか。

    「しゅららぼん」も映像向きの作品だと思いますが、清子は原作の体型通りにしてほしいです。
    • by 日月
    • 2012/05/15 7:07 PM
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    ★★★★★ 敵対する2つの超能力(?)家系に、突然魔の手が現れた むふ、これは万城目さんらしく楽しいお話でした。 ちょっと思ったんだけど、お菓子屋さんのたねやって滋賀県の琵琶湖の畔に本店があるじゃない。 あれって、なんかこの本読んじゃうと何かあるんじゃ
    • クラムボンの蹄
    • 2011/12/13 10:16 PM
    偉大なる、しゅららぼん著者:万城目 学集英社(2011-04-26)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 万城目学の最新作にして、大傑作!!! 琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家 ...
    • 苗坊の徒然日記
    • 2011/12/18 11:38 PM
    万城目学「偉大なる、しゅららぼん」を読みました。 これまで、京都、奈良、大阪と来て、今度は琵琶湖=滋賀が舞台です。 不思議な力を持ち、その力を利用して権力をもつ日出一族。その一人である少年涼介...
    • 心に残る本
    • 2011/12/27 9:16 PM
     万城目学作品  鴨川モルホー、鹿男、とありました。  プリンセストヨトミは、今一つ、私の好みではありませんでしたが、これはバッチりストライクゾーン  2012年元旦  面白 ...
    • シニアの乱読読書はボケ防止
    • 2012/01/11 6:07 PM
    偉大なる、しゅららぼんposted with amazlet at 12.05.
    • Roko's Favorite Things
    • 2012/05/13 10:37 PM
    小説「偉大なる、しゅららぼん」を読みました。 著者は 万城目 学 今までも万城目作品には驚かせてもらいましたが 本作では どうかと思っていたが・・・ 万城目さんらしい ファンタジーと壮大さで 読ませてくれますね 今回は超能力という! ファンタジーというか SF
    • 笑う社会人の生活
    • 2013/05/07 6:54 PM
    万城目学さんの「偉大なる、しゅららぼん」を読み終えました。 万城目さんの他の作品と同じく、読み始めた段階では「しゅららぼん」が何なのか全くわかりません。読み進めるうちに、じょじょにそれがなんだかわかってくる構成です。 物語の舞台となるのは、琵琶湖
    • 日々の記録
    • 2014/01/19 10:32 AM
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