2012.02.02 Thursday

精霊の守り人シリーズ外伝 『炎路を行く者 ―守り人作品集―』 上橋菜穂子

精霊の守り人シリーズ外伝「炎路を行く者 ―守り人作品集―」を読みました。
」は、「蒼路の旅人」「天と地の守り人」の登場人物アユラタン・ヒュウゴが主人公。(ドラマでは鈴木亮平さんが演じていました)

ヒュウゴは、主人公チャグムやバルサの住む新ヨゴ皇国を攻めるタルシュ帝国側の密偵。
しかし、もともと彼は新ヨゴ皇国と縁の深いヨゴ皇国の武人階級出身でした。

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『炎路を行く者』あらすじ


大国タルシュがヨゴ皇国を占領、その侵攻でヒュウゴはの母と妹をタルシュ兵に殺されてしまう。ヒュウゴ自身は間一髪で逃げ出し、怪我をしたところを不思議な少女・リュアンに助けられる。

リュアンは、現実世界と対をなす異世界ナユグを見ることのできる少女で、口が聞けないためナユグの生物・タラムーを通じてヒュウゴと心を通じ合わせる。

今まで信じていた未来や希望、友人、家族…。それらすべてを失わなければならなかったヒュウゴは、まったく環境の違う下町で生きねばならなくなります。下町での暮らしに満足できればよかったのでしょうが、ヒュウゴの心の中には絶えず炎がくすぶっていて、心から満足することができません。

リュアンやその父親ヨアル、料理人のシガン、ヒュウゴを慕う少年たち。大事に思ってくれる人もいるけれど、ヒュウゴは自分の生き方に悩み、ケンカに明け暮れる無頼の日々を送ります。

どうやって生きたらいいかわからなくて、もがき続ける日々が何年も続く。そんな時、偶然出会った不思議な男オウル。タルシュの密偵だと名乗る彼は、ヨゴ皇国がなぜ滅びたのかを伝え、ヒュウゴを仲間に誘うのですが…

少年ヒュウゴの迷い、どうにもできない憤りが時に暴力となって現れる痛々しさと、たすけてくれたリュアンとヨアルとともに食卓を囲んでいる時の楽しそうな様子。ふたつの相反する感情がヒュウゴの中に混在しているのが、思春期の少年らしかった。

けれど、まだ夢多き少年だった頃に、何もかも奪われたヒュウゴは、ひとりで道を切り開いていかなければならなかった。切ないですね。せめて、いつか、リュアンと再会することができたらいいのだけれど…。

15の我には


もう一つの物語「15の我には」、こちらはバルサの思春期。
養父ジグロと用心棒をしながら旅を続けているバルサですが、まだ若く、血気盛んなため、判断ミスから怪我をしてしまいます。怪我の治療のため、街の酒場にとどまることになるのですが…。

同世代の女の子たちが、恋の話題に夢中のとき、ひとりでいるバルサ。
親友の子である自分を連れて逃げたため、国での地位を追われたジグロに申し訳なくて、独り立ちしたくて焦るバルサ…。そんなバルサの感情を、ジグロはやさしく受け止めてくれます。守り人シリーズの「闇の守り人」を読むと、ジグロのバルサへの感情は、決して愛情だけではなく、憎悪もあったようなのですが、ここで書かれたジグロは若く迷うバルサに対し、大きな愛で包み込んでくれています。

ヒュウゴもバルサも、子供の頃に大変な困難に巻き込まれ、悩み、憤り、道を模索しています。バルサにはジグロがいて、無鉄砲なバルサ愛し、道を示してくれました。

けれど、ヒュウゴは、愛してくれる人はいても、道を切り開くのは自分だけでした。対照的な二人の若き日の体験が、やがて交錯してゆくと思うと感慨深いですね。

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上橋作品感想


「物語ること、生きること」→
「精霊の守り人」→
「闇の守り人」→
「夢の守り人」→
「天と地の守り人」→
精霊の守り人シリーズ外伝「流れ行く者」→
精霊の守り人レシピ集「バルサの食卓」→
「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」→
「獣の奏者掘|亀翳圈廣
「獣の奏者検ヾ扱詈圈廣
「獣の奏者 外伝 刹那」→
「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」→
守り人レシピ「バルサの食卓」→

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「あらすじ」 『蒼路の旅人』でチャグムをさらったタルシュの鷹アラユタン・ヒュウゴ。 ヒュウゴはなぜ、自分の祖国を滅ぼした男に仕えることになったのか。 そして、バルサは、 ...
  • ベテランママは、本大好き。あらすじあり、のおすすめ本
  • 2013/02/21 9:00 AM

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